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第二期

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謎の少女


トレミーの情報を聞いた刹那はダブルオーで基地を飛び出し、傷が癒えていないヒカルはカタロンの基地で待機となった。


そして今。


「お姉ちゃん!宇宙に行った事ある!?」

「ガンダム乗るのって大変?僕にも乗れる?」

「あたしもバキューンってしたーい!」


基地に残ったヒカルは、子供達に質問責めになっていた。


「皆、ヒカルさんは怪我をしているんだから、そんなに無理をさせちゃ駄目よ」

「「「「えー?」」」」


質問責めのヒカルを助けるようにマリナが助け舟を出し、子供達を遊び部屋に行くよう伝えた。


「ごめんなさいねヒカルさん。まだ体調が万全ではないのに…」

「いえ、こちらこそお世話になって…」


ヒカルは治療に集中する為個室に移され、子供達はガンダムや宇宙の事を色々知りたくて遊びに来ていた。


「中東が連邦に参加しなかったばかりに、治安は悪くなる一方で、あの子達もまともに外に出る事も出来ないから、外から来た人に興味津々なのよ」

「……」

「私の祖国、アザディスタンもなくなって、仲間は私に戦おうと言ったけど…私は、戦いなんてしたくない…」


悲しそうな表情をしながら話すマリナの言葉を、ヒカルは黙って聞いていた。


「戦わなくても、私は何かしたかった。そう思って子供達と歌を作ったけど、戦いは止められなかったわね…」

「―――…マリナさんは、戦いが嫌いですか?」

「っ、誰だって、戦うのは嫌な筈よ。ヒカルさんだって…」

「…ええ。嫌いです」

「なら何故戦うの?貴方も刹那も、戦って、何が得られるっていうの!?」

「…戦っても、戦わなくても、同じですよ」


今度は、マリナがヒカルの話に言葉を止めた。


「戦って、仲間を失う者、何もせず、仲間を失う者。どちらも同じ…」

ヒカルさん…」

「どちらかを取るというなら、私は戦う…。自分の記憶を取り戻す為。仲間や、大切な人を護る為に…」


脳天に浮かぶ、自分に手を差し延べる青年。

黒髪で、赤い瞳、ずっと一緒にいた――。


ヒカルさん?」

「あ…」

「大丈夫?傷が痛むの?」


ぼーっとしていた事に心配そうに問い掛けるマリナ。そんな彼女に、ヒカルは安心させるように笑った。


「大丈夫です。ちょっとぼーっとして…」

「長居をしてごめんなさい。ゆっくり休んでね」


ヒカルに軽く謝った後、マリナは部屋を出て行き、部屋に沈黙が流れた。


(静か…こんなに静かなの、初めてかもしれない)


思えば、トレミーで目を覚ましてから、ヒカルの回りには必ず誰かがいた。


フェルトやミレイナ、スメラギさんにイアンさん。

ティエリアにアレルヤ、ロックオン。


そして


「…刹那」


小さく呟いて目を閉じた。だが、不意に誰かの手がヒカルの頬に触れた。

その感触に目を開けると、自分そっくりの女性がベッドに腰掛け、ヒカルを見ていた。


「…貴方は」

ーーーヒカル…アナタは、皆が大切…?

「…大切だよ」

じゃあ…皆の中で誰が一番大切?

「…どうして?」

答えて


そう言われ、ヒカルは静かに考え出した。


「―――…刹那」

ーーー……

「私は、刹那が一番大切…でも…」

でも?

「大切に想うのと同時に…辛い…」


そう呟くヒカルに、女性も辛い顔をしていた。


「刹那を見て思うの。私は…彼との間にあった何かを忘れてしまった。他の事を少しずつ思い出しても、彼の事に関しては何も思い出せない…」

ーーーだから…辛いの?

「彼に何もしてあげられない自分が…辛いの…」


そのヒカルの言葉に、女性は目を見開いた後、柔らかく笑った。


ーーー何も出来ない訳じゃない。ヒカル、アナタは笑ってあげて

「え?」

アナタが今出来るのは、笑ってあげる事よ





気が付いたら眠っていた事に少しぼんやりしていたが、ゆっくりと起き上がり、自分の頬を触った。


夢のような現実のような出来事。その事を暫く考えていた時、誰かが戸を叩いた。


「はい」


返事を聞いて入って来たのは、カタロンメンバーの一人の男性。

彼は何も言わずに部屋に入り、ヒカルに一つの端末を差し出した。


「?」


ヒカルは男性の顔を見た後で端末を取り、中に記載されていた情報に目を疑った。


「ク、クーデター…連邦軍が?」

「ああ。彼等は軌道エレベーターを占拠し、人質を取って立て篭もっている」

「この事を、CBには…」

「既に報せてある。おそらく、この地点に行けば君の仲間も…」


男性が言い終わる前に、ヒカルは傷を押さえながら立ち上がった。


「き、君!まだ寝ていなくては!」

「私の、私のパイロットスーツを…返して下さい…!」




ヒカルさん!」


パイロットスーツに着替えたヒカルはヨロヨロしながらガンダムへと歩いていたが、マリナの声に足を止めた。


「何処へ行くの!?まだ傷は完治していないのよ!」

「大丈夫です…母艦の場所が特定出来たので、私は行かなくては…」

「駄目よ!もし敵に見付かったら!」

「今アロウズは連邦のクーデターの方に目を向けています…それに、私はこう見えて強いんですよ」


心配させないように笑い、マリナから視線を背け、ガンダムに乗り込もうとしたが、もう一度振り返った。


「マリナさん、看病して下さって、ありがとうございます。子供達にも、ありがとうと伝えて下さい」

ヒカルさん…」


ニコッ。と笑い、ヒカルはレイアスに乗り込み、アフリカタワーに向けて飛び立った。


.

その頃、ヒカルより先にアフリカタワーに辿り着いていた刹那は、新たな新型の存在と、その新型がトランザムを使用した事に驚いていた。

予想以上の性能に刹那もトランザムを使って応戦した。


『私は純粋に戦いを望む!』

「戦うだけの人生…」

『ガンダムとの戦いを!』

「俺もそうだ」

『そしてガンダムを越える!それが私の』

「だが今は!」

『生きる証だッ!!』

「そうでない自分がいる!!」



『刹那ッ!!』

「ッ!?」


突然聞こえた高い声に横を向いた途端、粒子ビームが敵機向けて放たれ、二機に間が開いた。


粒子が放たれた先には、トランザム状態のレイアスがいた。


「なっ、ヒカル!?」

『大丈夫、刹那!』

『赤の天使よ…私の邪魔をするなッ!!』


邪魔をされた事に怒った敵機はレイアス向けて突撃。レイアスもビームソードを出し、敵機向けて進行した。


『『ハアアアッ!!』』


互いの剣が混じりあって凄まじい火花を出す。


ヒカルは力に負けないように踏ん張っていたが、無理をしたせいか傷口が痛み出した。



ズキッ!


「ッ!」


僅かに怯んだ隙を敵機は見逃さず、そのまま力押しでレイアスのソードを弾き飛ばし、剣を高く振り上げた。


『ッ!?』

ヒカルッ!!」


声無き叫びに刹那が止めようとした時、新たな粒子ビームが敵機を攻撃した。


その方向にはトレミーと三機のガンダム。

流石に部が悪くなった敵機は退散し、側に寄った仲間達に安堵した。


『刹那!ヒカル!』

『この野郎共、生きてやがったか』

『ヨカッタ。ヨカッタ』

「皆…無事か?」

『何とかな。君達は大丈夫か?』

『ぶ…じ…』

ヒカル?どうした』


何処か弱々しい声に、皆はレイアスを見た。


『よかっ…た…みんな…ぶ……じ…』

「ッ、ヒカル!」

ヒカル!』


僅かに降下したレイアスをダブルオーとアリオスが支え、刹那はヒカルを心配していると、ある者の声が頭に響いた。





文字―――刹那。お前は変われ。変わらなかった、俺の代わりに…そして二度と、後悔だけはするな


(解っている、ロックオン。ここで俺は変わる…俺自身を変革させる…



今度こそ、ヒカルを護る為に…)

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