何より深く抉るもの
夢主の名前
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『どっちにしろもうここにはいられねぇ。孫娘にもそれを伝えなきゃならん』
業魔に孫娘だなんて、何の冗談かと思っていたが、港でシグレが戦っていた見知らぬ女を見てクロガネは困惑と焦燥の声をあげた。
『何してやがるあいつ……!?』
クロガネの様子からして、あれが件の孫娘らしいことは察したが、それ以上に予想外だったのは。
『キキョウ……!?』
ロクロウがその女の名を口にしたこと。
そして名を呼ばれた女が、こちらを振り向いた隙を突かれてシグレに斬られた瞬間、ロクロウが青ざめた顔でその女に駆け寄ったことだ。
『誰を斬ったかわかってるのか……!?』
『向こうから殺す気でかかってきたんだ。本気で斬るに決まってんだろ。
にしてもいい女になったもんだぜ。
剣なしでもお前より強ぇかもしれねぇなぁ?』
『シグレ……!ライフィセット、そいつを頼む』
『う、うん!』
その後、シグレに見逃される形でカドニクス港をなんとか脱したが、シグレに負わされた傷が深いのか、ライフィセットの回復術を受けてもなお、件の女は目覚める気配がない。
「あの女があんたの孫娘?」
「血は繋がってねぇがな」
「彼女はいったい何者なのですか?あのシグレ様相手にあそこまで渡り合えるなんて……!」
「あの女の素性はそいつよりロクロウの方が詳しいだろう。戦いの最中によそ見をして、切り捨てられた女を見て青ざめたぐらいにはな」
「せっかく化けれるようになったってのに、あいつもつくづく運がねぇわな」
「ほぉ、化けれるとな?まるで人間ではないような言い方じゃのう?」
「業魔だからな」
「あの女性が業魔……!?でも、手当のために服の下も見ましたが、業魔らしい特徴は何も……!」
「あいつがどうやって化けてるのかは知らねぇし、興味もねぇ。 シグレに挑まなきゃ、あいつだけでもまだ町で暮らせてたろうに、無茶しやがる……」
「業魔が人に化けて町に潜り込むなんて、何をしていたのですか!?」
「知らん。 俺と違って絶対にバレねぇ“なり”と“性根”をしてるくせに、町で暮らそうとしねぇ。
日銭稼げるようになっても、買ってくるのは飯だの丁子油だの、何が楽しいのか俺の世話を焼きやがる」
「ほぉ?それはなんとも腹が捩れて涙が出るような健気な話じゃのー?
その辺の人間よりよほど立派に人間らしい生き方じゃわい」
「っ……!」
「僕達の所為、なのかな……」
「俺も刀斬りだのそれなりのことを
して、シグレを呼び寄せた。
そこにたまたまお前らが来ただけの話だ」
業魔に孫娘だなんて、何の冗談かと思っていたが、港でシグレが戦っていた見知らぬ女を見てクロガネは困惑と焦燥の声をあげた。
『何してやがるあいつ……!?』
クロガネの様子からして、あれが件の孫娘らしいことは察したが、それ以上に予想外だったのは。
『キキョウ……!?』
ロクロウがその女の名を口にしたこと。
そして名を呼ばれた女が、こちらを振り向いた隙を突かれてシグレに斬られた瞬間、ロクロウが青ざめた顔でその女に駆け寄ったことだ。
『誰を斬ったかわかってるのか……!?』
『向こうから殺す気でかかってきたんだ。本気で斬るに決まってんだろ。
にしてもいい女になったもんだぜ。
剣なしでもお前より強ぇかもしれねぇなぁ?』
『シグレ……!ライフィセット、そいつを頼む』
『う、うん!』
その後、シグレに見逃される形でカドニクス港をなんとか脱したが、シグレに負わされた傷が深いのか、ライフィセットの回復術を受けてもなお、件の女は目覚める気配がない。
「あの女があんたの孫娘?」
「血は繋がってねぇがな」
「彼女はいったい何者なのですか?あのシグレ様相手にあそこまで渡り合えるなんて……!」
「あの女の素性はそいつよりロクロウの方が詳しいだろう。戦いの最中によそ見をして、切り捨てられた女を見て青ざめたぐらいにはな」
「せっかく化けれるようになったってのに、あいつもつくづく運がねぇわな」
「ほぉ、化けれるとな?まるで人間ではないような言い方じゃのう?」
「業魔だからな」
「あの女性が業魔……!?でも、手当のために服の下も見ましたが、業魔らしい特徴は何も……!」
「あいつがどうやって化けてるのかは知らねぇし、興味もねぇ。 シグレに挑まなきゃ、あいつだけでもまだ町で暮らせてたろうに、無茶しやがる……」
「業魔が人に化けて町に潜り込むなんて、何をしていたのですか!?」
「知らん。 俺と違って絶対にバレねぇ“なり”と“性根”をしてるくせに、町で暮らそうとしねぇ。
日銭稼げるようになっても、買ってくるのは飯だの丁子油だの、何が楽しいのか俺の世話を焼きやがる」
「ほぉ?それはなんとも腹が捩れて涙が出るような健気な話じゃのー?
その辺の人間よりよほど立派に人間らしい生き方じゃわい」
「っ……!」
「僕達の所為、なのかな……」
「俺も刀斬りだのそれなりのことを
して、シグレを呼び寄せた。
そこにたまたまお前らが来ただけの話だ」