待ち人は
夢主の名前
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ロクロウの顔つきは日々、年々と強張って、剣呑さを増していく。
キキョウと言葉を交わすことも、顔を合わせることも少なくなっていく上に、いつしかシグレの謀反を疑う噂まで流れ出し、ランゲツ、ソウマの両方に不穏な空気が漂っていった。
「あの、ロクロウ様……」
「なんだよ」
ある日、その空気に耐えられずキキョウはランゲツ家に赴き、無言で素振りをしていたロクロウに声をかけた。
しかし、返ってきたのは突き放すような冷たい声色。
それに傷付かないわけではなかったが、そんなことよりも、ロクロウの顔の右側が一瞬ではあったが、黒く覆われて見えてキキョウは青ざめた。
咄嗟にロクロウの腕を掴んでしまい、ロクロウは一瞬驚きはしたが、離せ、と手を引こうする。
それでも言わなければ、勇気を振り絞って、ロクロウの顔を真っ直ぐみた。
「無理、しないでください……言えないことなら、言いたくないことなら無理に聞きませんから……!
でも、ロクロウ様、あなたに何か、何かあったら私……!」
「……悪い、お前もあの話知ってるだろ。
だから最近、ピリついてて……」
「いえ、それは当然です……」
「そっちには迷惑かけないようにする……だから、なぁ?
久しぶりにお前のとこ行っていいか?」
「え?あ、はい!勿論です」
「いつもみたいに部屋で待っててくれ」
少しだけロクロウの表情が柔らいで、抱き締められた上に、夜に会う約束をしてくれた。
本当にどれぐらいぶりだろうか、と心水とイモケンピを用意して、ロクロウが来るのを待った。
様子がおかしいことについては、いつか話してくれる、今はそっとしておくべきなのだと信じて。
けれど、ロクロウは来なかった。
空が白み始めてもずっと起きて待っていたのに。
しかも、ランゲツ家へ赴けば屋敷の前は夥しい血で汚れていて、屋敷の者にロクロウはシグレの上意討ちに失敗し、監獄へ送られたと聞かされた。
当然、ロクロウとの婚約は解消されることとなり、久方ぶりに母 に縋って泣いた。
失意の中、痛みすら曖昧に感じるほど、生きているのか、死んでいるのかもわからないような状態で日々を過ごし続けた。
そしてついに、キキョウは業魔病を発症し、母の死をきっかけに生家であるソウマ家から出奔したのだった。
キキョウと言葉を交わすことも、顔を合わせることも少なくなっていく上に、いつしかシグレの謀反を疑う噂まで流れ出し、ランゲツ、ソウマの両方に不穏な空気が漂っていった。
「あの、ロクロウ様……」
「なんだよ」
ある日、その空気に耐えられずキキョウはランゲツ家に赴き、無言で素振りをしていたロクロウに声をかけた。
しかし、返ってきたのは突き放すような冷たい声色。
それに傷付かないわけではなかったが、そんなことよりも、ロクロウの顔の右側が一瞬ではあったが、黒く覆われて見えてキキョウは青ざめた。
咄嗟にロクロウの腕を掴んでしまい、ロクロウは一瞬驚きはしたが、離せ、と手を引こうする。
それでも言わなければ、勇気を振り絞って、ロクロウの顔を真っ直ぐみた。
「無理、しないでください……言えないことなら、言いたくないことなら無理に聞きませんから……!
でも、ロクロウ様、あなたに何か、何かあったら私……!」
「……悪い、お前もあの話知ってるだろ。
だから最近、ピリついてて……」
「いえ、それは当然です……」
「そっちには迷惑かけないようにする……だから、なぁ?
久しぶりにお前のとこ行っていいか?」
「え?あ、はい!勿論です」
「いつもみたいに部屋で待っててくれ」
少しだけロクロウの表情が柔らいで、抱き締められた上に、夜に会う約束をしてくれた。
本当にどれぐらいぶりだろうか、と心水とイモケンピを用意して、ロクロウが来るのを待った。
様子がおかしいことについては、いつか話してくれる、今はそっとしておくべきなのだと信じて。
けれど、ロクロウは来なかった。
空が白み始めてもずっと起きて待っていたのに。
しかも、ランゲツ家へ赴けば屋敷の前は夥しい血で汚れていて、屋敷の者にロクロウはシグレの上意討ちに失敗し、監獄へ送られたと聞かされた。
当然、ロクロウとの婚約は解消されることとなり、久方ぶりに母 に縋って泣いた。
失意の中、痛みすら曖昧に感じるほど、生きているのか、死んでいるのかもわからないような状態で日々を過ごし続けた。
そしてついに、キキョウは業魔病を発症し、母の死をきっかけに生家であるソウマ家から出奔したのだった。