許さない怒り、許されていた罪
夢主の名前
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ムルジムを残し、最後の特等対魔士であるメルキオルが待つ火口へ向かう途中のこと。
シグレとはまた違った意味で、一筋縄ではいかないであろう、メルキオルとの戦いを思い、口をつぐんでいる中、ロクロウは意を決してキキョウを呼んだ。
「キキョウ」
「はい?」
「ライフィセットにも、言ったんだが……キキョウ、俺は……」
シグレが謀叛を起こそうとしたのは、ランゲツ家当主の座欲しさに、上意討ちの大義名分を手に入れるため、自分が流した嘘だと言うこと。
ひいてはそのせいで、自分がキキョウを業魔に堕としてしまった。
『私、何度も言った、ロクロウ様に意地悪しないでって……!私を引き合いに出さないでほしかった……!
その後いつもロクロウ様と気まずくなるの嫌だった……!』
『私に優しくしてくれても、ロクロウ様に意地悪して、ロクロウ様を傷つけてばかりの義兄様のそういうところ嫌いだった!
許さないっ!!』
自分に対する深い愛の告白にも等しい、血を吐くような叫びを、ロクロウは思い返し、奥歯を噛み締める。
自分がついた卑怯な嘘を知れば、その所為で業魔に堕ちてしまったのだとわかれば、さすがに諦めると思った。
妬んで、傷つけて、目を背けた挙句に、化け物にしてしまった。
とっくの昔に、自分はお前に想い続けてもらえる価値のある男ではないのだと。
そう伝えようとしたロクロウの言葉を遮るように、キキョウは口を開いた。
「もう終わってしまったことですから」
「っ……!」
何処か悲しげながらも、諦観が浮かぶ凪いだ眼差しは、とうにロクロウの嘘に気付いていた、と告げていた。
「……行きましょう。私が言うのもなんですが、もうあまり時間がありませんから」
「……ああ」
シグレとはまた違った意味で、一筋縄ではいかないであろう、メルキオルとの戦いを思い、口をつぐんでいる中、ロクロウは意を決してキキョウを呼んだ。
「キキョウ」
「はい?」
「ライフィセットにも、言ったんだが……キキョウ、俺は……」
シグレが謀叛を起こそうとしたのは、ランゲツ家当主の座欲しさに、上意討ちの大義名分を手に入れるため、自分が流した嘘だと言うこと。
ひいてはそのせいで、自分がキキョウを業魔に堕としてしまった。
『私、何度も言った、ロクロウ様に意地悪しないでって……!私を引き合いに出さないでほしかった……!
その後いつもロクロウ様と気まずくなるの嫌だった……!』
『私に優しくしてくれても、ロクロウ様に意地悪して、ロクロウ様を傷つけてばかりの義兄様のそういうところ嫌いだった!
許さないっ!!』
自分に対する深い愛の告白にも等しい、血を吐くような叫びを、ロクロウは思い返し、奥歯を噛み締める。
自分がついた卑怯な嘘を知れば、その所為で業魔に堕ちてしまったのだとわかれば、さすがに諦めると思った。
妬んで、傷つけて、目を背けた挙句に、化け物にしてしまった。
とっくの昔に、自分はお前に想い続けてもらえる価値のある男ではないのだと。
そう伝えようとしたロクロウの言葉を遮るように、キキョウは口を開いた。
「もう終わってしまったことですから」
「っ……!」
何処か悲しげながらも、諦観が浮かぶ凪いだ眼差しは、とうにロクロウの嘘に気付いていた、と告げていた。
「……行きましょう。私が言うのもなんですが、もうあまり時間がありませんから」
「……ああ」