黒尾鉄郎薬

「はーるっかちゃん」

「……何ですか?黒尾さん。」

「一緒にメシ、食お。」

「……」

「もーそんな顔しないの、だいじょーぶ、研磨も居るから。」

「…………はぁ…分かりました。」


黒尾さんとの出会いは、あまり素敵な物では無かった。

ー黒尾との出会いー


それは、町に買い物に行った時のこと、

「ねぇねぇ、そこのおねーさん。今暇?俺と遊ぼーよ」

「すみません。今から買い物に行くので、」

「そんな事言わずにさ、ほら、行こ?」

「嫌です。辞めてください」

「チッ、うるせぇな。早く来い!」

「嫌ですって!辞めてください!」

「おい、手ぇ離せよ。」

「は?誰だお前。」

「俺?俺はこいつの彼氏」

「チッ…彼氏持ちかよ。」

「おねーさん大丈夫?」

「ありがとうございます。」

「どーいたしまして、俺と遊ぶ?」

「嫌、大丈夫です。」

「もー。連れないなー…一緒に着いてくね。」

「……好きにしてください。」

「後悔しても知りませんよ。」

「?何で?」

「私、買い物するんですよ?下着とか買いにいくんで、」

「えー?寧ろごほーび、俺がおねーさんに似合う下着選んであげる」


遠回しに来るなと伝えたかったが、無理だった。下着屋に行くのは嘘。パフェとか行きたかったのに、勿論買い物もする。本を買う予定だった。下着だったら恥ずかしくて来ないと思ったのに、このトサカヘッドは違ったらしい。嘘つきとは思われたく無かったし、仕方なく下着屋に足を運ぶ。

「これ、おねーさんに似合うんじゃない?」

「何…これ」

「良いでしょ?ね、着けてみてよ。」

「こんなヒラヒラ…切れる訳ないでしょ!」

「おねーさん、俺が着けてあげる♡着方分かんないんでしょ?こっちおいで」

「……」

「そんなに睨まないでよ。」

「はぁ、私、これにする。」

「おー?意外と良いね。」


意外とって何よ。別に私は色気とかにキョーミないし、

ー現在ー

「はぁ、」

「どーしたの?春華〜そんなにため息ついて、」

「嫌、ちょっと、クロとの出会い思い出しちゃって、」

「あの時のクロ、チャラ男だったなーって」

「唐突のパンチ。何だよーチャラ男って」

「まぁ、今は全然良い奴なんだけどねー」

キュン…

「ありがとさん」
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LOVE