MIRROR
ひまり母「ねぇひまり…学校行くって本当?」
ひまり「うん。熱だって下がったし、頭痛も倦怠感もない。健康そのものなのに休む理由なんてないから」
ひまり母「でも、お医者さんも言っていたのよ?熱が下がっても疲れがたまってるから数日は休んだ方がいいって…」
ひまり「気にし過ぎだよお母さん。何も疲れてなんていないしやることもたくさんあってわくわくしてるのよ?学校を休む方が辛いの」
ひまり母「でも…」
ひまり「…じゃあ、学校ではしばらく無理せずにやる。なるべく他の人に仕事を任せて、勉強も少しずつする。それなら大丈夫?」
ひまり母「…分かったわ。ひまりがそこまで言うなら…でも無茶はしちゃだめよ?」
ひまり「うん。ありがとう」
ひまり母「お弁当、作ってあるから出かける前に取りにおいで」
ひまり「わかった。」
ひまり「…そこにいるんでしょう?」
サイラス「気づいていたんだ」
ひまり「当然。だって今、私は貴方が言う本当の私と向き合っているから」
サイラス「ねぇひまり…本気で言ってるの?学校行くって…」
ひまり「本気よ」
サイラス「昨日、あれほど辛い顔をしていたじゃないか。まだ休むべきだ。顔色だって目つきだって、僕の知っているひまりじゃない」
ひまり「そんなことない。これが私よ。もう平気」
サイラス「嘘だ。強がる時のひまりは顔が少し硬くなる。疲れている時は血行が悪くなって肌が白くなる…君でも分かるSOSを無視するつもり?」
ひまり「そんなことしてない」
サイラス「昨日の君は気付いていたじゃないか?本当の自分のこと、ずっと己を潰して苦しんでいた事。何がしたいか、どうありたいかが分かっているはずなのに、それでもまだ自分を傷つけ続ける気?」
ひまり「…うるさい…私は私なの…あの頃とは違う」
サイラス「確かに君は君だ。僕が僕であるように。でもありのままの君を今のひまりが作った世界なら受け入れてくれる!これ以上苦しめ続けたら、もう戻れないんだ!」
ひまり「戻れないって…どこへ?」
サイラス「だから…」
ひまり「ありのままの自分でいた頃?まだ私が希望を持っていた頃?…サイラス、貴方は勘違いをしてる。私に…戻りたい過去なんてないの。戻ったところでそこにあるのは、消し去りたい記憶だけ。戻る意味が私にはない。だから進むの」
サイラス「…そうやって君は、逃げ続けるんだ。己の夢から、欲望から…」
ひまり「…違う」
サイラス「いいや違わない!君は進んでなんかいない!自分に嘘をついて、本当の自分から逃げ続けているだけだ!ありのままでいることが悪いと呪いをかけて!!」
ひまり「違う…違う…!」
サイラス「お願いだ!気付いてひまり!君が目指しているのはひまりの理想じゃない!個性と希望を捨てるという、僕と君にとっての、最悪の地獄だ!!」
ひまり「違う!!!」
ひまり「貴方は何も知らない!!私が!どんな世界で!どんな風に生きていきたいか!!私は…もう誰にも否定されたくなんかない!一人になりたくない…普通でいたい!!当たり前の安心が得られるなら、それがどれだけ辛くても、進む未来が地獄でも構わない!!例え…自分を殺したって!!」
ひまり母(声のみ)「ひまり?どうしたの?大きな音がしたけど、大丈夫?」
ひまり「え?ごめん。ちょっと物を落としちゃっただけなの。驚かせてごめんなさい」
ひまり母(声のみ)「そう?ならいいけど…」
ひまり「…ふふっ、不思議ね。こんなに大きな鏡を粉々にして、血だらけなのに…痛くもかゆくもないわ。やっと…やっと、本当の自分を捨てられたからかな?ははは…これで世界の有栖川ひまりは一人になったわ…」
ひまり「自分を殺させてくれてありがとう…さようなら!ふふっ…あははははははははははは!!!!!」
ひまり「うん。熱だって下がったし、頭痛も倦怠感もない。健康そのものなのに休む理由なんてないから」
ひまり母「でも、お医者さんも言っていたのよ?熱が下がっても疲れがたまってるから数日は休んだ方がいいって…」
ひまり「気にし過ぎだよお母さん。何も疲れてなんていないしやることもたくさんあってわくわくしてるのよ?学校を休む方が辛いの」
ひまり母「でも…」
ひまり「…じゃあ、学校ではしばらく無理せずにやる。なるべく他の人に仕事を任せて、勉強も少しずつする。それなら大丈夫?」
ひまり母「…分かったわ。ひまりがそこまで言うなら…でも無茶はしちゃだめよ?」
ひまり「うん。ありがとう」
ひまり母「お弁当、作ってあるから出かける前に取りにおいで」
ひまり「わかった。」
ひまり「…そこにいるんでしょう?」
サイラス「気づいていたんだ」
ひまり「当然。だって今、私は貴方が言う本当の私と向き合っているから」
サイラス「ねぇひまり…本気で言ってるの?学校行くって…」
ひまり「本気よ」
サイラス「昨日、あれほど辛い顔をしていたじゃないか。まだ休むべきだ。顔色だって目つきだって、僕の知っているひまりじゃない」
ひまり「そんなことない。これが私よ。もう平気」
サイラス「嘘だ。強がる時のひまりは顔が少し硬くなる。疲れている時は血行が悪くなって肌が白くなる…君でも分かるSOSを無視するつもり?」
ひまり「そんなことしてない」
サイラス「昨日の君は気付いていたじゃないか?本当の自分のこと、ずっと己を潰して苦しんでいた事。何がしたいか、どうありたいかが分かっているはずなのに、それでもまだ自分を傷つけ続ける気?」
ひまり「…うるさい…私は私なの…あの頃とは違う」
サイラス「確かに君は君だ。僕が僕であるように。でもありのままの君を今のひまりが作った世界なら受け入れてくれる!これ以上苦しめ続けたら、もう戻れないんだ!」
ひまり「戻れないって…どこへ?」
サイラス「だから…」
ひまり「ありのままの自分でいた頃?まだ私が希望を持っていた頃?…サイラス、貴方は勘違いをしてる。私に…戻りたい過去なんてないの。戻ったところでそこにあるのは、消し去りたい記憶だけ。戻る意味が私にはない。だから進むの」
サイラス「…そうやって君は、逃げ続けるんだ。己の夢から、欲望から…」
ひまり「…違う」
サイラス「いいや違わない!君は進んでなんかいない!自分に嘘をついて、本当の自分から逃げ続けているだけだ!ありのままでいることが悪いと呪いをかけて!!」
ひまり「違う…違う…!」
サイラス「お願いだ!気付いてひまり!君が目指しているのはひまりの理想じゃない!個性と希望を捨てるという、僕と君にとっての、最悪の地獄だ!!」
ひまり「違う!!!」
ひまり「貴方は何も知らない!!私が!どんな世界で!どんな風に生きていきたいか!!私は…もう誰にも否定されたくなんかない!一人になりたくない…普通でいたい!!当たり前の安心が得られるなら、それがどれだけ辛くても、進む未来が地獄でも構わない!!例え…自分を殺したって!!」
ひまり母(声のみ)「ひまり?どうしたの?大きな音がしたけど、大丈夫?」
ひまり「え?ごめん。ちょっと物を落としちゃっただけなの。驚かせてごめんなさい」
ひまり母(声のみ)「そう?ならいいけど…」
ひまり「…ふふっ、不思議ね。こんなに大きな鏡を粉々にして、血だらけなのに…痛くもかゆくもないわ。やっと…やっと、本当の自分を捨てられたからかな?ははは…これで世界の有栖川ひまりは一人になったわ…」
ひまり「自分を殺させてくれてありがとう…さようなら!ふふっ…あははははははははははは!!!!!」