宮本武蔵 夢
空欄の場合は「名前」になります
小説設定範馬勇次郎の娘で刃牙の姉。強い
見た目が幼く小柄
家系の関係で目が紫
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涼し気な夜、男は眠れなかった。障子を全開にして布団に横になったまま夜空の星を眺めてはいるがなんだか休まらない。
ここのところ車などの交通機関に乗る機会が増えたからだろう、精神的なものだ。こんな時はぐるぐると色んなことを考えてしまう。戦いのこと、どうでもいいこと…様々。
そんな時、部屋の戸襖が少し開いた
『宮本さん、まだ起きてますか…?』
小声で話しかけられる、それは徳川邸に泊まりで来ていた友人であった。
「名前か、起きておるぞ」
上半身を起こし返事する。
『あ、よかった、こんな時間にすみません。明日は朝から2日間徳川さんがいないそうなので、お伝えしておきますね』
「そうか、承知した」
『それだけです。宮本さん、もしかして眠れません?』
「ん、中々に寝付けなくてな」
『じゃあ、昔話でも読み聞かせしましょうか?』
「昔話?」
『はい、聞いてると眠くなるんですよ』
「ふむ、なら頼もう」
『はーい、わかりました』
部屋の端の小さな本棚から絵本を取り出す。
(これにしようかな。)
『はい、ではコレ、桃太郎を読みます!』
「ももたろうとな」
『ほら、起きてないで横になって下さい、いいですか?』
布団の横に座り表紙を開く
『むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんがいました。お爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に行きました。』
「ふむ」
『お婆さんが川で洗濯をしていると、川から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れて来ました』
「川から桃が?」
『お婆さんは驚きましたが、その桃を家に持って帰りました。お爺さんが桃を切ってみると、なんと中から赤ん坊が出てきました!』
「赤ん坊が桃から…?」
不思議そうに頭に?を浮かべている。
『その子は桃から生まれたので桃太郎と名付けられます。桃太郎はすくすくと育ち青年になりました、そしてある時言います、
「おじいさん、おばあさん、ボク鬼退治に行きます。」
そう、その鬼とは村に現れては人から宝を奪う不届き者達だったのです。お婆さんは桃太郎にきびだんごを持たせ、お爺さんは刀を持たせました。桃太郎は道中イヌとサルとキジをきびだんごで餌付けして手懐け、仲間にします。』
「うむ…?」
『鬼ヶ島へ乗り込むと桃太郎は襲い来る鬼達をちぎっては投げ ちぎっては投げます。最後には鬼の大将を討ち取り勝利しました。人々から奪った財宝を持ち帰り、村の人達と共に幸せに暮らしましたとさ、おしまい』
「もうか」
相手を見ると目がいつもどおりパッチリだ、絵本作戦はダメだった様子。
『あら、まだ眠れません?
とんとんしましょうか?ほーらとんとん』
「童扱いするでない」
ぽすぽす叩くと怒られてしまった、カワイイ。
『うーん……じゃあ一緒に寝ます?なーんて…』
「ほれ」
布団を少し捲り誘導する仕草をしている。
『いや…あの……』
「遠慮するでない」
『遠慮とかじゃなくて…』
「案ずるな、何もせん」
『いやぁ大丈夫です…!では、次は子守唄でもどうですか?』
「子守唄…」
考えている間に捲れていた布団を素早く直しておく。
『私が小さい頃、眠る前によく母が歌ってくれました。』
「どんなものだ?」
『歌ってみますね』
頭の中でピアノの前奏を浮かべてリズムを取る
♪(省略、お好きな歌詞をお入れ下さい)♪
「ほう、中々に良い歌だ」
『ですよね〜』
あ、そうだ。と思うや否や押し入れから布団を取り出し、友人の寝床にくっつけて敷くとすぐに掛布を胸まで掛けた。なんて早い動き、私でなきゃ出来ないね。
『ふふ、お泊まりって感じで楽しい!』
「そうか、それはよかったな」
『宮本さんも楽しいですか?』
「……ああ、楽しいな」
よかった、と答えると横顔が少し笑ったように見えた。
『あら、まだ寝ないんですか?ほら、とんとん』
宮本さんは身体が大きいので手を伸ばせば胸にすぐ手が届く。今度は怒られない。
『そういえば、私の兄弟達も眠りにつくまでこうやって寝かしつけてました。』
「兄弟?」
『はい、父親違いの兄弟が7人いました。刃牙と兄さんを入れて、10人兄弟ですね』
「大所帯だな」
『だからこうしてると懐かしいんですよ〜、歌いながらしますね。さ、目を閉じて。』
「ん……」
大人しく目を閉じたところを見ると嫌では無いようだ。歌い、遅めのペースでぽんぽんと落ち着かせるように叩く…。
あれ、これ大丈夫かな…成人男性にこんな事して…絵面が。
話は変わるが 私は赤ちゃんを寝かしつけるのが得意だ、どのくらい上手かというと抱いただけで寝る。寝てくれなくても、歌えばイチコロだ。
兄弟たち曰く声が落ち着くんだそう。
歌い終わると、やけに静かだった。
起きている人の気配がしない、どうやら眠ってくれたようだ。
(男なのに いびき かかないんだ、へぇ。…いや、それは偏見か。)
『……おやすみなさい』
目を閉じると真っ暗だ
毎度の事ながら嫌だなぁ。
いつもは寝るのが怖い
暗いのは嫌い
怖い夢を見るのも駄目
でも今日は一人じゃない。
胸に乗っけている手が暖かい。安心する。
そんな事を考えていると、知らず知らずのうちに私は意識を手放していた_。