第一期
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赤 青 緑 橙 紫
これが貴方の機体、GNー006ガンダムレクサスよ
ガンダム…レクサス
貴方の両親、エトワール夫婦が命を懸けて作った機体よ
どうして…父さんと母さんはそこまで
貴方に生きて欲しかったからよ
え…?
私は何度か二人から貴方の事を聞かされたわ。例え守秘義務があろうとも、貴方の事を誰かに話していた
父さん…母さん…
二人は貴方が必ず此処に来る。そう信じていたからこそ、この機体を作り、貴方だけが使えるようにプロテクトを掛けた
ヒカルはそっとレクサスに触れた。
だから、これを扱えるのは貴方だけ。そしてこれが認めるのも貴方だけ
スメラギはヒカルの肩に手を乗せ、彼女を見た。
一緒に変えましょう。世界を
…はい!
そうして私の周りには、五色の色が加わった。
.
爆発したトレミー。その管制から上がる煙に、ヒカルは涙を流しながら、フェルトに他の三人の状況を聞いた。
「フェルト…、皆はっ…?」
『…っ、ナドレは大破、ティエリアからの…応答無し。キュリオス…機体損傷大…敵MS二機と交戦中…』
「…エクシアは?」
『強襲用コンテナと共に、敵MAと交戦中…っ』
フェルトの辛く、途切れそうな声を耳に傾けながら、ヒカルは辺りを見回した。
敵MSは残り二機、近くに残像兵はいない。
それを確認した後、ヒカルは画面のフェルトを見た。
「…フェルト…エクシアの位置を、教えて」
『ヒカル!貴方何をッ!!』
「私はガンダムマイスター…ここでただ見ている訳にはいかない…っ」
『お前!レクサスだって被害はデカいんだぞ!!』
イアンの言う通り。レクサスの両足は既に無く、所々状態も悪い。
『そのまま戦えば、お前も…ッ!』
「それでも!!」
スメラギ、イアンの言葉を遮るように叫び、ヒカルは画面に映った三人を見た。
「…行きたいの…」
その言葉に三人は言葉を無くし、フェルトはエクシアの位置を送信。それを見た後ヒカルは小さく頭を下げた後、エクシアの方に機体を飛ばした。
「ヒカルッ!」
「あの馬鹿娘…ッ!」
止める声も虚しく、レクサスは遥か彼方に飛び去り、フェルトはキーボードに置いた手を握り締めた。
「…ヒカル」
どうか、死なないで
.
機体を最高速度で飛ばし、エクシアと強襲用コンテナがいるであろう場所を目指すと、エクシアが敵MAが放ったファングに攻撃を受けていた。
「刹那…っ!」
その光景を目に入れた後、レール砲を一つにして強力な砲を放ち、エクシアから視線を逸らさせた。
『ッ!?レクサスか…!』
『ヒカルッ!?』
「私が注意を引き付ける…っ、その間にドッキングを!!」
MAは照準をレクサスに向けてファングを放ち、ヒカルはGNソードを手にして迫るファングを避け、壊し、MAに突っ込んだ。
バリバリバリバリッ!!
ソードがGNフィールドに当たって火花を飛ばすが、ヒカルは怯む事なくソードを刺し続けた。
「ぐ…っ」
『…フ、フフフ…、ヒカル・エトワール。亡きエトワール夫妻の娘か』
「っ!?…貴方は…!」
急に通信が繋がり画面を見ると、目を見開いた。
モニターに映ったMAの操縦者。その人物は、国連大使であり、監視者の一人であるアレハンドロ・コーナーだった。
「何故貴方がこんな事を…?」
『全ては世界を手に入れる為に…。そう、その為に私はCBの監視者となったのだ!』
「っ、そんな事の為に…国連にMSを渡し…私達を戦わせたのか…ッ!?」
『そうだ!全ては世界を我が手に納める為!誰が泣こうと!どれだけの血が流れようと!私には関係ない!!』
「貴様ァッ!!」
右手でソードを固定したまま左手で砲を放とうとした時、急にGNフィールドが無くなり、レクサス向けて一気に砲を放った。
「ッ!!?」
ドガアアァンッ!!
「ヒカルッ!!」
ドッキングを完了したエクシアがMAの腕を切り裂きもう一方をアームズの砲で破壊したが、容赦なく放たれた数多くの砲に、アームズは大破。
エクシアはアームズを離してMAに突っ込み、GNブレイドを使って機体を切り込み、爆破させた。
「ヒカルッ!ラッセ!応答しろ!」
大破したアームズと、左腕と頭部を失ったレクサスに通信を掛け、無事を確認する途中、背後から砲が放たれて振り返ると、MAから分離したMSがエクシアに攻撃を開始。
攻撃を避けつつ反撃を繰り返していたが、バズーカ並の砲を撃たれた時、避けれないと感じた。
刹那!!
機体を押された感じがした
.
バズーカ砲の照準からエクシアを逸らし、レクサスは大破。
爆破する瞬間に太陽炉をパージし、ヒカルの体は宇宙(ソラ)に投げ出された。
体のあちこちには小さな破片が刺さり、頭からは血が流れていた。
暗い世界を漂う
何も考えれない
誰もいない。誰も答えない
もう、指一本動かせない
…ィ…、リィ…
何かが聞こえる
何だろう?
どうしても気になり、重い瞼を開けた。
そこにいたのは、緑の機械鳥の
「…ト…リィ…?」
『トリィ!』
緑の機械鳥、トリィはヒカルの声に喜び、ヘルメットに頬擦りした。
「…来、て…くれた…ん…だ…」
『トリィ!トリィ!』
「…お…前も…無事で…よかった…」
『トリィ!』
何もせず、ただ鳴き、ただ側にいてくれる。
それが、今のヒカルには何よりも嬉しかった。
その時、第三者の声が聞こえた。
ーーーソフィア
「…?」
ーーーソフィア
「…その…こ、えは…」
ゆっくりと横を見る。すると、そこには自分とそっくりの姿。
この宇宙には不似合いの黒のキャミワンピースを着ていた。
「…フレイヤ」
ーーーソフィア
「フレイヤ…?」
ーーーよかった、目を開けてくれて
頬を両手で包み、額を合わせた。
ーーーアナタは一人にはならない、アタシがずっと側にいる
ーーーそして、アナタの心には
大切なあの人がいる
.
俺は戦う事しか出来ない破壊者、だから戦う。
争いを産む者を倒す為に、この歪みを破壊する。
MAと激戦を続けながら、かつてロックオンが自分に向けてエクシアの装備を話した。
新手の擬似太陽炉を搭載したフラッグと対峙しながら自分の想いを彼に宛てた。
自分自身の為に、そして
刹那はふと、首元に手を触れた。
「ヒカルの為にもーーッ!!」
フラッグとエクシアの剣が互いの胴体を貫き、GN粒子が散った。
ボロボロになったエクシア
重傷を負って気を失う刹那
…な…
そんな彼に、一つの声が聞こえた。
…つな…刹那…
「…、…っ…」
重い瞼を無理矢理開け、目の前にいる人物を見ると、それはヒカルだった。
「ヒカル…?」
よかった…、刹那…無事で…
「…オ、レは…勝っ…た…のか…?」
うん。スメラギさんにも連絡を入れたから、きっと助けに来てくれるよ
「…エク…シア…と…レ…クサス…の…状…態…は?」
だいぶやられたけど、太陽炉は無事だよ…
「…そ…うか…」
ヒカルの言葉に安堵したのか、刹那はゆっくりと息を吐いた。
そんな刹那を見て、ヒカルは彼の頭をそっと抱いた。
「…ヒカル?」
…ありがとう…
「…え?」
ずっと側にいてくれて…支えてくれて…約束を護ってくれて…ありがとう…
「…ヒカル…何を…」
…なのに…ごめんね…
ヒカルは刹那を少し離し、顔を見た。
ヒカルの目には、涙の膜が張られていた。
…私からした約束を…護れなくて…一緒にいられなくて…
「…まさか、ヒカル…っ」
刹那は必死に腕を延ばし、ヘルメット越しにヒカルの頬を触った。
刹那に貰った指輪…肌身離さず付けているから。だから…私が預けたロケット……持っててね…私の、代わりに…
出撃前、ヒカルは刹那に自分のロケットを渡し、告げた。
『必ず返してね』
「お前は…言った筈だ…っ!…必ず返せと…生きて帰ろうと…!」
…刹那…
「…嘘だ…ヒカル…ッ!」
刹那は力強くヒカルを抱き締めた。彼女を放さないように。
それに答えるように、ヒカルも刹那を抱き返した。
…刹那と過ごした六年間…色々な事があった…辛い時も…悲しい時もあった…でも…貴方がいたから生きてこられた…
「ヒカル…っ」
思い出をありがとう…大切な時間をありがとう…私を…貴方の側に置いてくれて…ありがとう…
ヒカルの目から、大粒の涙が零れた。
…刹那…いえ、ソラン…
…私は…ソフィアは…貴方の事を…
愛しています
宇宙(ソラ)を漂うエクシア
その中には血を流し、涙を漂わせる刹那ただ一人
彼の側にいた筈のヒカルの姿は
どこにもなかった
.