第一期
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主人公の過去話の際
ある漫画を元に書きました
パクリを見るのは嫌だ!!という方は、Uターンをお願いします。
それでも見たい!!という方だけどうぞ。
すみません。苦情はなるべくないようお願いします。
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トレミーに帰還後、直ぐに入った情報にマイスター達は驚愕した。
国連軍側に提供された太陽炉を搭載したMS。
そのMSによって、人革連の基地を襲撃したトリニティは撤退。
これからはガンダム同時の戦いになる。そんなスメラギの言葉に、刹那も小さく呟き返した。
ブリーフィングルームにマイスターだけを集め、今後の作戦会議を行おうとした時、ふと思い出したようにスメラギが口を開いた。
「実は、ヒカルを拉致した組織の事なんだけど…」
「ああ、その施設ならティエリアが跡形もなく破壊したよ、主導者っぽい奴も俺が狙い撃った」
「そのメンバーの中に、ヒカルの両親の同僚がいたみたいなの…」
「同僚?」
スメラギはモニターを操作し、画面に一人の男を映した。その人物は、ロックオンが狙い撃った相手だった
「彼は数十年前まではエトワール夫妻同様、有能な科学者だった。でも、ある日突然姿を消したの」
「何があったんだ?」
「解らないわ、でも、当日の記事にはこんな事が書かれてあったの」
新たな画像を映す。そこには。
【カブラ氏の疑いによりレアルドご夫妻の娘死亡。カブラ氏の資格を剥奪】
と、書かれていた。
カブラというのは恐らく主導者の名前、そして初めて知ったヒカルの本当の名字。それよりマイスターズは、【娘死亡】という文字に目が行った。
「娘って、ヒカル以外にも子供が?」
「いいえ、あの二人の子供はヒカルだけ、ヴェーダの情報もそう書いてあったわ」
「では、あの夫妻は嘘を付いたと?」
「解らない。とにかく、ヒカルの意識が戻らない事には何とも…」
『トリィ!』
刹那の肩に乗っていたトリィが突然泣き出し、部屋の中を巡回し、モニターの側に下りると何かの映像を出した。
それと同時に、誰かの声が聞こえた。
―――ヒカルに聞いても、ヒカルは何も答えれないわ
「え?」
―――アタシが話します。あの人達の…真実を
トリィが映し出した映像には、黒いキャミワンピースを着たヒカルが映し出されていた。
「ヒカル?」
―――初めまして、ガンダムマイスターの皆さん。そしてアナタがスメラギさんですね?
マイスターを見た後に、側にいるスメラギを見た。
「貴方。ヒカルじゃ、ないの…?」
ヒカルによく似た容姿をした少女は頷き、皆を見回した。
―――アタシの名前はフレイヤ。アナタ達の事は、ヒカルを通して全て知っているわ
「ヒカルを通してって…まさかヒカルは!」
―――違うわ
「え?」
フレイヤと名乗った少女の言葉に、アレルヤは声を上げるが、それはフレイヤに遮られた。
―――アレルヤ・ハプティズム。ヒカルはアナタが思ってる子じゃない。アタシはヒカルの別の人格じゃない
「ではヒカルは双子だったというのか?」
違う話を持ち出したティエリアの方に向き直るが、フレイヤはまた首を振った。
―――確かにアタシはヒカルとそっくり。でも、アタシとヒカルに血の繋がりはない
「何だと…?」
「単刀直入に言ってくれない?貴方は何者で、ヒカルとどういう関係なのか」
スメラギの言葉に、フレイヤは語り出した。
―――アタシはあの人達…レアルド夫妻が造ったロボットなの
その言葉に皆は驚いて目を見開くが、フレイヤは構わず続けた。
レアルド夫妻には何もかもが揃っていた。知識、名誉、信頼性。
ただ一つないもの。それは子供だった。
中々子供の出来ない事に、二人はお互いの技術を生かしてある物を造った。
それは、女の子型のロボット。
夫妻はそのロボットに【フレイヤ】という名前を名付け、実の娘のように育て始めた。
そしてその数年後、夫妻の間には念願の子供が産まれた。
―――それがソフィア…いえ、ヒカルよ
そして家族四人、幸せに暮らしていた。
だが、両親の科学者仲間がフレイヤの秘密を知り、それを世間に話そうとした。
夫妻は悩んだ。世間にフレイヤの存在を知られれば、必ず良く無い事に利用されてしまう。
―――パパとママはとても苦しんだ…そしてとても辛そうだった…それでも、アタシの事を話そうとはしなかった
二人は言ってくれた。何があってもアタシ達は護るって
―――嬉しかった…でも、同じくらい辛かった。アタシがいたらパパやママはずっと辛い日々を送る…解っていた
だからアタシはパパやママが寝ている間に機能を停止しようとした。
その時、起きていたソフィアが言ってくれた。
―――アタシと離れたくない…アタシとずっと一緒にいたい、て…
アタシもソフィアとずっと一緒にいたかった。でも、アタシがいればパパやママが傷付く。
そう話したら、ソフィアは言ってくれた。
『ならあたしにお姉ちゃんの心を預けて。心だけでも一緒にいられるように…』
その言葉に、刹那達は目を見開いた。
そんな事は出来ない。ソフィアは人間、アタシは機械。心を写すなんて不可能だ。
でもソフィアは聞かずに特殊な装置を使い、アタシの心を写した。
その影響でソフィアの記憶は全て失われ、パパとママはアタシの残った機能や情報をデータの海に流した。
そしてアタシは完全に機能を停止した。
―――この記事に書かれているのはアタシの事。でもパパ達はアタシの事を話したくなかった。だからアナタ達の情報にアタシはいないの
「あいつが言っていた人形とは、お前の事だったのか?」
刹那はヒカルを殺そうとした男の言葉を思い出し、それを告げると、フレイヤは何も言わずに頷いた。
―――あの人はアタシがまだ生きていると思い込んでいたから。だから六年前のあの日、テロを雇ってヒカルをパパとママから引き放させたの
テロという言葉にロックオンは少しばかり反応し、スメラギはエトワール夫妻から聞かされた事のある内容に目を見開いた。
「あのテロ騒動は、ヒカルを拉致する為だけに起こしたっていうの…?」
―――そう、そして無理矢理連れて行かれたヒカルは実験台のようにされかけた。でも
アタシがデータに侵入して施設の全てのコンピュータは使えなくし、通信も遮断した。
―――そして施設は使えなくなり、新しい施設に移動する際、事故にあった
するとフレイヤは、ゆっくりと刹那を見た。
―――もう解るでしょ?刹那・F・セイエイ。アナタの国で起こっていた内紛の流れ弾に当たり、ヒカルが乗っていた車は爆発。逃げ出したヒカルを見付けたのが…
アナタだった。
「…」
―――それからの事は、アナタ達が知っている通りよ
話終えたフレイヤの言葉に皆は言葉を無くし、ただ黙っていると、スメラギが口を開いた。
「ヒカルは、貴方の事を知っているの?」
―――アタシが心の中で教えた。でも、アタシを思い出す事は絶対にない
「どういう事…?」
―――ヒカルがアタシの事を思い出す事は二度とない。例え心の中で話し掛けても、アタシとの関係を話しても、その時の記憶は直ぐに消える
「…じゃあ、貴方はこれから何をするの?」
―――変わらない。ヒカルの中で、ヒカルを見守り続ける。それが、アタシがヒカルに誓った約束
フレイヤはそう言い、そっと刹那の側に寄った。
―――いつもヒカルを助けてくれて、ありがとう
「…」
―――アタシの妹を、そしてアナタがヒカルと誓った約束を、護ってあげて
そして、フレイヤの映像は消えた。
暫くその場は静まり返るが少しずつ口を開いていった
「あれがヒカルの過去…」
「テロを嫌う理由はそれか…」
「機械の…姉」
「エトワール夫妻が命を掛けて造った、ガンダムの理由…」
ぽつりぽつりと呟く中、刹那は一人ブリーフィングルームを出て、医務室にいるヒカルの元に向かった。
手当てを受けたヒカルはベットに寝かされ、小さな息と呼吸器の音が室内に響いていた。
刹那は側にあった椅子に腰掛け、ヒカルの手をそっと握り締めた。
『アナタがヒカルと誓った約束を、護ってあげて』
フレイヤが最後に呟いた言葉を思い出しながら、ヒカルの手を強く握った。
「必ず護る、ヒカルを」
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