夫婦の棺
夢主の名前
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「こんなところにいたのか……」
末弟とその許嫁の娘が最後まで見つからず、屋敷中ひっくり返す勢いで探し、やっとみつけたジロウは、行灯の明かりを差し向けたとき、安堵するよりも先に、思わず息を呑んで動きを止めた。
狭く埃っぽい床下。
そこにいるロクロウとキキョウは、ただ、身を寄せ合って眠っているだけだ。
子供らしい、無防備な寝顔。
だというのに、ジロウにはそれが、どうしても不吉なものに見えて仕方なかった。
二人の間には、他者が入り込む隙が一切ない。
声をかけて起こしてしまえば、何か取り返しのつかないものが壊れてしまうような、異様な静寂と完結した空気がそこにあった。
「おい。起きろお前ら」
「ん……なんだジロウか……あ。
俺達が最後だよな?」
「そうだよ。ったく、こんなとこ隠れやがって」
「よっし!キキョウ、やっぱり俺達が最後だぞ!」
「ん……」
「あ、おい」
ロクロウはキキョウを起こし、床下から引き上げると、意気揚々とキキョウの手を引いて走っていく。
「……なんだったんだ、あれ」
ジロウが思わずこぼした独り言は、誰にも届かない。
ただ、行灯の微かな揺らめきだけが、二人がいなくなった伽藍堂の床下を照らしていた。
末弟とその許嫁の娘が最後まで見つからず、屋敷中ひっくり返す勢いで探し、やっとみつけたジロウは、行灯の明かりを差し向けたとき、安堵するよりも先に、思わず息を呑んで動きを止めた。
狭く埃っぽい床下。
そこにいるロクロウとキキョウは、ただ、身を寄せ合って眠っているだけだ。
子供らしい、無防備な寝顔。
だというのに、ジロウにはそれが、どうしても不吉なものに見えて仕方なかった。
二人の間には、他者が入り込む隙が一切ない。
声をかけて起こしてしまえば、何か取り返しのつかないものが壊れてしまうような、異様な静寂と完結した空気がそこにあった。
「おい。起きろお前ら」
「ん……なんだジロウか……あ。
俺達が最後だよな?」
「そうだよ。ったく、こんなとこ隠れやがって」
「よっし!キキョウ、やっぱり俺達が最後だぞ!」
「ん……」
「あ、おい」
ロクロウはキキョウを起こし、床下から引き上げると、意気揚々とキキョウの手を引いて走っていく。
「……なんだったんだ、あれ」
ジロウが思わずこぼした独り言は、誰にも届かない。
ただ、行灯の微かな揺らめきだけが、二人がいなくなった伽藍堂の床下を照らしていた。