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第一期

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謎の少女


トリニティ兄妹は7回の武力介入を行い、各基地を殲滅するまで叩き続ける行為に、地球に下りた刹那、ロックオン、ヒカルは浸すら待機を言い渡されていた。

彼等の介入のせいでこちらのミッションは行う事が出来ずにいた。


ロックオンや刹那は彼等のやり方に批判を持ち、ヒカルは携帯で攻撃された基地を見続けていた。


無残に破壊された基地。

それを見て、ヒカルは胸を抑えた。



―――ヒカル


「…胸が痛い」


―――どうして?アナタも同じような事をしていたのに?


「私達は、ただ介入して戦闘を止めるだけ。こんな…殲滅のような事はしない…」



いつものように聞こえた声に答えていると、その人物はヒカル肩に手を置き、後ろから抱き着いた。



―――悲しいのね


「悲しいよ…」


―――それが全く知らない人達の事でも、アナタは辛いの?


「辛い…誰かの命を奪った私でも、その人達の事を思うと辛い…」


―――でも、ソレスタルビーイングを抜ける事はしないのね


「…例えこれ以上に辛い事が待っていても、私は…」



ヒカル?」


違う声に目を開けて顔を上げると、ロックオンがヒカルを見下ろしていた。


「どうしたの?」

「お前こそどうしたんだ?ニュース見ながらぼーっとして」

「えーと、なんでだろ?」


首を傾げるヒカルにロックオンは小さくため息を付き、ヒカルの頭を撫でて室内を出た。


撫でられた頭に手を置いて彼が去った扉を見ながら、ヒカルは携帯をポケットに入れ、エクシアを見ている刹那の隣に立った。


「どうしたの?」

「…」


だが刹那はエクシアを見続けて質問には答えず、ヒカルもエクシアに向き直った時、刹那が口を開いた。


「あれが…」

「え?」

「あれがガンダムのする事なのか…」


刹那の苛立つような声に、ヒカルはまた胸が苦しくなり、両手で胸元を抑えた。


ヒカル?」

「痛い…胸が、痛い…」


辛そうに、今にも泣きそうな顔に刹那はヒカルの頬に手を添え、彼女を抱きしめた。


「刹那…」


彼に答えるようにヒカルも刹那の背を握り、少し体を放した二人の唇が触れ合う。


その瞬間



『トリィ!!』

ドスッ



「ぐっ…!」


同じ室内にいたトリィが刹那の頭に突進し、クチバシを突き刺した。

それにより刹那は崩れ落ちヒカルは慌てて刹那を支えた。


「せ、刹那大丈夫!?」

「お前、トリィにどんな機能を付けた…っ」

「どんなって、自分が危険だと判断したら攻撃しろって…」


その言葉で刹那の頭にはある図式が描かれた。


ヒカル←トリィ→刹那
(主人)    (敵)

つまりはこういう事。


「刹那、本当に大丈夫?」


刹那を抱えたままトリィに突かれた所を撫でていると刹那はヒカルを強く抱きしめた。


「刹那?」

「大丈夫だ」

「え?」

ヒカルは、俺が護る」


そう言って刹那はヒカルに軽くキスをし、室内を退室。

残されたヒカルは顔を真っ赤に染め上げた。


「ねぇ、トリィ…」

『トリィ?』


しゃがみ込んだヒカルの足に乗ったトリィに話しかけながら、ヒカルは真っ赤な頬を両手で覆った。


「この間から刹那のキスが多いよ〜」


ヒカルは熱が冷めるまで暫く、その場を動けなかった。




トリニティ兄妹が及ぼす被害は広まる一方だった。


一般人に攻撃を仕掛け、民間人しか働いていない工場を襲撃し、800名もの人が亡くなった。


ロックオンから話を聞いた刹那やヒカルは目を見開いた。


「そんな…っ」

「これじゃあまるで無差別テロだ…」


テロによって深い傷を付けられたロックオンとヒカルは愕然とし、刹那は拳を握り締めて突如コンテナ向けて走り出した。


「刹那!?」

「刹那!どこに行く!?」


二人の声も聞かずに刹那は走り、数分後、エクシアが起動し始めた。


「エクシア!?まさか刹那が…」

「刹那っ!」

ヒカルっ!」


エクシアに駆け寄って刹那を止めようとしたがエクシアは飛び去り、その勢いにヒカルは吹き飛ばされた。


「キャアアッ!!」

ヒカルっ!!」


飛ばされたヒカルをロックオンは受け止め、飛び去ったエクシアを睨んで、ヒカルをその場に下ろした。


「俺はトレミーに連絡を入れてくる、お前はここにいろ」

「っ、待って!ロックオン!!」


連絡を入れる為にコンテナに走るロックオンに、ヒカルもエクシアを追い掛けようと立ち上がった。



―――行っちゃだめ


不意に聞こえた声に一度瞬きをする。

すると辺りは暗く、目の前には顔は見えないが、ヒカルと同い年程の少女が立っていた。


「貴方なの?私にずっと話し掛けていたのは…」


―――そう、アナタを呼んでいたのはアタシ


「どうして、どうして邪魔をするの!?今貴方と話している時間は…」


―――今行けば、アナタはまた自分を失う


「…え?」


―――アナタは知っている筈よ。自分を失った時、何があったか



自我を失った後、戦いは終わり、自分は何をしたのかも覚えていなかった。



―――今彼を追ったら、アナタは確実に自分を失う


「どうして…貴方はそれを知っているの?私は刹那にしか話していない筈…」


―――アナタの事は全部知っている


「教えて…貴方は、貴方は私のなんなの?」


―――アナタはアタシの





ヒカルおい!」


自分を呼ぶ声に目を開けると、ロックオンが心配そうにしながら叫んでいた。


「ロックオン…?」

「大丈夫か!?」

「え、何が?」


先程と同じ答えをするヒカルにロックオンは眉を寄せ、彼女を抱えて立ち上がった。



「わ!ロックオン!?」

「いいから黙ってろ、全くどいつもこいつも…」


ロックオンにコンテナまで運ばれながら、ヒカルは先程の事を考えていた。


だれかと話していた。でも誰と?

わからない、でもこれだけは解る。

その人は私の味方だ。

.

トレミーからの連絡により刹那はトリニティと対峙した模様。

スメラギはロックオンとヒカルに出来るなら戦いを止めてと言うが、現場の状況によっては自身の判断に任せる。と通信を返した。


二人は指示を受けてガンダムに乗り、刹那と増援に来たティエリアの元に向かう事にした。


『全くとんでもない事するな、あのきかん坊は』

「でもロックオン、止めなかったじゃない…」

『トメナカッタ、トメナカッタ』

『それはまあ…でも、そのお陰でミス・スメラギの腹も据わった。それにな、刹那の気持ちも解るのさ、あいつはガンダムそのものになろうとしている。紛争根絶を大任する為にな』

「で、どうするの?」

『ぶっちゃけ撃つ気満々だお前はどうだ?ヒカル


意見を求められ、ヒカルは画面に映ったロックオンを見ながら笑った。


「はっきり言って、私も刹那と同じ気分かな。トリニティのやり方には賛成出来ないから」


いくら戦争根絶を達成する為とはいえ、あのやり方はテロリストと変わりない。


『んじゃ行くぜ!デュナメス、ロックオン・ストラトス。出撃する』

「了解。レクサス、ヒカルエトワール。出ます」


例え止められても、自分を失おうとも、私は行く。

私は、ガンダムマイスターだから。





エクシアとヴァーチェの元に向かい、デュナメスの砲で間合いを取り、2機の側に寄った。


「刹那、ティエリア!大丈夫!?」

『ああ』

『大丈夫だ』

「ティエリア、それ…」


改めてヴァーチェの姿を見てヒカルは目を見開いた。

あれ程使う事を拒否していたナドレの姿。


『あいつらはガンダムマイスターに相応しくない。その為の鉄槌だ』

「…そっか」


小さく笑い、トリニティ達の機体を凝視する。

すると彼等は後退し出した


『逃げんのかい?』

『君は私達よりも先に、戦うべき相手がいる。そうだろう、ロックオン・ストラトス。いや…ニール・ディランディ』

「ニール、ディランディ…?」


ロックオンに掛けられた謎の名前、ヒカル達はニールが彼の本名だと知る。そして更に、ヨハンは続けた。


『ロックオン、君がガンダムマイスターになってまで復讐を遂げたい者の一人は君のすぐ側にいるぞ』

『何だと?』

『クルジス共和国の反政府ゲリラ組織、KPSA。そのメンバーの中に、ソラン・イブラヒムがいた』

『「ッ!!」』


ソランという名前に、刹那とヒカルは目を見開いた。


『ソラン?誰だよそいつは!?』

『ソラン・イブラヒム。コードネーム、刹那・F・セイエイ』

『ッ、刹那だと!?』

『そうだ、彼は君の両親と妹を殺した組織の一員、君の仇と言うべき存在だ』


そう言い残し、トリニティ達は撤退し、その場には何とも言えない空気が漂った





一先ず島に戻り、ガンダムから下りた刹那とロックオンは互いに向き合い、ティエリアとヒカルは彼等の側に立っていた。


「本当なのか、刹那。お前はKPSAに所属していたのか」

「ああ」

「クルジスの出身か…」

「ああ…」

「じゃあ、お前もなのか。ヒカル


ティエリアの側に立っていたヒカルを見るが、彼女は普段とは違うロックオンの瞳に少し怯えた。


「わ、私は…」

ヒカルは違う。こいつは俺と一緒にいただけだ、KPSAの事さえ知らない」


遮った刹那の言葉に再びヒカルを見ると、彼女はゆっくりと頷いた。


「ロックオン、トリニティが言っていた事」

「事実だよ、俺の両親と妹はKPSAの自爆テロに巻き込まれて死亡した」


太陽光発電が出来、世界規模での輸出規制が始まり、その為に化石燃料に頼っていた中東諸国はエネルギーを持たない為に情勢は悪化。

紛争やテロが続く中、人々は神や冨、権力を求めた。


そして20年続く太陽光発電紛争が起こり、世界の歪みに巻き込まれ、ロックオンは家族を失った。

ロックオンはそんな歪みを止める為に、ガンダムマイスターになる事を決意した。


「人を殺め続けた罰は、世界を変えてから受ける。だが、その前にやる事がある」


そう言い、ロックオンは刹那に銃を向けた。


「ッ!?」

「ロックオン!」

「刹那、俺は今無性にお前を狙い撃ちたい。家族の仇を撃たせろ。恨みを晴らさせろ」


銃を向けながら刹那に言い放つロックオン。ヒカルは二人を見て、両手を握り締めて震え出した。



―――アタシの分まで

幸せになってね



「ッ!!」





バァンッ!



銃声が島に鳴り響き、ティエリア、そして撃った張本人であるロックオンは目を見開いた。

そして、撃たれた筈の刹那も一瞬驚愕した。


先程までティエリアの側にいたヒカルは、刹那を真正面から抱き締めて体を震わせおり、ロックオンが撃った弾でヒカルの髪は少し掠り落ちていった。


ロックオンはヒカルの行動に銃を少し下ろし、刹那は震える彼女の肩に手を置いた。


ヒカル…」

「だ…やだ…もう、誰も…誰もいなくなる所なんて見たくない…っ」


震えながら話すヒカルの言葉に、刹那はかつてのクルジスでの光景を思い出したと勘違いした。

そして何度か彼女の頭を撫でて落ち着かせ、そっとティエリアに渡した。


ティエリアに慰められながらも泣くヒカルを見ながら、刹那は再びロックオンを見た。


「俺は、神を信じていた。信じこまされていた…」

「だから俺は悪くないって?」

「この世界に、神はいない」

「答えになってねぇぞッ!!」



再び銃を構えるロックオンそれを見たヒカルはまた体を震わせるが、ティエリアはそれを見えなくするように抱き締めた。


「神を信じ、神がいない事を知った。あの男がそうした」

「あの男?」

「KPSAのリーダー…、アリー・アル・サーシェス…!」


その名に、三人は眉を寄せた。


「奴はモラリアでPMCに所属していた」

「民間軍事会社に?」

「ゲリラの次は傭兵か?ただの戦争中毒じゃねえか」

「モラリアの戦場で、俺は奴と出会った」


モラリア

その言葉にヒカルは刹那が戦闘中にコックピットから出た事を思い出した。

あの時の行動は、サーシェスの存在を確かめる為のものだった。


「奴の神が何処にいるのか知りたかった!もし、奴の中に神がいないとしたら。俺は、今まで…」

「刹那…」

「刹那、これだけは聞かせろ、お前はエクシアで何をする?」


その言葉に、刹那は視線を反らさずに告げた。


「戦争の根絶」

「俺が撃てば出来なくなる」

「構わない、代わりにお前がやってくれれば。この歪んだ世界を変えてくれ。だが生きているなら俺は戦う、ソラン・イブラヒムとしてでもなく、ソレスタルビーイングのガンダムマイスター。刹那・F・セイエイとして」

「ガンダムに乗ってか?」

「そうだ。俺が、ガンダムだ」


その刹那の言葉にロックオンは銃を上げた。


「ハッ、阿呆らしくて撃つ気にもなんねえ、全くお前はとんでもねえガンダム馬鹿だ」

「…ありがとう」

「お?」

「最高の褒め言葉だ…」


僅かに笑った刹那にロックオンは堪え切れずに大笑いし、ティエリアも少し唖然としてから小さく笑った。


そして一通り笑い終えた後ロックオンはヒカルの側に立った。


ポンッ


「ッ…ロック、オン…」

「悪かったな、ヒカル。お前にまで辛い顔させちまって」


ヒカルの頭に手を乗せ、かつて自分の妹にしたように彼女を慰めた。

そしていつもどうりのロックオンに戻った事に、ヒカルの目からはまた涙が溢れ出した。


「な、おいヒカル!?どうした!?」

「よかった…ロックオン…ッ…いつもの…ロックオンだ…」

「いつもの俺ってどんな俺だよ…?」

「そんな感じ…」


ロックオンを指差ししながら言い、その行動に思わずため息が出た。


「ありがとな、ヒカル…」

「え?」

「もう俺は大丈夫だ。お陰で気分も晴れた」


笑顔を見せてくれてヒカルは一瞬唖然としたが、直ぐに笑顔を返した。

笑い合う二人に、刹那とティエリアもそっと笑いを零した。






同時刻、ヒカルの部屋にある端末にメッセージが届いた。

何かの地図のような画像と共に、ある言葉が書かれていた。



〔アナタの全ては、ここにある〕

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