菫の花と悠久の雫
第一幕
メイコ「皆お疲れ様~!」
ミク「お疲れ様です!」
リン「今日もお客さん満員だったね!ねぇレン!」
レン「あぁ、そうだな」
リン「え、反応薄くない?!嬉しくないの?!ねぇねぇ!」
レン「嬉しい、嬉しいとは思ってるよ。ただ次のことを考えてて…後リン、腕重い…。」
メグ「次って言っても、今日の千秋楽から1週間オフですよ?」
カイト「あぁ。以前の設備点検の結果も踏まえて、本格的に改修工事をするからね。この劇場をなるべく後世まで残していきたいし…」
メイコ「そうね。形あるものはいつか失われゆく、なんて当たり前のことに抗うことも大事だもの…。それに!私達はその間、ゆっくり休むことが出来るんだから、ね!」
ルカ「そうよぉ~!女優たるもの、時には休んで新たな力を身につけることだって大事よぉ!」
リン「…あれ?でも確かルカ姉、この1週間に今度出る雑誌の撮影が入ったって言ってなかったっけ?」
ルカ「…」
メグ「あ、あれ?ルカさ~ん?」
ルカ「…舞台だけじゃなく幅広いフィールドで活躍できてこそ一流の女優よねぇ~。」
リン「あれれぇ?ルカ姉、目が泳いでるよ~?」
ルカ「分かってるなら指摘しないでよぉぉぉ!!」
リン「きゃ~!ルカ姉がおこったぁ~!」
メイコ「ちょっと!ほどほどにしておきなさいよ~!」
レン「…旅から帰ってきても慣れないな…」
ミク「あ、はは…」
メグ「…あ!そうだ!さっきプレゼントボックスの中にミクさん宛のものがあったんです!」
ミク「え?私の…ですか?」
メグ「そうなんです!忘れ物を取りに行ったときに見つけて…てっきりイアちゃんが中身を全部配ったと思ったんですけど…」
リン「ねぇねぇミク、中身何?開けて開けて~!」
ミク「そうですね!すごく重いし一体何が入ってるんでしょう?」
ミク「これは…メッセージカードと…ワイン?」
メグ「vin bourquet のnuit folle って書いてありますね!」
メイコ「あら!もしかしてそれって!」
ミク「何か知ってるんですか?」
カイト「vin bourquet …最近有名になってきたワインのブランドだよ。普通のワインと比べて飲みやすく、香りが特徴的なものが多いんだよ。メッセージカードにも、何か書いていないかい?」
ミク「えっと…「Crazy∞nighT10周年おめでとうございます。あの奇跡の日から早10年…。シンデレラガールと呼ばれた貴女が、今や素晴らしい女優となったお祝いにふさわしいワインをお送りいたします。今宵もまた、拍手を承りて…」差出人は…書いてないですね」
リン「でもその封蝋、いつもワイン送ってくれるシルクハット男爵と同じだね!」
ミク「確かに…!ということはこの方も最近知ったから送ってくれたんでしょうか…?」
メイコ「私もお気に入りのバーのマスターが薦めてくれた時に初めて知ったの。別の銘柄ではあったけど、今まで飲んだワインの中で一番美味しかったわ」
レン「へぇ…俺マナーとか細かくてワインはあまり飲まないけどそんなに旨いんだ」
カイト「メイコは気に入って結構飲んでたよ。人生変わった~って…」
メイコ「なっ!カイトだってすごく飲んで酔っぱらってたじゃない!!」
カイト「じょ、冗談だよメイちゃん…」
ミク「でも、そこまで有名ならウエストエンドにもお店があったりするんですか?」
メイコ「それがね…お店の場所は誰も分からないのよ」
メグ「え?」
カイト「バーのマスター、卸売りの行商人、ワインソムリエ…誰に聞いてもお店の場所やマスターの素性は分からないんだ」
ルカ「そんなことってあるのぉ?行商人だって卸す時に顔くらい見るでしょぉ?」
メイコ「行商人も顔は知らないし、基本的な取引も手紙でやるみたいで男か女かもわからないって噂よ。住所が書いてあった所に行っても何もないって」
リン「そんなミステリーなことあるんだね…」
ミク「…でも嬉しいです。こうやって私のことを応援してくださる方がいて…その想いが幸せです」
レン「そうだな…俺達も、もっと頑張らないとな」
リン「うん!!でもそのためには休むことだって大事だよね!」
ミク「…あ、そうだ。今日の夜から帰省するので、良かったらその時にお店の場所とか聞いてきましょうか?」
メイコ「え!いいの?!」
ミク「故郷のザクリー村はウエストエンドからも大分離れてるし、新しい情報が入るかもしれないので…!」
メイコ「ミク~!ありがとう!」
カイト「ありがとう、ミク。でもせっかくの帰省なんだし、ほどほどにね」
ミク「はい!…vin bourquet のマスター…どんな人なんだろう…」
メイコ「皆お疲れ様~!」
ミク「お疲れ様です!」
リン「今日もお客さん満員だったね!ねぇレン!」
レン「あぁ、そうだな」
リン「え、反応薄くない?!嬉しくないの?!ねぇねぇ!」
レン「嬉しい、嬉しいとは思ってるよ。ただ次のことを考えてて…後リン、腕重い…。」
メグ「次って言っても、今日の千秋楽から1週間オフですよ?」
カイト「あぁ。以前の設備点検の結果も踏まえて、本格的に改修工事をするからね。この劇場をなるべく後世まで残していきたいし…」
メイコ「そうね。形あるものはいつか失われゆく、なんて当たり前のことに抗うことも大事だもの…。それに!私達はその間、ゆっくり休むことが出来るんだから、ね!」
ルカ「そうよぉ~!女優たるもの、時には休んで新たな力を身につけることだって大事よぉ!」
リン「…あれ?でも確かルカ姉、この1週間に今度出る雑誌の撮影が入ったって言ってなかったっけ?」
ルカ「…」
メグ「あ、あれ?ルカさ~ん?」
ルカ「…舞台だけじゃなく幅広いフィールドで活躍できてこそ一流の女優よねぇ~。」
リン「あれれぇ?ルカ姉、目が泳いでるよ~?」
ルカ「分かってるなら指摘しないでよぉぉぉ!!」
リン「きゃ~!ルカ姉がおこったぁ~!」
メイコ「ちょっと!ほどほどにしておきなさいよ~!」
レン「…旅から帰ってきても慣れないな…」
ミク「あ、はは…」
メグ「…あ!そうだ!さっきプレゼントボックスの中にミクさん宛のものがあったんです!」
ミク「え?私の…ですか?」
メグ「そうなんです!忘れ物を取りに行ったときに見つけて…てっきりイアちゃんが中身を全部配ったと思ったんですけど…」
リン「ねぇねぇミク、中身何?開けて開けて~!」
ミク「そうですね!すごく重いし一体何が入ってるんでしょう?」
ミク「これは…メッセージカードと…ワイン?」
メグ「
メイコ「あら!もしかしてそれって!」
ミク「何か知ってるんですか?」
カイト「
ミク「えっと…「Crazy∞nighT10周年おめでとうございます。あの奇跡の日から早10年…。シンデレラガールと呼ばれた貴女が、今や素晴らしい女優となったお祝いにふさわしいワインをお送りいたします。今宵もまた、拍手を承りて…」差出人は…書いてないですね」
リン「でもその封蝋、いつもワイン送ってくれるシルクハット男爵と同じだね!」
ミク「確かに…!ということはこの方も最近知ったから送ってくれたんでしょうか…?」
メイコ「私もお気に入りのバーのマスターが薦めてくれた時に初めて知ったの。別の銘柄ではあったけど、今まで飲んだワインの中で一番美味しかったわ」
レン「へぇ…俺マナーとか細かくてワインはあまり飲まないけどそんなに旨いんだ」
カイト「メイコは気に入って結構飲んでたよ。人生変わった~って…」
メイコ「なっ!カイトだってすごく飲んで酔っぱらってたじゃない!!」
カイト「じょ、冗談だよメイちゃん…」
ミク「でも、そこまで有名ならウエストエンドにもお店があったりするんですか?」
メイコ「それがね…お店の場所は誰も分からないのよ」
メグ「え?」
カイト「バーのマスター、卸売りの行商人、ワインソムリエ…誰に聞いてもお店の場所やマスターの素性は分からないんだ」
ルカ「そんなことってあるのぉ?行商人だって卸す時に顔くらい見るでしょぉ?」
メイコ「行商人も顔は知らないし、基本的な取引も手紙でやるみたいで男か女かもわからないって噂よ。住所が書いてあった所に行っても何もないって」
リン「そんなミステリーなことあるんだね…」
ミク「…でも嬉しいです。こうやって私のことを応援してくださる方がいて…その想いが幸せです」
レン「そうだな…俺達も、もっと頑張らないとな」
リン「うん!!でもそのためには休むことだって大事だよね!」
ミク「…あ、そうだ。今日の夜から帰省するので、良かったらその時にお店の場所とか聞いてきましょうか?」
メイコ「え!いいの?!」
ミク「故郷のザクリー村はウエストエンドからも大分離れてるし、新しい情報が入るかもしれないので…!」
メイコ「ミク~!ありがとう!」
カイト「ありがとう、ミク。でもせっかくの帰省なんだし、ほどほどにね」
ミク「はい!…