第10話 トロール
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ドラコSide
「はぁ…」
僕はため息混じりに大広間の席に着いた。
目の前には沢山の料理とお菓子が置いてあり頭上にはカボチャが大量に浮いていた。
「そうか。今日はハロウィンか」
僕が思い出したようにボソッと言うと、いつの間にか隣に座っていたパンジー・パーキンソンが首を突っ込んできた。
「そうよ!ドラコ!今日はハロウィンよ!お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうわよ!」
と、キャピキャピはしゃいでいる。
こいつは何かあるとやけに僕に絡んでくる。
いや、何かなくても絡んでくる。
「どうしたの?ドラコ?最近元気ないわよ?今も大きなため息してたし」
お前に言われなくても解ってるさ。
最近の僕は確かにため息が多い。
こんなの僕らしくない。
気合いを入れようとカボチャジュースに手を出した時だった。
僕の視界があいつの姿を捕らえた。
ドクン
心臓が高く音をたてた。
ナエ・イワウラ
彼女が大広間に入ってグリフィンドールのいつもの場所に座る。
そしていつも一緒にいるポッターやウィーズリと会話を始めた。
何故だ?
なんか…ムカつく。
ナエとポッター達が話してる事はいつもの事だ。今日も授業で奴らと仲良く話していた。
いつもの事だ。
何故イライラするのか解らない。
でも、彼女から目が放せない。
「ねぇ、ドラコ!何見てるの?」
「えっ?」
不意にパーキンソンに話し掛けられた僕は、焦って手に持っていたカボチャジュースを落としてしまった。
「キャッ!」
「うわっ!」
落とした弾みでパーキンソンの服にジュースがかかってしまった。
「あっ、すっすまない」
「もう!ドラコどうしたの?ボーッとして」
そう言いながら彼女は服についたジュースを拭き取っていた。
ホントにどうしたんだ…全く僕らしくない。
そう思いながらもナエの方を見てしまう。
すると彼女はいきなり席を立ち、大広間から出て行ってしまった。
どうしたんだ?食事はこれからだとゆうのにナエはどこに行ったんだ?
気になる…
気になるがここで僕が後を追い掛けてどうするつもりだ?まずなんて理由でこの場から離れればいいんだ。それにスリザリンがグリフィンドールの後を追い掛けるのも有り得ない話しだ。
僕がひたすら考えてる間に宴の時間は始まり、みんな思い思いに料理を食べていく。
もう食事は始まったのに何故ナエは帰って来ないんだ。
またイライラが押し寄せて来た時だった。
バンッ!
ドアが勢いよく開いて
「トロールがぁ~トロールが地下室に入り込みましたぁー。お知らせ……」
バタンッ
知らせに来たクィレル先生は言い終わるとその場に倒れた。
とっトロールだって!?
冗談じゃない。あんな怪物がなんで入り込んでんだよ。
大広間は大パニックになっていた。
すると校長の一叫びで周りは一斉に静まった。
監督生とそれぞれの寮へ戻れと指示が出た。
そりゃそうだ。僕たちがトロールに敵うわけないし戦う理由もない。
僕はスリザリンの監督生と寮に戻る途中気付いた。
ナエはこの事を知らない。
調度その時目の前をグリフィンドールの団体が通った。その中にポッターとウィーズリを発見した。
僕は、考えるより先に行動していた。
「おい!ポッターにウィーズリ。ナエは何処へ行ったんだ」
「マルフォイ。なんでお前がそんな事聞くんだ」
「そっ、それは…」
ウィーズリに言われて言葉が出てこない。
「今は喧嘩してる場合じゃない。ハーマイオニーもナエも二人はこの事を知らない。早く知らせなくちゃ」
ポッターがそう言うとウィーズリと勢いよく走り出した。
「おい!待て!僕も行く。」
この二人に着いて行くのはもの凄くシャクに触るが、そんな考えよりも先に体が動いていた。
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