第一期
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新たに現れたガンダムに人革連、ユニオン、AEUは動揺し、同じようにガンダムマイスター達も、現れた見知らぬガンダムに目を見開いた。
刹那がスローネドライに助けられた時刻、ヒカルは敵の放った電撃に苦しめられていた。
「アアアアアッ!!」
考える事も、動く事も出来ず、ただ痛みを味わうだけ。
そしてついにレクサスの機能がダウンし、敵MSはゆっくりとレクサスに近寄った。
だがヒカルも同様に意識を失い、逃げようにも逃げられない。
敵MSはレクサスを包囲し基地に連れていく為機体を掴んだ。
その時
ガシッ!
レクサスが敵MSの頭部を掴み、そのまま頭部を破壊。
レクサスの動きに敵機は後退するが、敵機の動きが鈍くなり出した。
『な…、機体が、動かない!?』
『駄目です!指令部との連絡、取れません!!』
『機能が…どんどん下がっていきます!』
敵機が少しずつ慌て始め、起動されたレクサスはゆっくりと敵機向けて前進した
『く、来るな…来るなぁっ!!』
迫ってくるレクサスに敵機は慌てて砲を放とうとするが、全ての機能が停止している為逃げる事も出来ない。
レクサスは長剣を構え、目の前の敵機に向けて振り下ろした。
『う…うわああぁーーっ!!』
ドゴオオオンッ!!
敵機は真っ二つになって爆破し、レクサスは他の敵機の方に視線を向けた。
すると兵士達は機体から下りて逃げ出し始める。
それを見逃さずにレール砲を一つにし、逃げ出す兵士達向けて構えた。
ドオオンッ
逃げ出した兵士は一人残らず消え、後には何も残らなかった。
続いてパイロットのいなくなった機体の側に寄り、それをも破壊しようとした時動きが止まった。
ーーーもういいのよ もう終わったのよ
これ以上しても意味はないわ 早く元に戻って
戻らないと アナタの大切な人が悲しんでしまう
起きて
「ガッ、ガハッ…ゲホッゲホッ!」
激しい苦しみに襲われ咳込み、何があったのかゆっくり周りを見るが、敵機は何体かいるが全く起動せず、砲撃も止んでいた。
「何…一体、何があったの…?」
訳が解らず混乱していると急に空が赤くなり、何事かと思って空を見ると、空には膨大な粒子が撒かれていた。
「あれって…GN粒子?でも、こんな大量の粒子を放出するなんて、それに…」
あの光は…
粒子を見ながら考え続けていると、ロックオンから通信が入った。
『ヒカル!』
「ロックオン…」
『無事か、大丈夫か?』
「私は平気…それより、あの粒子は?」
『俺にも解らん、とにかく離脱する。近くにエクシアの反応あるか?』
「…あ、ちょっと待って!」
呆然とする意識を必死に戻し、エクシアの反応を捜すと、ヒカルはエクシアの方向に向かった。
エクシアの方に飛んで驚いた。
エクシアの側には謎のガンダムがおり、そのガンダムが赤い粒子を放出していた
「ガンダム…なの?刹那!」
『っ、ヒカルか?』
「何なの、あのガンダム」
『解らない、いきなり現れたんだ…』
『貴方がレクサスのパイロット?』
謎のガンダムに回線を繋がれ、ヒカルは戸惑いながらも回線を繋ぐと、画面にはヒカルと同じ年齢程の女の子が映し出された。
「貴方は…」
『初めまして、あたしはネーナ・トリニティ』
「ネーナ、トリニティ…?」
ネーナと名乗った少女はヒカルに笑いかけ、エクシアにも通信を繋げた。
『お二人さんは早く離脱したら、他のマイスター達も今頃離脱してる筈だから』
「貴方は、貴方のそのガンダムは…それに、その粒子は?」
『いずれ改めて挨拶に行くわ、じゃあね!』
ネーナはそう言って、赤い粒子を撒き散らせながら飛び去った。
「一体、どういう事…」
『ヒカル、今は取り敢えず離脱するぞ』
「あ…うん…ッ!」
飛び出とうとして思い出した。足に突き刺したナイフの痛みに。
だがそれを刹那にばれないようにし、その場を離脱。合流した他のマイスター達と共に離島へと帰島した。
無事離島に辿り着き、各機整備を始める。
ヒカルは突き刺したナイフを抜いて隠し、何事もないように皆の元に下りた。
ズキッ
「…っ!」
予想以上に痛みが激しく、その場にしゃがみ込み、痛みを堪えていると、側に刹那が寄って来た。
「どうした?」
「ちょっと、ふらついたみたいで…疲れたんだと思う…」
無理に笑顔を作り、傷を隠しながらその場から離れようとするが、余りの痛さに立ち上がる事も出来なかった。
流石に不自然な行動に刹那がしゃがみ込み、ヒカルの顔を覗き込むと、側にいたハロが慌て出した。
『ヒカル!チガデテル!チガデテル!』
「何!?」
ハロの言葉に視線を下に向け、ヒカルが抑えていた手を退けると、右足の太ももからは血が出ていた。
「お前、まさか自分で!」
「意識が続かなくて、仕方なく…ね」
よく見ると顔色や息も荒い刹那は直ぐさま彼女の治療をするためヒカルを抱き上げた。
「わっ!刹那!」
「黙っていろ!!」
刹那はヒカルの声も聞かずに走り出し、ヒカルは彼の真剣な顔や温もりに少しずつ意識を失われて行った。
治療し終えたヒカルはベットに寝かされて今は眠り、他のマイスター達はそんな彼女を見ながら先程のガンダムの話をしていた。
その時、ロックオンから通信が入り、内容を聞き終えて通信を切り、他の三人に告げた。
「例のマイスター達が俺達にコンタクトを取ってきた俺達はすぐにトレミーに戻れ。だとよ」
ロックオンの言葉に表情は変わり、刹那は眠っているヒカルの頬を触った。
新たなガンダムマイスターその正体とは。
.
トレミーに戻ったマイスター達は、新たに出現したガンダムの事をスメラギ達に報告し、彼等から指示されたポイントに到着していた。
ポイント前方からは見慣れない船が接近し、ハッチが開かれると一機のガンダムがトレミーに向かって来た。
スメラギは着艦許可を出しマイスター達とスメラギは彼等に会うためブリッジを出た。
ズキッ
「っ…!」
先日の戦闘で傷付けた足が痛み、その痛みを堪えながら移動していると、ヒカルの側にいたティエリアが手を貸してくれた。
「あ…ありがとう」
「今度は自分で自分を傷付けるような真似をするな」
「…努力する」
ぶっきらぼうに言うティエリアにヒカルは苦笑いして答え、前方の扉から現れた三人の人物を見た。
「着艦許可を頂き、ありがとうございます。スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティです。」
「スローネツヴァイのガンダムマイスター、ミハエル・トリニティだ!」
「スローネドライのガンダムマイスター、ネーナ・トリニティよ!」
ヘルメットを取ってそれぞれ自己紹介をする三人。
ヒカルはその中の赤毛の女の子、ネーナを見てあ、とした。
「あの時の…」
「あ、貴方あの時の!」
ネーナはヒカルの存在に気付き、床を蹴って彼女に寄り添った。
「貴方レクサスのパイロットでしょ!?」
「あ、はい」
「貴方ぐらいよね~このマイスター達の中で何にも問題起こしてないのは」
ネーナの言葉に側にいたティエリアは少し苛立ったが不意にヒカルは誰かに腕を引かれた。
「せ、刹那?」
「…」
「刹那…貴方がエクシアのパイロットね!無茶ばかり起こす子、そういう所、凄く好みよ」
ネーナが刹那に近付いた瞬間、彼女は刹那に口付けをした。
「あ…」
「っ、離せ!」
「キャッ!」
刹那はネーナを突き飛ばし、ヒカルは彼女の行動に少し呆然としてしまった。
「俺に触れるなっ!」
「てめぇ!妹に何しやがるっ!?」
妹が突き飛ばされた事にミハエルは怒ってナイフを取り出した。
『ヤッチマエ!ヤッチマエ!』
ミハエルが怒り出したと同時にスローネ側の紫のハロが騒ぎ出すと、ロックオンのハロが何処からかやって来た。
『ニイサン!ニイサン!アイタカッタ!アイタカッタ!』
『ダレダオマエ、ダレダオマエ』
『ハロ、ハロ』
『シンネーヨ、シンネーヨ』
紫ハロはオレンジハロを押し、オレンジハロは『ニイサン、キオクガ』と呟きながら去って行った。
「ゴホン!とにかくここじゃなんだし、部屋に行きましょ」
「判りました」
スメラギに即されヨハンは後に続き、続いてミハエルも行こうとしたが、未だに呆然としているヒカルを見て顔をニヤつかせた。
ヒカルに近寄り腕を伸ばそうとした時。
グイッ
別の腕に引かれて下がると、ヒカルの前にティエリアが立った。
そしてミハエルを睨み、ちょっかいを出せなかった彼は渋々移動し、ネーナも刹那にウィンクして後を追った。
「油断するな」
「う、うん」
ヒカルの手を引き、ティエリアもブリーフィングルームに向かった。
ブリーフィングルームに入り、彼等のガンダムが何処で作られた物なのか、色々と質問をするが、ヨハンは全ての質問を拒否。
ミハエルは昨日のミッション時、敵に鹵獲されそうになったマイスター達を馬鹿にしていた。
「それに比べてヒカルは、俺達の助けも借りずにミッションを完遂させたんだぜ」
「…え?」
ミハエルの言葉に、ヒカルは少し戸惑い出し、そんな彼女を刹那が不思議そうに見た。
「…ヒカル?」
「貴方達が、敵機を追い払ったんじゃないの?」
「は?今言ったろ。お前は俺達の助けも借りずにミッションを完遂させたって」
再度言ったミハエルの言葉に、ヒカルは動揺し出した。
(この人達じゃない。じゃあ、じゃあ私は何で助かったの…?)
ヒカルが混乱している中、ティエリアは室内を退出し、ネーナも船内を探検したいと言い出し、扉に向かった。
だが不意に振り返り、刹那を見た。
「一緒に行く!?」
だが刹那はネーナの言葉を無視し、視線を反らすが、ネーナは刹那に近寄って彼を睨んだ。
「あたしを怒らせたら、駄目よ」
そう呟き、側にいたヒカルの手に抱き着いた。
「ねえねえ!船の中案内してくれない!?」
「え?あの…」
「駄目だ」
ネーナからヒカルを引き剥がし、刹那の背後に隠した。
「こいつは今怪我をしている。医者にも安静にしろと言われた」
「なんだ、つまんないの」
ネーナは退出し、ヨハンやミハエルも退出した。
三人がいなくなり、ヒカルは刹那を見た。
「刹那、いつ安静にしろって言われたっけ」
「嘘に決まっているだろ」
「へ?」
「まあ異様な連中だったしな」
刹那の言葉に続く様に、ロックオンがヒカルの頭を撫でた。
「お前が心配なんだよ、色々あったしな」
「ロックオン…」
「ミス・スメラギ、暫くは休息でいいか?」
「えぇ、今回は皆ご苦労様。次の指示があるまで休んでちょうだい。あ、ロックオンとアレルヤ」
スメラギの言葉に二人はトリニティ兄妹の見送りに付き添い、刹那もヒカルの肩を軽く叩いて部屋を出た。
一人残されたヒカルは自室に戻る気になれず、展望室に向かった。
すると窓にはロックオンのハロが外を眺めていた。
「ハロ…?どうしたの?」
『ニイサン、ニイサン…』
「兄さんって…あのハロ?」
『ハロノニイサン、ハロノニイサン』
悲しそうな顔のハロをヒカルは抱きしめて慰めていると、室内に刹那が入って来た。
「刹那」
「戻ってなかったのか?」
「少しね…」
どことなく元気がない、怪我が原因かと思われるがそうでもない。
彼女の異変はブリーフィングルームでミハエルが言った言葉からおかしかった。
「何があった?」
「え?」
「昨日のミッション、何があったんだ?」
言葉が詰まり、ハロを抱き締めている力を強めると、刹那がヒカルを抱き締めた。
それに手の力が緩み、床に落ちたハロは転がって何処かへ行ってしまった。
「自分でも、わからないの…」
いつもの様にレクサスに乗っていた。ミッションを遂行しようと戦っていた。
抱きしめてくれる刹那の背に、ヒカルはゆっくりと手を添えた。
「今回だけじゃない、前のアザディスタンの時もそうだった…」
クーデターの勃発に介入する際、クルジスに似過ぎた光景に我を忘れた時。
今回のミッション時、敵の電撃を受けて気絶した時。
気付いたら終わっていた。
自分は何も覚えていないのに、誰が敵機を倒した?
「私は何をしたの、自分を失っている間に、何をしたの…?」
ついにヒカルは涙を流し、刹那は少し体を離して彼女の涙を拭い、ヒカルの目元を軽く口付けた。
「言った筈だ。お前を一人にはしない、絶対に」
「う…ん…っ」
ヒカルの頬に両手を添え、刹那は深く口付けた。
悲しみを打ち消すように
少しでも彼女の心が安らぐように
.