「で？イッチーのこと？ケンカ？」


早速本題に入ってくるレン

「ホントにそんなんじゃなくて…」


さすがに、この事は全部ぶちまけられない…


「二人は…さ。例えば誰にも言えない秘密があって、それを打ち明ける時一番最初に誰に話す？」

言葉を必死に選んで打ち明ける


「やっぱり、HAYATOがイッチーだったってことか…」

ボソリ…とレンが呟く

「Σ！？えぇっ！あいつ、HAYATOなのか？」


驚く翔ちゃんを横目にクスッとレンが笑う


「イッチーはあのまじめな性格のくせに早退や遅刻が多い。バイトといってもそこまでするメリットもない。俺だったらもちろんステディに一番に話すさ」


さすがはレン…

翔ちゃんはまだ口を金魚みたいにパクパクさせていたけど


「まぁ、やっぱ彼女に一番最初に言うよな」

「だよね…」

「大方、イッチーがあの子羊ちゃんに言っているのを聞いたんだろ？」

「あはは…レンには何でもお見通しか…私ね、何となくだけどトキヤがHAYATOだって気づいてたの。だけど、いつか絶対話してくれるからって信じてたのに…なんで最初に私に言ってくれなかったんだろって…私、トキヤの一番じゃなくなっちゃったのかな…」


止まっていたはずの涙で視界が歪む