先行く貴女を、見つめる僕は
アナウンス(声のみ)「本日は、音葉星来引退公演、舞台【先行く貴女を、見つめる僕は】にご来場いただき、ありがとうございます。開演に先立ちまして皆様にお願い申し上げます。携帯電話の電源は…」
春羽「優菜…これが、最後なんだね…」
優菜(声のみ)「春羽へ。まずは、嘘をついてごめん。元々、決めてたの。若葉が奏でる旋律を上演すること。その千秋楽を春羽が観に来てくれたら、その日を最後に、ちゃんとさよならを言おうって。もし春羽に会ったら…その眩しさに、自分の決意が揺らいじゃうと思ったから。言おうと思っていたことも全部、消えちゃうと思ったから…。
私ね。春羽。ずっと春羽のことが好きだったの。友達として、じゃなくて。純粋に。春羽を愛していたの。春羽の特別な人に、愛する人になろうとしてた。何年も、何年も前から。ずっと…春羽の親友じゃなくて、特別な人になりたかった。嘘、ついててごめんね。何年もだましてた。春羽の気持ちに、素直にうんって言えなかった。春羽が大切な人と幸せになろうとしていることを、喜べなかったの…最低だね、私。
そんな私を、運命は許してくれなかった。どんどん記憶が無くなっていく。消えちゃうんだ。春羽との大切な記憶も、春羽が言ってくれた言葉も…世界で一番愛している、春羽のことも。全部。怖くてたまらなかった。私のことを、ずっと【一番の親友】って言ってくれた春羽のことを苦しめてしまう日が、いつか来るかもしれないって思った…。だから今日、まだ春羽のことも、幸せな記憶も覚えているうちに、春羽とさよならしようって決めたんだ。春羽に嘘をつき続けた罪も、春羽への愛も。全部、背負って…。弱虫な私は、直接会うことは出来なかったけど。
ねえ、春羽。私今でも春羽に願うことは1つだよ。…どうか、幸せでいてね。ありのままの春羽が、私は一番好きで。春羽に…心から幸せになってほしいの。ずっと、ずっと。いつか私が、春羽のことを忘れてしまったとしても、その願いは変わらないから。
春羽。私に幸せをくれてありがとう。人を愛することを教えてくれてありがとう。これから暗闇へ飲み込まれていく私に、灯りをくれてありがとう。きっといつか忘れてしまっても…春羽との記憶が、私の光。心を照らす灯火みたいに暖かい光になってくれるから、いつかその時が来たとしても、私は星を目指して歩くことが出来る。
本当に、今までありがとう、春羽。愛してる。笹岡優菜」
春羽「優菜…私も気付けたよ…遅かったけど、優菜を愛してる…。私の、私を照らしてくれる、一番星…私の心の中で輝いてるの…」
舞監助手(声のみ)「星来さん!開演10分前です。スタンバイお願いします!」
優菜「はい。よろしくお願いします。今日のスタンバイは…上手前?で合ってますか?」
舞監助手(声のみ)「合ってますよ!プロンプターは1階席の奥にいるので安心してください!…あれ、その写真は?」
優菜「あぁ…これ。家から持ってきたんです」
舞監助手(声のみ)「素敵ですね~!星来さんの卒業の時の写真ですか?一緒に写っているのは…?」
優菜「彼女は…私の大切な人なんです。もう…名前も、好きなものも分からないけど…親友じゃ、なくて…とても、もっと特別な感情を持っていた人…だと思うんです」
舞監助手(声のみ)「…素敵なお守りですね。今日もきっと、その人も、私達も見守ってるので、大丈夫ですよ!」
優菜「いつもありがとうございます。じゃあ…行ってきますね」
優菜「これが…最後の舞台。もう覚えていない昔の私の記憶を辿る旅…大切な、きっと大切だった物語。大丈夫。すみれさんも、皆も見守ってくれている。…確認しよう。最初の台詞は、」
優菜・春羽「それはまるで、小さな灯火」
春羽「優菜…これが、最後なんだね…」
優菜(声のみ)「春羽へ。まずは、嘘をついてごめん。元々、決めてたの。若葉が奏でる旋律を上演すること。その千秋楽を春羽が観に来てくれたら、その日を最後に、ちゃんとさよならを言おうって。もし春羽に会ったら…その眩しさに、自分の決意が揺らいじゃうと思ったから。言おうと思っていたことも全部、消えちゃうと思ったから…。
私ね。春羽。ずっと春羽のことが好きだったの。友達として、じゃなくて。純粋に。春羽を愛していたの。春羽の特別な人に、愛する人になろうとしてた。何年も、何年も前から。ずっと…春羽の親友じゃなくて、特別な人になりたかった。嘘、ついててごめんね。何年もだましてた。春羽の気持ちに、素直にうんって言えなかった。春羽が大切な人と幸せになろうとしていることを、喜べなかったの…最低だね、私。
そんな私を、運命は許してくれなかった。どんどん記憶が無くなっていく。消えちゃうんだ。春羽との大切な記憶も、春羽が言ってくれた言葉も…世界で一番愛している、春羽のことも。全部。怖くてたまらなかった。私のことを、ずっと【一番の親友】って言ってくれた春羽のことを苦しめてしまう日が、いつか来るかもしれないって思った…。だから今日、まだ春羽のことも、幸せな記憶も覚えているうちに、春羽とさよならしようって決めたんだ。春羽に嘘をつき続けた罪も、春羽への愛も。全部、背負って…。弱虫な私は、直接会うことは出来なかったけど。
ねえ、春羽。私今でも春羽に願うことは1つだよ。…どうか、幸せでいてね。ありのままの春羽が、私は一番好きで。春羽に…心から幸せになってほしいの。ずっと、ずっと。いつか私が、春羽のことを忘れてしまったとしても、その願いは変わらないから。
春羽。私に幸せをくれてありがとう。人を愛することを教えてくれてありがとう。これから暗闇へ飲み込まれていく私に、灯りをくれてありがとう。きっといつか忘れてしまっても…春羽との記憶が、私の光。心を照らす灯火みたいに暖かい光になってくれるから、いつかその時が来たとしても、私は星を目指して歩くことが出来る。
本当に、今までありがとう、春羽。愛してる。笹岡優菜」
春羽「優菜…私も気付けたよ…遅かったけど、優菜を愛してる…。私の、私を照らしてくれる、一番星…私の心の中で輝いてるの…」
舞監助手(声のみ)「星来さん!開演10分前です。スタンバイお願いします!」
優菜「はい。よろしくお願いします。今日のスタンバイは…上手前?で合ってますか?」
舞監助手(声のみ)「合ってますよ!プロンプターは1階席の奥にいるので安心してください!…あれ、その写真は?」
優菜「あぁ…これ。家から持ってきたんです」
舞監助手(声のみ)「素敵ですね~!星来さんの卒業の時の写真ですか?一緒に写っているのは…?」
優菜「彼女は…私の大切な人なんです。もう…名前も、好きなものも分からないけど…親友じゃ、なくて…とても、もっと特別な感情を持っていた人…だと思うんです」
舞監助手(声のみ)「…素敵なお守りですね。今日もきっと、その人も、私達も見守ってるので、大丈夫ですよ!」
優菜「いつもありがとうございます。じゃあ…行ってきますね」
優菜「これが…最後の舞台。もう覚えていない昔の私の記憶を辿る旅…大切な、きっと大切だった物語。大丈夫。すみれさんも、皆も見守ってくれている。…確認しよう。最初の台詞は、」
優菜・春羽「それはまるで、小さな灯火」
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