花へ送るアリア
夢小説設定
この小説の夢小説設定小説内に出てくる少女と花の名前を変更することが出来ます。
勿論変更しなくても楽しめますがせっかくなら…と思い設置してみました。草原で歌いたい方は是非。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…あのね、私作りたい曲があるんだ」
次の日から少女は歌を作り始めた。少しずつ、少しずつ。まるで花に少女の想いを語りかけるように。
「…私ね、前を向くことが怖かったんだ。否定されることから逃げてた」
「好きなことを否定されたら…自分はどう生きていけばいいんだろうって。気付いたら感情も忘れて心も動かなくなった。」
「でも、貴女が全部思い出させてくれたの。好きと向き合う幸せも、心を動かす感情の輝きも、誰かを想っている時の喜びも…。」
「…なんて、届くかもわからないのに…。今はただ、この日々が続けばいいのにって思っちゃうな…。」
こうして少女は花の隣で曲を作り続けた。返ってくることはないと分かっていてもなぜか少女は話すことを止めなかった。想いを言葉に出来ることが久しぶりで、嬉しかったのかもしれない。だが今更理由を探す必要もないと少女は思った。少しずつではあるが自分の足枷となっていた義務や責任と向き合い、本当の自分を出せるようになった。前を向くことが怖くなくなっていった。「あの花のようになりたい」その一心だった。
そして、花と出会って半年が過ぎたころ、ついに少女は曲を完成させた。