第二期
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襲撃を受けたカタロンを逃がす為、アロウズと対峙したCB。
それぞれ各敵機を相手に抗戦していたが、二機のジンクスがトレミーに接近。
イアンの手伝いをしようと共にサブブリッジに上がった沙慈は、迫り来るジンクスに操縦桿を握り締めながら震えていた。
そして敵を撃ちかけたその時、一機のMSがトレミーの前に立ち塞がった。
十枚の翼を広げた、赤の機体。レイアスは翼の一つからビームソードを抜き、ジンクスに斬り掛かった。
目の前の敵機をトレミーから離し、レール砲で視線を反らさせ、その間に右手を斬り付けた。
損傷を受けてよろめくジンクスに、更に斬り掛かろうとした瞬間、別の機体が邪魔をし、ヒカルは間合いを開けた。
「邪魔をして…っ」
目標を目の前の敵機に変えて、ライフルで二機に向けて撃ち続けた。
その時、画面の隅でダブルオーが海に落ち、機体が動かなくなったのを発見した。
「…せ、つな…」
気付いた時、ダブルオーに機体を向け、止めを刺そうとしたアヘッドに斬り掛かった。
「刹那!大丈夫!?」
『ヒカル!?お前…』
刹那の無事を確認し、再びアヘッドを睨み付けた。
「こいつ!」
アヘッドは残った右手でビームサーベルを構え、レイアスのビームソードと刃を交えて火花を散らせながらダブルオーと間合いを取って行った。
その間に隙が出来たダブルオーをセラヴィーとケルディムが援護していると、目が覚めたスメラギから通信が入った。
『ガンダム全機、後退して』
「ッ、スメラギさん?」
『適の連携を分断させるわ。魚雷で高濃度粒子スモークを』
『了解した。ヒカル!そいつから離れろ!』
「解りました!」
ラッセの声に交えていた刃を押し返し、アヘッドの腹に蹴りを入れて離れた直後にスモークが発生。
敵機の攻撃が止み、暫く動きを探っていると、アレルヤの機体を捕捉出来ないと通信が入った。
ダブルオーを収容させ、ティエリアとロックオンがアレルヤの捜索に向かい、ヒカルと刹那はトレミーに残った。
機体から下りて刹那の安否を確かめようとダブルオーの元に向かうと、刹那はイアンに叱られていた。
「…」
その光景を暫く眺めていると、沙慈がイアンの手伝いをするように駆け寄り、それに刹那はヒカルに気付いた。
「ヒカル…」
「あ、えっと、その…」
「?」
何やら慌てるヒカルに、刹那は少し近寄った。
「ぶ、無事でよかったです…」
「…」
「あ、別に刹那さん…じゃなかった。刹那の腕を心配してた訳じゃない!って… これじゃそう言ってるようなもんか…。 えっと、ただダブルオーが海に落ちてどうしたのかなって心配になって!…て」
慌てては小声で弁解し、その動作を繰り返すヒカルに刹那は呆然とした。
「あぁ~…私何言ってるんだろ~…」
上手く言いたい事を言葉に出来ず、頭を抱えて唸っていると、刹那が小さく笑った声が聞こえた。
「ごめんなさい…私、なんか上手く言いたい事言えなくて…」
「…知ってる」
「え?」
「お前が口下手なのは、よく知ってる…」
(あー!刹那また携帯食料食べてる!ちゃんとした物食べないとダメって言ってるのにー!)
(面倒だ)
(そんな事ばっかりだから刹那はチ…あいや、背が小さ…じゃなくて、縮んで…あーもうーッ!!)
(チビだと言いたいんだな?)
(…あ…いや…その…)
(そうなんだな?)←少し睨み気味の刹那。
(う…ご…ごめんなさい~…)
言いたい事を上手く言えずいつも困っていたヒカル。
それを思い出しながら、目の前にいる彼女に軽く笑い掛けた。
「済まなかったな」
「え?」
「折角のレイアスの初陣を、俺を助けるなんて役割にしてしまって」
「そ、そんな事!それに、私は前無意識ですが動かした事がありましたから、初陣じゃないと思うんですけど…」
「無意識状態の時を初陣とは言わないだろう。だからお前の初陣は今日だ」
「……」
「良い戦い方だった」
目を見開いて驚くヒカルに笑い掛け、刹那はダブルオーの元に戻ろうとした時。
「刹那!」
駆け寄って刹那の手を掴んだヒカルに、刹那は少し驚きながらも振り向いた。
「あ、ありがとう…」
目覚めてから、初めて自分に向けてくれた笑顔。
その笑顔に、刹那はヒカルの掴んでいた手を逆に掴み返し。
彼女を抱き締めた。
その行動にヒカルは驚き、刹那はただ無我夢中にヒカルを抱き締めた。
四年間感じる事がなかった感覚、昔と変わらぬ華奢な体つき。
その事を実感していたが。
「あの…刹那…?」
ハッ。
ヒカルの声に我に返り、直ぐに彼女から離れた。
「す、済まない」
刹那は小さく謝ってダブルオーの元に向かい、その後ろ姿をただ見つめていた。
「…刹那」
暫く彼を見つめていたが、考えを止め、ブリッジに向かう事を決めた。
ブリッジへと続く通路をゆっくりと歩きながら、先程の刹那の行動を思い出すヒカル。
自分を包んだ大きな腕。跳ねた髪の感触。高くなった身長。
「…あれ?」
何か引っ掛かる事が浮かび上がり、思わず足を止めた。
「私、刹那の身長なんて…知ってたっけ?」
必死に考えても答えは出なく、諦めてブリッジに入ると、未だアレルヤの捜索は続いていた。
「アレルヤは見付かった?」
「まだです。アーデさんからもストラトスさんからも連絡はないです」
「そう…」
側にいたミレイナに問い掛け、ヒカルも捜索に出ようか考えた。
その時、中央の椅子に座っていたスメラギに気付いた。
「ス…スメラギさん!?気分は!?起きてて大丈夫何ですか!?」
「あ…ええ、大丈夫よ」
「でもなんか…まだ安静にしてないと…あ、そうだ!私何か上着を持ってきます!待ってて下さい!」
一人で勝手に慌て、そして慌ててブリッジを出て行くヒカル。
その行動に、スメラギはしばし固まった後、プッ。と笑い出した。
「ッ、フフフ…アハハハハハ!」
「ノ、ノリエガさん?」
急に笑い出したスメラギにミレイナは驚き、フェルトも苦笑いしながら注意した。
「スメラギさん、笑いすぎですよ?」
「だってあのヒカル…、もう、可笑しくて…っ」
「??アイオンさん。どうしたんですか?」
「あいつの性格だ。勝手に慌てて、勝手に自己判断する。変わってねぇな」
「て事は…、慌てん坊さんなんですね!」
「…そういう事ね」
ブリッジに和みの空気が流れ、少しして、ヒカルは言った通りに上着を持って再び現れ、スメラギの肩に掛けた。
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それから数時間後、アレルヤが見付かったとロックオンのハロから通信が入り、皆は安堵した。
だが、ミレイナは余計な事まで報告してしまった。
「おぉ、なんか彼女さんと一緒みたいです!」
「か、彼女!?」
「どおして///!?」
「あの子ったら何やってるのよ!」
ラッセは驚き、フェルトは赤面。そしてスメラギは呆れていた。
ヒカルもミレイナの見ていた端末を見て、アレルヤと共にいた女性を見た。
「へぇ~、アレルヤに彼女いたんだ。何処で知り合ったんでしょうね?」
「そんなのどうだっていいわよこの鈍感娘!!」
「…へ?」
問い掛けの返答に怒ったスメラギに、ヒカルは目を丸くした。
「スメラギさん?」
「貴方も早くアレルヤを迎えに行きなさいッ!!」
「へ?あ、は、はい!」
何故か叱られながらブリッジを退出し、レイアスに向かうヒカル。
いくら考えても、怒られた理由が解らなかった。
そしてアレルヤが見付かったという報告を見たティエリアは、その場に現れた自分と同じ容姿をしている人物、リジェネの言葉に驚いていた。
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