朝寝は叶わず
夢主の名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薄暗い船室に、朝の冷たい空気が流れ込んでいた。
ロクロウがゆっくりと瞼を開けると、視界の端に白い背中が見えた。
「(今日はいるのか。珍しいな)」
身じろぎをして、ロクロウは隣で寝息を立てているキキョウをぼんやりと見下ろした。
普段なら、ロクロウが目を覚ます頃には、キキョウはいつもいなくなっている。
行為の後の気まずさを隠すためか、キキョウなりの防衛線なのかはわからないが、こうして朝まで隣で無防備に寝息を立てているのは稀だった。
「(……いや、昨夜は俺が少し、無理をさせすぎたか)」
何気なく髪を避けるように白い首を撫でれば、ロクロウ自身が付けた赤黒い痕が点々と残っているのが見える。
昨夜の、互いの肉と業を喰らい合うような凄惨で熱の籠もった情事を思い出し、ロクロウは少しだけバツが悪そうに頭を掻く。
『当番ある日は起こしてやるし、なんなら代わってやるから……?』
いつぞやキキョウに言おうとして、最後まで言わせてもらえなかった、自分の言葉を思い出す。
「(寝かしてやっといた方がいいよな……今日は確か朝方の当番もなかったろ)」
このままもう少し微睡んでいよう、としていたその時だった。
微かに寝返りを打ったキキョウの体温に温められた、あの香りがふわりとシーツの中から立ち昇る。
金木犀に似た、甘く、重く、肺の奥底に沈むような匂い。
それと同時に、ロクロウの下腹部にじくり、と熱い痺れが走る。
昨夜あんなに抱き潰したはずなのに、この匂いを嗅ぐだけで、また再び劣情が引き摺り出されそうになる。
「(いかん……これ以上ここにいたら、朝っぱらからまたひどいことになっちまう)」
完全に毒気に当てられて理性が吹き飛ぶ前に、ロクロウは音を立てずにベッドから抜け出した。
乱れたシーツを引き上げ、丸まっているキキョウの肩口までしっかりと布団を掛け直す。
ふと床を見ると、昨夜の激しさのままに脱ぎ散らかされた二人の衣服が散乱している。
自分の服を拾い上げるついでに、キキョウの衣服もかき集めて、まとめて枕元にそっと置いておく。
そして、手早く服を着て愛刀を掴むと、逃げるように船室を後にした。
ロクロウがゆっくりと瞼を開けると、視界の端に白い背中が見えた。
「(今日はいるのか。珍しいな)」
身じろぎをして、ロクロウは隣で寝息を立てているキキョウをぼんやりと見下ろした。
普段なら、ロクロウが目を覚ます頃には、キキョウはいつもいなくなっている。
行為の後の気まずさを隠すためか、キキョウなりの防衛線なのかはわからないが、こうして朝まで隣で無防備に寝息を立てているのは稀だった。
「(……いや、昨夜は俺が少し、無理をさせすぎたか)」
何気なく髪を避けるように白い首を撫でれば、ロクロウ自身が付けた赤黒い痕が点々と残っているのが見える。
昨夜の、互いの肉と業を喰らい合うような凄惨で熱の籠もった情事を思い出し、ロクロウは少しだけバツが悪そうに頭を掻く。
『当番ある日は起こしてやるし、なんなら代わってやるから……?』
いつぞやキキョウに言おうとして、最後まで言わせてもらえなかった、自分の言葉を思い出す。
「(寝かしてやっといた方がいいよな……今日は確か朝方の当番もなかったろ)」
このままもう少し微睡んでいよう、としていたその時だった。
微かに寝返りを打ったキキョウの体温に温められた、あの香りがふわりとシーツの中から立ち昇る。
金木犀に似た、甘く、重く、肺の奥底に沈むような匂い。
それと同時に、ロクロウの下腹部にじくり、と熱い痺れが走る。
昨夜あんなに抱き潰したはずなのに、この匂いを嗅ぐだけで、また再び劣情が引き摺り出されそうになる。
「(いかん……これ以上ここにいたら、朝っぱらからまたひどいことになっちまう)」
完全に毒気に当てられて理性が吹き飛ぶ前に、ロクロウは音を立てずにベッドから抜け出した。
乱れたシーツを引き上げ、丸まっているキキョウの肩口までしっかりと布団を掛け直す。
ふと床を見ると、昨夜の激しさのままに脱ぎ散らかされた二人の衣服が散乱している。
自分の服を拾い上げるついでに、キキョウの衣服もかき集めて、まとめて枕元にそっと置いておく。
そして、手早く服を着て愛刀を掴むと、逃げるように船室を後にした。