第二期
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俺の側には、いつもお前がいてくれた。
「ソラン!大丈夫!?」
「ああ、ソフィアは平気か?」
あの内戦で出会い、共に生き抜いた。
「ガンダム、マイスター…?」
「そう。君達はマイスター候補に選ばれた。私達と共に来てくれるかい?」
「わたしたち、一緒?」
「ああ。それは保証しよう」
マイスター候補に選ばれ、共に訓練を受け、やがてCBに入った。
「ソラ…じゃなかった。刹那、ガンダムはもう見た?」
「ああ。ヒカルは…」
「見せて貰ったよ!早く乗って、実際に動かしたいよね!」
人を殺める覚悟を決めても尚、笑っていた。
「刹那…ずっと、ずっと一緒にいてくれるよね…?」
「当たり前だ。俺は約束した筈だぞ、お前の側にいると」
「…うん!」
一人になる事のないよう、約束を交わした。
俺は、お前が何者でもよかった。だが俺に
お前を殺す事は出来ない
.
「イノ、ベイター…」
『そうさ。彼女は、ヒカル・エトワールはイノベイターとして作り出され、ガンダムマイスターとして、またいつの日か、僕の為に働くよう造られた存在だ』
「そんな…」
レイアスを直視した後、隣にいるリボンズの機体に目を移し、睨み付けた。
「俺を救い、俺を導き、そして今また、俺からヒカルを奪い、俺の前で神を気取るつもりか!?」
『いいや、神そのものだよ』
「そこまで人類を支配したいのか!?」
『そうしなければ人類は戦いを止められず、愚かな行為をし、滅びてしまう。救世主なんだよ僕は』
「共に歩む気はないと…解り合う気はないのか!?」
『人間が自分達の都合で動物達を管理しているのと一緒さ。それに、純粋種となった君に打ち勝てば、僕の有用性は不動のものとなる』
「っ、…そのエゴが世界を歪ませる、貴様が行った再生を、この俺が破壊する!」
『いい覚悟だ!』
「ダブルオーライザー!」
『リボンズキャノン』
「刹那・F・セイエイ!」
『リボンズ・アルマーク!』
「出る!」
『行く!』
ダブルオーライザーとリボンズキャノンは構え、同時に飛び出した。
.
強力な攻撃を繰り出すキャノンに続き、レイアスは援護をするようにダブルオー向けて攻撃を続けていた。
「…っ、止めろヒカル!俺の声が聞こえないのか!?ぐ…っ」
『何を言っても無駄だよ。彼女は完璧に目覚めた。もう君の声は彼女には届かない』
「何故あいつがイノベイターなんだ!?あいつには家族も、俺と一緒に成長していた!あいつは人間だっ!!」
『そう。彼女は人間…だった』
「…だった?」
するとリボンズは攻撃の手を止め、一度ダブルオーから距離を取った。
『彼女の両親、レアルド夫妻はお互いの技術を生かし一体のロボットを造った。やがて産まれたソフィア・レアルドは彼女を姉のように慕っていた…君も聞いている筈だよ、フレイヤ自身に』
「…ああ」
『だが、夫妻の研究員仲間がそれを知り、世間に好評しようとした』
「ああ、全てフレイヤから聞かされた!彼女を護る為に、ヒカルがフレイヤの記憶を受け取った事も!」
『…人間がロボットの記憶を受け取って、無事で済むと思うかい?』
「何、だと…」
『彼女は死にかけたんだよ。フレイヤの記憶を受け止めきれず、自身の心を壊してね』
その言葉に、刹那は目を見開いた。
『その時、僕は夫妻に会いに行った』
.
二人の異常に駆け付けた時、既にソフィアは植物人間状態だった。
「ソフィア…フレイヤ…!どうして、こんな事に…っ」
「私達の責任だ…フレイヤは私達を、ソフィアはフレイヤを護ろうとして、こんな事に」
二人を抱き締めながら号泣する母と、拳を握り締めて悔いる父。
そんな二人の前に、一人の青年が現れた。
「助けてあげようか?」
「き、君は…」
「僕がその娘を、ソフィアを助けてあげようか?」
「何だと?」
「僕なら彼女を救える。だがもし助かった時、彼女にはいずれ、ガンダムマイスターになってもらう」
「ガンダム、マイスター?」
「そう。CBに入ってもらう」
「CB…!娘をテロリストにするつもりか!?」
「嫌なのかな?」
「当たり前だ!世界を変えるとはいえ、娘にそんな事をさせる訳にはいかん!」
「あなた…」
「ならいいんだね、その娘を助けなくても」
「…っ」
「僕にしか彼女は救えない…。どうする?娘を永遠に失うか、それとも、テロリストとなる代償を払って救い出すか…」
二つの選択。父は俯いて少し悩んだ後、再び顔を上げた。
「一つ、約束してくれ…」
「何かな?」
「娘を…ソフィアを、死なせないと約束してくれ…」
「…ああ、解った」
.
『夫妻は僕の手を取り、僕はイノベイターとして彼女にもう一度生を与え、フレイヤの記憶を埋め込んだ。そしていつの日か、ガンダムマイスターにさせる事を伝えた』
「じゃあ…あの時、ヒカルはもう…」
『そう。あの時クルジスで出会った時、彼女は既にイノベイターだったんだよ』
「…何故!叶えも出来ない約束をした!?」
『どのみち夫妻は僕の手を取ったさ。あの時彼女を救えたのは僕だけ。君ならどうする?今最愛の人を失うか、数年後失うか…』
刹那はもう何も言えず、黙ってしまった。
『だが、全てが計画通りに進んだ。さあヒカル!僕の為に、あのガンダムを手に入れろ!!』
リボンズの声に、レイアスの目が光り、GNソードを抜いてダブルオーに斬り掛かった。
ガキイイインッ!!
「ヒカル!止めろ!目を覚ませ!!」
『……』
「ヒカルッ!!」
『いくら叫んだ所で代わりないよ。彼女は完全に記憶を取り戻し、自分が何者か思い出した』
「記憶を…!」
『今までフレイヤが隠し続けていた記憶、君が放った脳量子波のおかげだよ!』
手を止めていたリボンズも攻撃を再開し、やがて残りのイノベイターもリボンズの加勢に回った。
.
「くそ…っ」
レイアスが攻撃を仕掛ける事に、刹那の想いは揺れた。
やったー!また私の勝ち!
……
刹那そんな怖い顔しないでよ。それにこれは模擬戦なんだからいいじゃん
…よくない
何でよ?
……(←好きな奴に負けたくないと言えない)
でも、いつか本当にガンダムで戦いたいよね
その時は、必ず勝つ
私だって負けないから!
「確かに俺はお前と戦ってみたかった…だが、こんな戦いを望んではいない!!」
刹那はレイアスのGNソードを持った手首を斬り落とし、反対の手首を掴んで投げ飛ばした。
そしてイノベイター達の相手をしようとした時、ロックオンとアレルヤが駆け付けた。
『刹那!』
「ロックオン!アレルヤ!」
アレルヤはヒリングと、ロックオンはリヴァイヴと交戦を開始し、刹那はリボンズとの戦いに専念した。
だが、新たな砲がリボンズを狙い、彼が背後を見た先にはトレミーがいた。
リボンズはトレミーのエンジン部を攻撃し、体制を整えたレイアスを見た。
『後は任せたよ、ヒカル』
その言葉にレイアスはトレミー向けて機体を飛ばし、刹那は慌てて追い掛けようとしたが、それはリボンズに止められた。
『行かせると思うのかい!』
「…っ」
攻撃を避けながら、刹那はレイアスが向かった先を気にしていた。
.
「スメラギさん!レイアスがこっちに向かって来ています!」
「レイアスが?」
フェルトの声に前方を見ると、レイアスがブリッジ前で停止した。
「ヒカル、無事だったのね!」
「よかったですー!」
ヒカルが無事な事にフェルトとミレイナは喜んだ。だがスメラギは、異様な違和感を感じた。
「ヒカル何故刹那達を援護しに行かないの?」
その言葉に一同はハッとしてレイアスを見た途端、レイアスはGNソードをブリッジに向けた。
「キャアアアッ!!」
「ヒカル!?」
「何をしているの!?武器を下ろしなさい!」
叫ぶクルーの様子を、モニターで見ながらヒカルは呆然としていた。
お酒を片手に笑うスメラギ
砲撃を教えてくれたラッセ
いつも元気だったミレイナ
ハロと仲の良いフェルト
『約束ね…』
『うん、約束』
指切りをし、交わした約束
「わ、たしは…!」
気付いた時、トレミーはスモークを発射し、その一部がレイアスに直撃した。
「ぐっ、奴らは…」
スモークで見えなくなった辺りを見回していると、交戦を続けるリボンズと刹那を発見した。
「…」
ヒカルはダブルオー向けて胸砲を放ち、間合いを開けたダブルオーにファングを放ち、その隙を狙ってソードを振り下ろした。
『ヒカル!お前は本当にこの戦いを望んでいるのか!?未来の為に戦うと、お前は言った筈だ!』
「私は…イノベイター…」
『違う!お前はイノベイターではない!お前は、ヒカル・エトワールという一人の人間だッ!!』
「…!」
四年前のマイスター達と、笑い合う姿。刹那の隣で嘘偽りのない笑顔の自分。
『俺は、お前を護ると、 お前の側にいると誓ったんだっ!! 』
交わした約束、自分の元に戻ると誓い渡された指輪、無事に帰ろうと、彼に渡したロケット。
「せ…つ、な…」
ヒカルの攻撃の手が弱り、刹那が彼女を押し退けようとした時。
ドオオンッ!
「ぐああっ!!」
レイアスが大破し、その衝撃にダブルオーもダメージを受けた。
「ヒカル!ヒカルッ!!」
崩れ落ちたレイアスに呼び掛けるが、応答はない。呼び掛けを続けようとした時、笑い声が聞こえた。
『ッフフフ、駄目じゃないか、ちゃんと押さえ付けておかないと』
「っ、リボンズ・アルマーク…!」
『やっぱり、彼女は駄目だったか。所詮は元人間、利用するだけ無駄だったようだね』
「…貴様ァッ!!」
刹那はレイアスを下がらせ、トランザムで攻撃を仕掛けた。
リボンズも独自開発したツインドライブでトランザムし、刹那に襲い掛かった。
交差する砲撃、その一つがダブルオーに迫った時、機体は量子化し、リボンズの機体を斬り裂いたが、ダブルオーの左肩のドライブが斬り落とされ、その場は爆風に包まれた。
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