【番外編】適材適所
夢主の名前
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血翅蝶からの依頼で、標的の情報収集をしに、聖寮の目を逃れているあまり治安の良くない場所に来ていた。
「……ダメね。どいつもこいつも、あたしたちが近づいただけで目を逸らすか、逃げてくわ」
「俺の顔を知っている奴が多いな。海賊だとバレて警戒されている」
「私が話しかけても、『聖寮には関わりたくない』と店に入れてもらえませんでした……ライフィセットは子供なのでそれ以前の問題でしたし……」
「儂に至っては『つまらん大道芸はお断り』じゃとぉ! ?失敬な!」
「こりゃあ、手詰まりか?
少し荒っぽいが、路地裏で誰か捕まえて……」
「次は私が行ってみます」
控えめながらも、しっかりとした姿勢でキキョウが行くと手を上げたことに、程度の差はあれも、ベルベット達は驚いた顔をした。
確かに、大人しげな風貌のキキョウは警戒されにくいだろうが、それはこういった場所ではなめられやすい、ということでもある。
「あんた一人で?平気なの?」
「これでも隠密として育てられましたので、情報収集は基本中の基本です。
情報料として幾らか預けてもらっても?」
「必要経費か……無駄にしたらあんたに稼いで返してもらうからね」
「ええ、勿論。
あそこの路地裏、店の窓が隣接していますからそこで待っていてください」
本当に一人で大丈夫なのか、という懸念が拭えないながらも、ベルベット達は路地裏に面している窓から中の様子を伺った。
エレノアなど、すでに槍を持って、いざという時には突入する気満々でいる。
見慣れない、それも大人しそうな佇まいのキキョウは不躾で下心のこもった視線に晒されていたが、とある客達の所へ行き、心水を奢る代わりに聞きたいことがあると言って席につく。
下卑た野次やからかいを受けていたが、それでも優しげに微笑み、男達の話の聞き手に徹している内、心水が周り出したことも相まってあれよ、あれよ、と言う間に機嫌の良くなった男達は口を開き始めた。
「いや〜、嬢ちゃんも大変だなぁ。このご時世にいなくなった兄貴を探して旅してるなんぞ」
「はい。とても怖い人なんですけど、私にとっては大切な家族なので……」
「そいつを知ってそうなやつなら、この先の賭場によく出入りしてるぜ。連れてってやろうか?」
「ありがとうございます。
そこまでわかればあとは自分でなんとかできます?
これ、ほんのお礼です」
「おっと、奢ってもらった上に礼までくれるたぁ、すまねぇなぁ嬢ちゃん」
「気をつけろよー?あいつは悪い癖がいくつもあるからなぁ」
キキョウは、酒場の男達に預かった金を渡して席を立ち、物陰から様子を伺っていたベルベット達のところへ戻ってきた。
「賭場に出入りしている男が有力な情報を持っている可能性が高いそうです。
さっきの話を聞いた限りでは、今日もその賭場にいる可能性が高いかと」
「「「早っ!!」」」
「すごい……!あんな怖そうな人達が色々喋っちゃった」
「……なぁキキョウ。
さっきあの男、別れ際にお前の手、握ってなかったか?」
「それぐらいまでなら仕方ないと割り切ってますので……やり過ぎると良くない要求をされたりするので、加減が難しいのですが今回は大丈夫でした。
ただ、次の相手は謝礼だけでは引いてくれなさそうで……」
「……なら良い方法があるわ。
ロクロウ、あんたにも働いてもらうわよ。アイゼンもね」
そう言ったベルベットの目つきは、鋭さを増していた。
「……ダメね。どいつもこいつも、あたしたちが近づいただけで目を逸らすか、逃げてくわ」
「俺の顔を知っている奴が多いな。海賊だとバレて警戒されている」
「私が話しかけても、『聖寮には関わりたくない』と店に入れてもらえませんでした……ライフィセットは子供なのでそれ以前の問題でしたし……」
「儂に至っては『つまらん大道芸はお断り』じゃとぉ! ?失敬な!」
「こりゃあ、手詰まりか?
少し荒っぽいが、路地裏で誰か捕まえて……」
「次は私が行ってみます」
控えめながらも、しっかりとした姿勢でキキョウが行くと手を上げたことに、程度の差はあれも、ベルベット達は驚いた顔をした。
確かに、大人しげな風貌のキキョウは警戒されにくいだろうが、それはこういった場所ではなめられやすい、ということでもある。
「あんた一人で?平気なの?」
「これでも隠密として育てられましたので、情報収集は基本中の基本です。
情報料として幾らか預けてもらっても?」
「必要経費か……無駄にしたらあんたに稼いで返してもらうからね」
「ええ、勿論。
あそこの路地裏、店の窓が隣接していますからそこで待っていてください」
本当に一人で大丈夫なのか、という懸念が拭えないながらも、ベルベット達は路地裏に面している窓から中の様子を伺った。
エレノアなど、すでに槍を持って、いざという時には突入する気満々でいる。
見慣れない、それも大人しそうな佇まいのキキョウは不躾で下心のこもった視線に晒されていたが、とある客達の所へ行き、心水を奢る代わりに聞きたいことがあると言って席につく。
下卑た野次やからかいを受けていたが、それでも優しげに微笑み、男達の話の聞き手に徹している内、心水が周り出したことも相まってあれよ、あれよ、と言う間に機嫌の良くなった男達は口を開き始めた。
「いや〜、嬢ちゃんも大変だなぁ。このご時世にいなくなった兄貴を探して旅してるなんぞ」
「はい。とても怖い人なんですけど、私にとっては大切な家族なので……」
「そいつを知ってそうなやつなら、この先の賭場によく出入りしてるぜ。連れてってやろうか?」
「ありがとうございます。
そこまでわかればあとは自分でなんとかできます?
これ、ほんのお礼です」
「おっと、奢ってもらった上に礼までくれるたぁ、すまねぇなぁ嬢ちゃん」
「気をつけろよー?あいつは悪い癖がいくつもあるからなぁ」
キキョウは、酒場の男達に預かった金を渡して席を立ち、物陰から様子を伺っていたベルベット達のところへ戻ってきた。
「賭場に出入りしている男が有力な情報を持っている可能性が高いそうです。
さっきの話を聞いた限りでは、今日もその賭場にいる可能性が高いかと」
「「「早っ!!」」」
「すごい……!あんな怖そうな人達が色々喋っちゃった」
「……なぁキキョウ。
さっきあの男、別れ際にお前の手、握ってなかったか?」
「それぐらいまでなら仕方ないと割り切ってますので……やり過ぎると良くない要求をされたりするので、加減が難しいのですが今回は大丈夫でした。
ただ、次の相手は謝礼だけでは引いてくれなさそうで……」
「……なら良い方法があるわ。
ロクロウ、あんたにも働いてもらうわよ。アイゼンもね」
そう言ったベルベットの目つきは、鋭さを増していた。