夫婦の棺
夢主の名前
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ロクロウとキキョウが稽古を終えて、縁側で休んでいたときのことだった。
「お、キキョウじゃん」
「またロクロウに付き合わされてんのかお前」
「義兄様方。ご無沙汰しております」
「ああ、いい。んな一々堅苦しくすんな」
その日は偶然、シグレ以外のロクロウの兄達がランゲツ家に揃っていた。
シグレのことを敵視しているロクロウだが、他の兄達と仲が良いかというと、そういうわけでもない。
けれど、キキョウがいる時は他の兄達も気を遣うのか、珍しく二人と遊んでやろうか?と、饅頭をよこしながら聞いてきた。
それが間違いだった。
「楽しそうなことしてんなぁお前ら」
キキョウとその言葉を発した一人を除いて、兄弟全員が同じように苦虫を噛み潰した顔をする。
あまつさえ
「俺が鬼やってやるから全力で逃げて隠れろよ。一番最初に見つかったマヌケはシゴいてやるからな(笑)」
と、言い出す始末。
それぞれシグレに悪態吐いて逃げてく。
「最後まで見つからなかったらあんみつ奢ってやるよ!」
そんなシグレの言葉を背に、ロクロウもキキョウの手を取って隠れる場所を探す。
一緒にいたら見つかりやすくなるか、と考えた時だった。
「こっち」
「あ、おい」
キキョウがロクロウの手を引いて、屋敷に上がってある部屋の押し入れを開けた。
「そんなとこすぐに見つかるぞ」
ロクロウがそう言うと、キキョウは押入れの床板をずらして見せた。
そこには子供二人なら十分に隠れられるスペースがあった。
「前に隠れ鬼をしたときに見つけたんです」
自分の家なのにこんなところがあったことに驚きつつも、キキョウと二人でそこに隠れたロクロウ。
押入れの戸を閉めたら、なんとか隣にいるキキョウの顔がわかる程度に暗くて、とても静かだった。
ここならシグレも簡単には見つけられないだろう。
あんみつだけじゃなくて、イモケンピやぜんざいも奢らせてやる、そんなことを二人、くすくす話しながら笑い合った。
森で迷って小屋でキキョウと一夜を明かした時のことをロクロウが思い出していると、遠くで兄達が呼んでいるのが微かに聞こえた。
どうやら最後まで見つからなかったのは自分達らしい、と察してロクロウは意気揚々と外に出ようとした。
けれど出来なかった。
キキョウがあの時のように、ぴったりと隙間なく体がくっつくように距離を詰めて、ロクロウの腕を抱えるようにして引き止めたから。
「もうちょっとだけここにいませんか」
「……もうちょっとだけな」
キキョウは抱えていたロクロウの腕を放して、手を繋いで、ロクロウの肩に頭を乗せる。
互いの顔をくっつくほど近付けなければ、わからない暗がりの中で、キキョウが嬉しそうに笑ったのだけはわかった。
「お、キキョウじゃん」
「またロクロウに付き合わされてんのかお前」
「義兄様方。ご無沙汰しております」
「ああ、いい。んな一々堅苦しくすんな」
その日は偶然、シグレ以外のロクロウの兄達がランゲツ家に揃っていた。
シグレのことを敵視しているロクロウだが、他の兄達と仲が良いかというと、そういうわけでもない。
けれど、キキョウがいる時は他の兄達も気を遣うのか、珍しく二人と遊んでやろうか?と、饅頭をよこしながら聞いてきた。
それが間違いだった。
「楽しそうなことしてんなぁお前ら」
キキョウとその言葉を発した一人を除いて、兄弟全員が同じように苦虫を噛み潰した顔をする。
あまつさえ
「俺が鬼やってやるから全力で逃げて隠れろよ。一番最初に見つかったマヌケはシゴいてやるからな(笑)」
と、言い出す始末。
それぞれシグレに悪態吐いて逃げてく。
「最後まで見つからなかったらあんみつ奢ってやるよ!」
そんなシグレの言葉を背に、ロクロウもキキョウの手を取って隠れる場所を探す。
一緒にいたら見つかりやすくなるか、と考えた時だった。
「こっち」
「あ、おい」
キキョウがロクロウの手を引いて、屋敷に上がってある部屋の押し入れを開けた。
「そんなとこすぐに見つかるぞ」
ロクロウがそう言うと、キキョウは押入れの床板をずらして見せた。
そこには子供二人なら十分に隠れられるスペースがあった。
「前に隠れ鬼をしたときに見つけたんです」
自分の家なのにこんなところがあったことに驚きつつも、キキョウと二人でそこに隠れたロクロウ。
押入れの戸を閉めたら、なんとか隣にいるキキョウの顔がわかる程度に暗くて、とても静かだった。
ここならシグレも簡単には見つけられないだろう。
あんみつだけじゃなくて、イモケンピやぜんざいも奢らせてやる、そんなことを二人、くすくす話しながら笑い合った。
森で迷って小屋でキキョウと一夜を明かした時のことをロクロウが思い出していると、遠くで兄達が呼んでいるのが微かに聞こえた。
どうやら最後まで見つからなかったのは自分達らしい、と察してロクロウは意気揚々と外に出ようとした。
けれど出来なかった。
キキョウがあの時のように、ぴったりと隙間なく体がくっつくように距離を詰めて、ロクロウの腕を抱えるようにして引き止めたから。
「もうちょっとだけここにいませんか」
「……もうちょっとだけな」
キキョウは抱えていたロクロウの腕を放して、手を繋いで、ロクロウの肩に頭を乗せる。
互いの顔をくっつくほど近付けなければ、わからない暗がりの中で、キキョウが嬉しそうに笑ったのだけはわかった。