視線の先に
夢主の名前
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業魔になって暑さや寒さを感じなくなったことで、気温によって服を着替える、という当たり前のことを、キキョウはすっかり忘れてしまっていた。
ロクロウに指摘してもらわなければ、暑苦しい格好をした、妙な女として目を付けられてしまっていたかもしれない。
それに
「(顔、見て話してくれた……)」
仕事が嫌で、泣いてばかりいた頃を境に、ロクロウはキキョウの顔を見て話すことをしてくれなくなった。
泣かないでいられるようになっても、それは変わらなくて、どうすればいいかわからないうちに、ロクロウはいなくなってしまった。
今は、時折気まずそうに視線をさまよわせることもあるが、キキョウの顔を見て話してくれている。
暑さに倒れないように気にかけてもくれた。
けれど、皮肉にもそうしてくれるのは、自分への想いがなくなったからこその、単なる旅の連れ合いへの気遣いでしかない。
一度、口元を隠すように襟巻を持ち上げたあと、深呼吸をして首から襟巻きを解いた。
ロクロウに指摘してもらわなければ、暑苦しい格好をした、妙な女として目を付けられてしまっていたかもしれない。
それに
「(顔、見て話してくれた……)」
仕事が嫌で、泣いてばかりいた頃を境に、ロクロウはキキョウの顔を見て話すことをしてくれなくなった。
泣かないでいられるようになっても、それは変わらなくて、どうすればいいかわからないうちに、ロクロウはいなくなってしまった。
今は、時折気まずそうに視線をさまよわせることもあるが、キキョウの顔を見て話してくれている。
暑さに倒れないように気にかけてもくれた。
けれど、皮肉にもそうしてくれるのは、自分への想いがなくなったからこその、単なる旅の連れ合いへの気遣いでしかない。
一度、口元を隠すように襟巻を持ち上げたあと、深呼吸をして首から襟巻きを解いた。