第二期
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アロウズの旗艦を落とし、敵艦隊を分断させる為に艦隊中央に攻撃を集中させた。
だがアロウズが黙っている筈もなく、正規軍に攻撃を仕掛け、僅かに押され気味になっていた時、駆け付けたダブルオーが敵MSと艦を叩き出した。
スメラギも正規軍の戦術に気付き、イアンに艦隊中央に攻撃を集中させるよう指示を出した。
他のガンダムも敵艦を叩いて突破しようとした時、正規軍から通信が届いた。
『ガンダムは母艦の防衛に専念せよ。繰り返す、ガンダムは母艦の防衛に専念せよ』
通信の声の主は、連邦軍大佐のカティ・マネキンであり、スメラギの級友だった。
『久しぶりだな、クジョウ』
「カティ・マネキン…どうして貴方が…」
『勘違いしてもらっては困る。我々は、アロウズを断罪する為、お前達を利用したまでの事。この戦いを終えた後、改めてお前達の罪を問わせてもらおう』
「カティ…」
『全部隊に告ぐ!即座に回避運動を取れ!来るぞ!攻撃が来るまがまがしい光りが!!』
刹那がそう告げた次の瞬間、月の側から強力なエネルギー砲が放たれた。
砲は敵味方関係なく、多くの艦隊とMSを飲み込み、後に残ったのは無残な残骸だけだった。
残骸の中、マイスター達は驚愕しながらその中を進んでいた。
フェルトとミレイナは被害状況を確認し、スメラギに伝えていた時、ラッセが何かを発見し、スクリーンに表示した。
表示されたスクリーンは先程の砲が放たれた場所。そこに光学迷彩が貼られていたのか、解除された事にある物が少しずつ姿を現した。
現れた物体こそ、イノベイターの本拠地でもある【コロニー型外宇宙航行母艦、ソレスタルビーイング】
イノベイターの母艦を見据えた後、スメラギは回線を開き、各艦に通信を流した。
『各艦に通達します。我々、CBはこれより、敵大型母艦に侵攻し、そこにある量子型演算システム【ヴェーダ】の奪還作戦を開始します。ここに、これまで協力していただいた多くの方々への感謝と、戦死された方々に、哀悼の意を表します』
スメラギはラッセに敵母艦へと進路を変更させ、トレミーは発進した。
『ヴェーダを奪還。最悪破壊してでも、敵母艦の動きを止めるのよ!』
アーチャーアリオス、ケルディム、セラヴィー、レイアス、ダブルオーライザーがトレミーの前に出て、敵母艦に向かって行った。
『皆、行きましょう。私達が世界を変えた事への償いを、そのけじめを付けましょう。イノベイターの支配から、世界を解放し、再び世界を変えましょ。未来の為に』
トレミーが再び、GNフィールドに包まれた。
『ラストミッション、スタート!!』
最後の戦いが、始まった。
.
敵母艦は接近して来たトレミー向けて、砲台から無数の砲を放つ。
各ガンダムは砲台を叩き、トレミーは侵入ルートを探査しつつ前進した。
ケルディムとセラヴィーは後方から砲を破壊し、アーチャーアリオス、ダブルオー、レイアスは接近して確実に数を減らしていった。
だがあまりの多さにケルディムのビットはほぼ破壊され、彼を庇うようにセラヴィーが前に出た。
「GNファング!フルモード!!」
ヒカルはレイアスの翼からファングを放ち、更に翼も外れて砲台を撃破。
全ての火器を使って砲台を攻撃する。そして敵粒子砲が57%落ちた所で、新たなMS部隊が現れた。
「なっ、あの数…!」
無数のMS部隊はトレミーのみ進路を向け、トランザムを仕掛けた。
特攻隊に気付きダブルオーとケルディムが援護に回るが、全ての数を防ぐ事は出来ず、トレミーのGNフィールドを破って右舷を破壊し出した。
そんなトレミーを護ろうと、輸送艦が縦になり、撃沈された。
「よくも…ッ!」
レイアスとセラヴィーが
砲を放って大数を撃破し、アーチャーアリオスもミサイルで迎撃。
だが数は減る事なく左舷からも攻撃されていた。
もはや絶体絶命だと思った時、少しずつ攻撃が止み、後方を見ると、カタロンと正規軍が敵MSを撃破していた。
『見付けました!艦船用ドッグの入口です!』
『トランザムで一気に加速!突入するわよ!』
フェルトがやっと侵入ルートを発見し、トレミーは突入。
敵母艦に着艦したトレミーに襲い掛かるMSをアーチャーアリオスが落とし、ラッセはOガンダムに向かった。
フェルトはヴェーダ捜索に入り、トレミーを大量のオートマトンが覆い、外からはMSも接近した。
ラッセとイアン、アーチャーアリオスがトレミーを防衛し、他のガンダムは戦術に従い、それぞれ内部に侵入。
ヒカルは内部に侵入しようと近くにある砲台を落としながら進んでいると、フェルトからヴェーダを発見したと通信が入った。
『よくやったフェルト!』
「ティエリア!早くヴェーダを…!?」
近くにいたティエリアと話している途中、背後からイノベイターが駆る機体が二機現れた。
『真打ち登場ってとこね』
『これ以上はやらせん』
『邪魔をするなっ!!』
『行くよリヴァイヴ』
『ああ』
『『トランザム!!』』
二機はトランザムを発動させ、レイアスとセラヴィーの前に出た。
「なっ、こいつらもトランザムを…」
『…トランザム』
ティエリアも直ぐにトランザムを作動させて二機に砲を放つが、素早い動きにセラヴィーの両腕を破壊。
その反動で月に激突し、セラヴィーは爆破した。
「ティエリア!!」
『よそ見してんじゃないわよ!!』
ガラッゾがビームサーベルでレイアスを攻撃し、ヒカルはビームソードで受け止めながらティエリアを心配した。
「ティエリア…ッ?」
画面の端に写ったセラヴィー。中から出て来たティエリアは気付かれないように外に出て、内部に侵入した。
(ティエリア…そうか!)
彼が何をしようとしているか解ったヒカルは前を見据え、自分に集中させようと攻撃の手を強めた。
「私達は、負ける訳にはいかないのよ…!」
『あらそう!でも残念。アンタ達は、もう終わりよ!!』
ガラッゾはレイアスを押し飛ばし、背後にいたガデッサがGNメガランチャーを放った。
だがレイアスはそれも避け、一度距離を取った。
『ヒリング。早くここを片付けて、ハレヴィ准尉の援護に向かうぞ』
『了解。ん…?』
ガラッゾのパイロットが何かに気付いたような声が聞こえ、ヒカルは思わず笑った。
『あれは…まさか!』
「漸く気付いたみたいね…」
『まさか、アンタ気付いて…!』
『どうしたヒリング?』
『ティエリア・アーデがいないのよ!』
『何だと!?まさか…』
「ファング!!」
イノベイター達の会話の途中、ヒカルはファングを飛ばし、二機の回りに配置させた。
「貴方達を、行かせはしない…」
『…ッ、ヒカル・エトワール…!』
「貴方達の相手は…この私よ!!」
.
ラストミッションが開始され、それぞれが苦難と苦戦を強いられていた。
復讐に洗脳されたルイスと戦う刹那と彼女を必死に止める沙慈。
家族の仇であるサーシェスに苦戦するライル。
トレミーを共に防衛していたマリーの乗る機体が破壊し、心配しながら戦うアレルヤ。
ヴェーダの元に辿り着いたティエリアと、その場にいたリボンズ。
そして、イノベイターの機体二機と戦っているヒカル。
「くそ…っ、こいつら!」
刹那の元に行かせる事を避ける為に必死に攻防戦を続けていた。
だが二機の連携と強さに、ヒカルは押されていった。
『いい加減引きなさいよ!あんたと戦っても、意味なんてないのよ!』
「何を…!」
『自分が何者かも解らない今のあんたに言っても、解るわけないでしょ!?』
『ヒリング、そろそろ終わりにしよう』
『…オッケー』
二機は同時攻撃を掛け、その早さに付いていけず、攻撃を受けた。
「ああああっ!!」
レイアスは月に落ち、衝撃でヒカルは気を失った。
『終わったかしら?』
「さあな…彼女は後回しだ。ハレヴィ准尉の元に急ごう」
『了解』
ヒリングは先に飛び立ち、リヴァイヴはレイアスを見下ろした後、ヒリングの後に続いた。
.
気絶したルイスを沙慈に任せ、現れたイノベイターの相手をする刹那。
トランザムを掛ける二機に、刹那もトランザムして迎撃している時、ルイスと沙慈の声が聞こえ、仲間達の声が聞こえた。
「私達は戦う。自分達の意志で、未来を作る為に!」
「スメラギ!ぐっ!」
「マリー!ぐあああっ!」
「アレルヤ!」
「くっそ、ここまでかよ…!」
「ラッセ!」
「このままじゃトレミーが!」
「まだよ!まだ諦めちゃ駄目!」
「ミレイナ!フェルト!」
「ミサイルの残りが!」
「こんな所で…!」
「イアン!リンダ!」
戦い続ける、仲間達の声。
「皆の命が、消えていく…!」
「ぐああっ!…くそったれが!」
最後に聞こえたライルの声。刹那はグリップを強く握り締めた。
「そんな事… させるかあぁーーッ!! 」
刹那の瞳が金色に輝き、画面に【TAANS-AM BURST】という文字が移った途端、膨大なGN粒子が敵母艦を覆った。
(変われ、刹那…。変われなかった、俺の代わりに…)
「そうだ…未来を作る為に…俺達は、 変わるんだっ!! 」
GN粒子によってイノベイターの脳裏子波を紛らわせ、敵の動きが鈍くなった。
刹那が放ったGN粒子はリボンズの能力子波をも乱し、その隙にティエリアの意識がヴェーダと完全にリンクし、セラフィムのトライヤルフィールドを発生させた。
ヴェーダのバックアップが無くなった機体は機能を停止し、トレミーもクルー達も助かった。
「ティエリア・アーデ…!」
ヴェーダを奪われたリボンズはティエリアを睨み付けた後、その場を立ち去った。
「僕はこんな所で終わるわけにはいかない。僕こそが、真のイノベイター…!」
拳を握り締めて、小さく笑った。
「後悔させてあげるよ…刹那・F・セイエイ」
粒子はレイアスの元まで届き、ヒカルの意識がゆっくりと戻った。
「わ…たし…」
目を開けた先は真っ白な世界。
その空間を見回していると、誰かの手が肩に乗った。
それに振り返ると、目の前には刹那がいた。
「刹那…」
「ヒカル…」
「刹那…刹那っ!!」
涙を瞳に貯め、ヒカルは刹那に抱き着いた。
「やっと逢えた…貴方にずっと逢いたかった…!」
「ヒカル…」
「刹那のおかげで全部思い出した…。自分の事も、失った仲間達の事も…私の一番大切な、貴方の事も…!」
刹那の頬に手を延ばし、刹那もヒカルの頬に触れた。
「もう離れたくない、私は貴方の側にいたい…」
そう言うと刹那はヒカルを抱き締め、ヒカルも刹那に縋った。
「それは残念だ」
「刹那?…あ、あああっ!!」
突然変わった変化に動揺した瞬間、頭に激痛が走った。
「何っ、この痛み…っ、ぐあああ!!」
ヒカルはあまりの痛さに膝を付き、ゆっくりと刹那を見上げるが、それは彼ではなかった。
目の前にいた彼は、リボンズ・アルマークだった。
「なん…どうし…て…」
「君は彼と一緒にいるべき存在じゃない。君と共にいるべき人物は、この僕なんだよ」
「な…にを…!」
「全てを思い出したのなら、解る筈だよ。君が、ガンダムマイスターとなった理由が」
その言葉と共に、頭の中にある何かが壊れるような音がした。
「あああああーーッ!!」
.
ヴェーダの本体に辿り着いた刹那はティエリアの無残な姿を見たが、ティエリアの声が聞こえて顔を上げた。
ティエリアの意識とヴェーダが完全にリンクした事により、彼から聞かされたイオリア計画の全貌を知らされた。
イオリア計画、それはCBの武力介入が矛盾を孕みつつも、世界の統合を促し、例え滅びようとも、人類の意志を統一させる事にあった
人類が争いの火種を抱えたまま、外宇宙へ進出する事を防ぐ為に 人類は、変わらなければ、未来を紡ぐ事は出来ない
いずれ巡り会う異種との対話に備える為にも その為にも、僕達は
「解り合う必要がある…」
ダブルオーに乗り込み、一時トレミーに帰還する際に見たセラフィムの姿。
「ティエリア…」
呟いた瞬間、一つの砲がセラフィムに当たり、セラフィムが大破した。
「なっ…!」
驚愕しながらも辺りを見回し、やがてある一点を見た。
「そこか!リボンズ・アルマーク!!」
月のある場所に、一機のMSが存在していた。
『感謝して欲しいな。君がその力を手に入れたのは、僕のおかげなんだよ。刹那・F・セイエイ』
「貴様…よくもセラフィムを!」
『残念だけど、それをやったのは僕じゃないよ』
「何…ッ!?」
その時気付いた。リボンズの機体の横に、見知った機体がある事に。
それは、ヒカルの乗るレイアスだった。
「ヒカル…何故、お前が…」
『改めて紹介しよう。彼女は僕が最初に作った』
『イノベイター、ヒカル・エトワールさ』
.