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ラッキースケベ(?)

「今日って、試合、だったよね?」

「そうよ?陽菜も翔陽の試合。見に行く?」

「え?行けるの?」

「翔陽がチケット渡してくれたのよ。『見に来てくれっ!』ってね。」

「えー!翔陽ナイスだよ!!行こ!始まっちゃうよ!」

「そんなに焦らない。まだ時間は有りますから」

「はーい。」

ー到着ー

「私、先に行ってるからね?」

「うん!ちょっとしたご飯買ってくる」

「はいはい。あ、私昆布が食べたいわ」

「後でお金請求するからね?」

「ふふっ。ちゃっかりしてるんだから。」

「それはお母さんでしょ!?もう…」

「早くしないと試合が始まっちゃいますよ?」

「あ!急がなきゃ…」

ドン…

「わわっ。すみません。」

「……あ。」

「あれ?治さん!」

「せやで。確か…あんた烏野の応援席、誰かと座ろうとしてた子やろ。」

「え?見てたんですか!?」

「おーおー。オレンジ色の髪が見えたもんでな。」

「名前は?」

「日向陽菜です。10番(翔陽)の妹です。」

「あんま似てないな。」

走ってたら当たってしまった治さんがビックリした目で見てきた。そして、『似てないな』と。勿論それは本当の事だ。私は翔陽より小さいし、しかも、翔陽みたいに飛べない。

「似てて欲しかったですか?」

「いや、もう懲り懲りやから、似てやんくて助かったわ。」

「そ、それは、良かったです(?)」

「ははっ。陽菜は?」

「今からお昼ご飯を買いに行こうとしてたんです。朝ご飯も食べれてなかったので…。」

「ほー。何買うんや?」

「おにぎりとか、買おうかなって思ってます!」

「俺もおにぎりは好きや。」

「そうなんですね!」

治さんの好きなご飯も聞けた。治さんは食べるのが好きならしい。

「なんや。治さんは辞めてほしいわ。治くんでええよ。」

「いやいや!年上なんで!」

「かまへん。俺がそう言ってるやから。ほら、言うてみ?」

「お、治…君。」

恥ずかしいから、小声で言ってしまった。聞こえてたかな?

「良いな。治って名前。」

「そうですね!」

ドンッ!

「わっ。」

通行人に当たってしまった。でも、大丈夫。幸い、母親譲りの胸で、受け止めてくれる。そう思っていたら。濃い、赤色のジャージが見えた。

「!大丈夫か?あの、謝って貰ってもええですか?」

「ヒッ…す、すみません。」

「聞いたか?謝ってくれはったで、」

「あ、ありがとうございます」

「あ、あの…お、さむ、君…手が……」

「……………おぉ。あ、すまんな。」

治君は、私と離れて行った後でも手の平をグーパーしていた。そして、何か呟きながら、稲荷崎のチームへと戻って行っていった。



ーfinishー
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LOVE