【番外編】秘めた童心
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とは言ったものの。
「お前もか……」
「少しだけお願いします……」
モアナとライフィセットがいなくなったあと、クロガネの元に残ったキキョウは、中に入れて欲しい、と懇願した。
心水を飲める歳にもなって、自分でも何をやっているのかとは思ってはいるが、それでも好奇心が止められなかったのだ。
「中で転けて頭打つなよ」
「! はい。ではお邪魔します」
「ケツがひっかかって抜けねぇなんて間抜けなことしねぇようにな」
「しませんっ!」
ややデリカシーのないからかいを受けたが、クロガネの許しを得て、首元の穴から脚を入れてキキョウはクロガネの中に入り込んだ。
「中は意外と広い以外は普通の鎧と変わらないんですね。
えっと、ここが腕を通す場所で、ここに脚を入れて……」
「おっ!?おおっ!?」
「あ、動いた。このまま走ってみていいですか?」
「おい」
「すごい。お爺様自身の膂力もあるから、大鎧なのに少しも重くない」
「ガキみてぇにはしゃぎやがって……」
走ってみたり、普段の自分では抱えられないような重たい物を持ってみたり、童心に返っていたときだった。
「何やってんだクロガネ」
「っ!」
「ん?今声がしなかったか?」
ロクロウが来てしまった。
声を聞いたクロガネの中にいるキキョウが、びくり、と身をこわばらせたことで、クロガネも不自然な止まり方をしてしまった。
「(おっ、お爺様、お願いです黙っていてください!)」
「(ったく……)座りっぱなしで体が硬くなっちまったから、ちと体を動かしてただけだ」
「硬いのは元々だろ?鎧なんだから」
「ちげぇねぇ。何の用だ」
「いや、がしゃがしゃ何の音だ?って見に来たらお前が走り回ってた。そんな機敏に動けたんだな」
「ああ、たまにはな。俺はまた修理と罠の作成に戻る」
キキョウの意図を汲んでくれたクロガネが、立ち去ろうとしたときだ。
「まてよ、“中に誰か入ってる”だろ?」
「!!」
「足音が中身が入ってる音なんだよなぁ。
誰だ?アイゼン、は聖隷だから入れないか。他にやりそうな奴は……」
まずい。
このまま覗き込まれたら、自分が中に入っていると知られてしまう。
パニックになったキキョウは、咄嗟にロクロウの腕を掴んだ。
「はっ!?ぐぁっ!?」
ロクロウの体は、綺麗に半回転して、床に叩きつけられた。
「投げ飛ばすやつがあるか……」
「ごっ、ごめんなさいっ!氷!氷もらってきます!」
「お前もか……」
「少しだけお願いします……」
モアナとライフィセットがいなくなったあと、クロガネの元に残ったキキョウは、中に入れて欲しい、と懇願した。
心水を飲める歳にもなって、自分でも何をやっているのかとは思ってはいるが、それでも好奇心が止められなかったのだ。
「中で転けて頭打つなよ」
「! はい。ではお邪魔します」
「ケツがひっかかって抜けねぇなんて間抜けなことしねぇようにな」
「しませんっ!」
ややデリカシーのないからかいを受けたが、クロガネの許しを得て、首元の穴から脚を入れてキキョウはクロガネの中に入り込んだ。
「中は意外と広い以外は普通の鎧と変わらないんですね。
えっと、ここが腕を通す場所で、ここに脚を入れて……」
「おっ!?おおっ!?」
「あ、動いた。このまま走ってみていいですか?」
「おい」
「すごい。お爺様自身の膂力もあるから、大鎧なのに少しも重くない」
「ガキみてぇにはしゃぎやがって……」
走ってみたり、普段の自分では抱えられないような重たい物を持ってみたり、童心に返っていたときだった。
「何やってんだクロガネ」
「っ!」
「ん?今声がしなかったか?」
ロクロウが来てしまった。
声を聞いたクロガネの中にいるキキョウが、びくり、と身をこわばらせたことで、クロガネも不自然な止まり方をしてしまった。
「(おっ、お爺様、お願いです黙っていてください!)」
「(ったく……)座りっぱなしで体が硬くなっちまったから、ちと体を動かしてただけだ」
「硬いのは元々だろ?鎧なんだから」
「ちげぇねぇ。何の用だ」
「いや、がしゃがしゃ何の音だ?って見に来たらお前が走り回ってた。そんな機敏に動けたんだな」
「ああ、たまにはな。俺はまた修理と罠の作成に戻る」
キキョウの意図を汲んでくれたクロガネが、立ち去ろうとしたときだ。
「まてよ、“中に誰か入ってる”だろ?」
「!!」
「足音が中身が入ってる音なんだよなぁ。
誰だ?アイゼン、は聖隷だから入れないか。他にやりそうな奴は……」
まずい。
このまま覗き込まれたら、自分が中に入っていると知られてしまう。
パニックになったキキョウは、咄嗟にロクロウの腕を掴んだ。
「はっ!?ぐぁっ!?」
ロクロウの体は、綺麗に半回転して、床に叩きつけられた。
「投げ飛ばすやつがあるか……」
「ごっ、ごめんなさいっ!氷!氷もらってきます!」