夢主≠公式主人公
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絶対に矢後さんには向けられないであろう感情のない視線を、目の前に伸びている不良に投げる○○さんを見掛けてしまったのも、そんな彼女と目が合ってしまったのも全部たまたまだ。だから、一瞬面倒くさそうに眉をひそめた○○さんが下手くそに笑顔を繕って利き手を隠したのを見て見ぬふりをしなかったのも、たまたまである。
医務室まで来る数分の間には傷は塞がらなかった。いやに深いと思えば、どうやらナイフでつけられたものらしい。治安はどうなっているんだ?世紀末か?
「刺されてないし平気平気」
「そういう問題じゃない!はぁ…とりあえずみせてくれるか」
消毒液を染み込ませた脱脂綿を見た○○さんは険しい顔をした。彼女は案外顔に出る。
「何があったかきいても?」
「…勇成くんを呼び出す為の餌にされそうになっただけだよ」
「だけって…。よくあるのか?」
「そんなに無いかなぁ」
「そうか。まぁ、あまり無茶はしないでくれ。○○さんに何かあれば矢後さんも心配するだろう」
もうほとんど塞がった傷に気休め程度に絆創膏を貼る。それをぼんやりと眺めていた彼女が、俺の言葉を復唱した。
「しんぱい」
「…するだろ、流石に」
「どうかなぁ…わかんないや。でも、勇成くんが楽しくないのは嫌だから気をつけるね」
ありがとう。そう言っていつものように穏やかに笑う○○さんに、なぜ頼城があんなにも過保護になるのかわかってしまって、俺は心の中でそっとため息をついたのだった。
医務室まで来る数分の間には傷は塞がらなかった。いやに深いと思えば、どうやらナイフでつけられたものらしい。治安はどうなっているんだ?世紀末か?
「刺されてないし平気平気」
「そういう問題じゃない!はぁ…とりあえずみせてくれるか」
消毒液を染み込ませた脱脂綿を見た○○さんは険しい顔をした。彼女は案外顔に出る。
「何があったかきいても?」
「…勇成くんを呼び出す為の餌にされそうになっただけだよ」
「だけって…。よくあるのか?」
「そんなに無いかなぁ」
「そうか。まぁ、あまり無茶はしないでくれ。○○さんに何かあれば矢後さんも心配するだろう」
もうほとんど塞がった傷に気休め程度に絆創膏を貼る。それをぼんやりと眺めていた彼女が、俺の言葉を復唱した。
「しんぱい」
「…するだろ、流石に」
「どうかなぁ…わかんないや。でも、勇成くんが楽しくないのは嫌だから気をつけるね」
ありがとう。そう言っていつものように穏やかに笑う○○さんに、なぜ頼城があんなにも過保護になるのかわかってしまって、俺は心の中でそっとため息をついたのだった。