第10話 トロール
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先生の手伝いをしてたら結構遅くなってしまった。書類やファイルやらの移動の量が半端なく、予想以上に時間がかかってしまった。
「結構遅くなっちゃったな~。用具だけ寮に置いて早く大広間に向かおう!そういえば今日はハロウィンだったな!」
日本ではあまり馴染みのないハロウィン。
どんな料理が出てくるか楽しみだ。
大広間に着くともうほとんどの生徒が座っていて料理もビッシリ並べられていた。
空中にはカボチャのランタンがいっぱい浮いていて大広間は完全にハロウィン一色になっていた。
なんかわくわくしてきた。
いつもの席に着くとあることに気付いた。
「あれ?ハーマイオニーは?」
いつも私の隣に座ってるハーマイオニーがいない。寮にもいなかったからてっきりこっちに来てるものだとばかり思っていた。
「トイレにこもって出て来ないんだって。そこで泣いてるみたいだよ。ずっと」
ネビルが教えてくれた。
トイレでないてる?
「ハリー、ロン。ハーマイオニーがトイレで泣いてるって…彼女何かあったの?」
二人に聞いてみるとハリーとロンは罰が悪そうな顔をしながら二人で顔を見合わせていた。
「二人とも…何か知ってるのね?」
様子からして二人は何かを知ってると思って聞いてみたら…
「そんな事ハーマイオニーに言ったの!?はぁ…最低…」
どうやらロンがハーマイオニーに対して酷い事を言ってしまったらしい。それを聞いてた彼女はそれ以来ずっと泣いてるみたい。
ハロウィンどころじゃないわね…
私は席を立ってハーマイオニーの所へ向かおうとした。
「ナエどこ行くの?ごちそうはこれからなのに」
ロンに言われて立ち止まった。
「ハーマイオニーの所に決まってるじゃない。友達が泣いてるのに私だけごちそうなんて食べていられないもん。それに元はロン、あなたの責任もあるんだから後でハーマイオニーに謝ってね」
それだけ言って彼女がいるトイレへと向かっていった。
彼女のいるトイレに入ると中からすすり泣く声が聞こえた。
間違いない。ハーマイオニーだ。
彼女は個室に入って泣いていた。
「あの、ハーマイオニー?私だけど…。大丈夫?」
とりあえず声をかけてみた。
「その声はナエね?なんでここにいるの?もうハロウィンパーティーは始まってるわよ?早く行きなさいよ」
少し震えた声で話し返してきた。
「うん。ハロウィンパーティー抜け出してきた。だってハーマイオニーが悲しい思いしてる時に私だけはしゃげないじゃん?」
「…なんでナエは私にそんな事言ってくれるのよ…あなたもロンみたいに思ってるんでしょ?ロンから聞いたんでしょ?私は昔からこんな性格だから友達だっていなかったわよ。だからほっといて」
そう言って今まで貯めてきたものを全て吐き出すようにぶちまけた。
「じゃあ、私が最初の友達ってのはダメ?少なくとも私はハーマイオニーの事、もう友達だって思ってるんだけど?」
……………
……………
しばらくお互いの沈黙が続いた後、個室の扉が開きハーマイオニーが中から出てきた。
だいぶ泣いたのか、目が腫れていた。
「あなたって変ね。勉強もスポーツも出来て、周りからも人気があるのに私と友達になりたいだなんて…」
うっすらと目に涙がまだあるけど彼女はほんのりと笑った。
「うん!やっぱりハーマイオニーは笑ってた方がカワイイ!それに勉強もスポーツもハーマイオニーには負けるよ?私が人気があるかどうかは知らないけどね」
二人でクスクス笑って握手をした。
「これからもよろしくねナエ。さっきはいろいろと酷い事言ってゴメンなさい」
「全く気にしてませんから!こちらこそよろしく!」
皆が待ってるから早く大広間に行こうとしたその時…
ドスン……ドスン……
何やら大きな音がする
大きな…足音?みたいな音がする。
「なんの音かしら」
ハーマイオニーも不思議に周りを見渡してる。
「解らない。でもだんだん音が大きくなっていくような…」
「…っ!!ナエ後ろ!」
「え?」
ハーマイオニーに言われて後ろを振り返ってみると、そこには緑色の巨人がいた。
「「キャーーーーーッ」」
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