打たれぬ刀
夢主の名前
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ロクロウ「……なあ、クロガネ」
クロガネ「なんだ」
ロクロウ「あいつにも打ってやらないのか?」
クロガネ「あいつ? キキョウのことか。小刀はくれてやった」
ロクロウ「そりゃ暗器だろ。そうじゃなくて、普通の刀だよ」
クロガネ「……」
ロクロウ「二年も一緒に暮らしてたんだ。
あいつの剣の才能を、お前が見抜けなかったわけがないだろ?」
クロガネ「そもそもあいつは、人間に化けてでも普通の生活をしたがってたやつだ。戦う気のねぇやつに、剣なんぞ無用の長物だろうが」
ロクロウ「業魔と住んでて“普通”もないだろう。それに、今のあいつもベルベットの復讐に手を貸すと決めて、この船に乗ってるんだ。俺と同じようにお前の刀を欲しがっても、おかしくないはずだ」
クロガネ「あいつが欲しがってるんじゃなくて、お前があいつに握らせてぇんだろ」
ロクロウ「……」
クロガネ「ったく……いいか、刀ってのはな、斬る覚悟を持った奴が握って初めて“業物”になる。
あいつは剣を振るうことを良しとしねぇ。
その気のねぇやつに無理やり刀を持たせても、ただのなまくらと同じだろうが。俺は、飾りのためのなまくらを打つ趣味はねぇ」
ロクロウ「……そうか。違いないな」
クロガネ「あいつには暗器だけで十分だ。これ以上背負わせてやるな」
ロクロウ「ああ、悪かった。
(……その気がない、か)
(……いや、違う。あいつから剣を振るう気を奪ったのはきっと、俺自身だ)」
クロガネ「なんだ」
ロクロウ「あいつにも打ってやらないのか?」
クロガネ「あいつ? キキョウのことか。小刀はくれてやった」
ロクロウ「そりゃ暗器だろ。そうじゃなくて、普通の刀だよ」
クロガネ「……」
ロクロウ「二年も一緒に暮らしてたんだ。
あいつの剣の才能を、お前が見抜けなかったわけがないだろ?」
クロガネ「そもそもあいつは、人間に化けてでも普通の生活をしたがってたやつだ。戦う気のねぇやつに、剣なんぞ無用の長物だろうが」
ロクロウ「業魔と住んでて“普通”もないだろう。それに、今のあいつもベルベットの復讐に手を貸すと決めて、この船に乗ってるんだ。俺と同じようにお前の刀を欲しがっても、おかしくないはずだ」
クロガネ「あいつが欲しがってるんじゃなくて、お前があいつに握らせてぇんだろ」
ロクロウ「……」
クロガネ「ったく……いいか、刀ってのはな、斬る覚悟を持った奴が握って初めて“業物”になる。
あいつは剣を振るうことを良しとしねぇ。
その気のねぇやつに無理やり刀を持たせても、ただのなまくらと同じだろうが。俺は、飾りのためのなまくらを打つ趣味はねぇ」
ロクロウ「……そうか。違いないな」
クロガネ「あいつには暗器だけで十分だ。これ以上背負わせてやるな」
ロクロウ「ああ、悪かった。
(……その気がない、か)
(……いや、違う。あいつから剣を振るう気を奪ったのはきっと、俺自身だ)」