ロスタージュ~無神論者のアルケミーと透明花~
がくぽ(声のみ) 「研究日誌370日目。今日も私の研究は滞りなく進んだ。不可能とされる不老不死…「永遠」を手に入れるためにこの塔に入って、もう長い時が経った。けれど、まだ、まだ、足りないのだ。「永遠」に辿り着く、そして美しい彼女を…「花」を取り戻すための、歯車が…。」
がくぽ「どうぞ」
研究員「お疲れ様です。本日分になります」
がくぽ「あぁ、ありがとう…。そこに置いておいてくれ」
研究員「分かりました」
研究員「…そういえば、今日はがくぽさんのお誕生日ですよね。おめでとうございます」
がくぽ「…は?誕生日?…あぁ、そういえばもう月末か。」
研究員「えぇ。7月31日ですよ。忘れていたんですか?」
がくぽ「あぁそうだな。興味がなくて…。祝ってくれるのはありがたいが」
研究員「そう言わず…。たまには休んで外に出たらどうですか?夏に入り、この頃はとてもいい天気ですよ。屋台のワゴンも出て賑やかになって…。国民だって、天才科学者の貴方に会いたいでしょうし…。」
がくぽ「私はこの塔から出る気はない。今は研究に集中したい。余計な気は使わなくても構わない」
研究員「…。」
がくぽ「悪いがそれを置いたら戻ってくれるか。」
研究員「…分かりました。失礼します…。」
研究員「人殺しのくせに」
がくぽ「…おい待て、貴様。今何と言った?」
研究員「えっ、あっ、いや気のせいで僕は…ひっっ!!」
がくぽ「気のせいか?じゃあお前の蔑んだその目は何だ?その嘘だらけの言葉は何だ?「人殺し」と言うその醜い心は何だ?!」
研究員「あ…も、申し訳ありません…!お慈悲を…!」
がくぽ「…慈悲…?いいか。私は貴様らの醜い欲のために動いているわけではない。私には私の野望がある。それを貴様らが上手く利用して、手柄も利益も奪おうとしているだけだ。貴様らの方がよっぽど醜い、醜い、あまりにも汚らわしい…それこそ、人殺し以上にな!不老不死が!永遠が!どれほど美しいものかも分からず、目先の欲に捕らわれ、とどめに…人殺しか…!!なら…お前にはそれを亭受する資格も、慈悲を受ける人格も…いや」
がくぽ「もう贄になる資格すら、ない」
研究員「ぎゃぁぁぁぁぁぁああああああああああああ」
がくぽ(声のみ)「あぁ…ひどい、ひどい。どれもこれも。こんな歯車では使い物にならないじゃないか。あいつだけじゃなくて贄までこんな…。人間というものは、本当に醜くて、醜くて仕方がない」
がくぽ「…また、私の楽園が汚れた血で犯された…掃除もしなくてはいけないな…。」
がくぽ「…私だって何も知らないわけではない。戯言だ、あんなものは。ただ己が利を得る為だけに被る偽りだ。その下で皆は口にするんだ。私の研究は「神に対する裏切りと冒涜行為」だと…。だが私は思うんだ。存在しない「神」を創り上げて何が楽しい?虚空のそれにすがり祈り続け…私にはよっぽど彼らの方が狂っている…。禁忌を犯す犯罪者?命を弄ぶマッドサイエンティスト?無神論者?…好きなだけ笑うがいいさ。私はたった1人、君のために生き続けよう。君のためにメスを振るおう。だからもう少し、もう少しだけ…そこで待っていてくれ」
がくぽ「…愛しい、花」
花「…また…落ちてきた…あの人は、どうしてこんなに人を嫌ってるんだろう。毎日熱心に何かをしようとしてる。私の知らない、時が流れている世界で。」
花「私は…どうしてこの塔の下にいるのかもわからなくて、色もないから、誰にも見つけてもらえない。自分のことだって…知らない。だけれど…」
花「貴方のことだけは…知りたい…」
がくぽ「どうぞ」
研究員「お疲れ様です。本日分になります」
がくぽ「あぁ、ありがとう…。そこに置いておいてくれ」
研究員「分かりました」
研究員「…そういえば、今日はがくぽさんのお誕生日ですよね。おめでとうございます」
がくぽ「…は?誕生日?…あぁ、そういえばもう月末か。」
研究員「えぇ。7月31日ですよ。忘れていたんですか?」
がくぽ「あぁそうだな。興味がなくて…。祝ってくれるのはありがたいが」
研究員「そう言わず…。たまには休んで外に出たらどうですか?夏に入り、この頃はとてもいい天気ですよ。屋台のワゴンも出て賑やかになって…。国民だって、天才科学者の貴方に会いたいでしょうし…。」
がくぽ「私はこの塔から出る気はない。今は研究に集中したい。余計な気は使わなくても構わない」
研究員「…。」
がくぽ「悪いがそれを置いたら戻ってくれるか。」
研究員「…分かりました。失礼します…。」
研究員「人殺しのくせに」
がくぽ「…おい待て、貴様。今何と言った?」
研究員「えっ、あっ、いや気のせいで僕は…ひっっ!!」
がくぽ「気のせいか?じゃあお前の蔑んだその目は何だ?その嘘だらけの言葉は何だ?「人殺し」と言うその醜い心は何だ?!」
研究員「あ…も、申し訳ありません…!お慈悲を…!」
がくぽ「…慈悲…?いいか。私は貴様らの醜い欲のために動いているわけではない。私には私の野望がある。それを貴様らが上手く利用して、手柄も利益も奪おうとしているだけだ。貴様らの方がよっぽど醜い、醜い、あまりにも汚らわしい…それこそ、人殺し以上にな!不老不死が!永遠が!どれほど美しいものかも分からず、目先の欲に捕らわれ、とどめに…人殺しか…!!なら…お前にはそれを亭受する資格も、慈悲を受ける人格も…いや」
がくぽ「もう贄になる資格すら、ない」
研究員「ぎゃぁぁぁぁぁぁああああああああああああ」
がくぽ(声のみ)「あぁ…ひどい、ひどい。どれもこれも。こんな歯車では使い物にならないじゃないか。あいつだけじゃなくて贄までこんな…。人間というものは、本当に醜くて、醜くて仕方がない」
がくぽ「…また、私の楽園が汚れた血で犯された…掃除もしなくてはいけないな…。」
がくぽ「…私だって何も知らないわけではない。戯言だ、あんなものは。ただ己が利を得る為だけに被る偽りだ。その下で皆は口にするんだ。私の研究は「神に対する裏切りと冒涜行為」だと…。だが私は思うんだ。存在しない「神」を創り上げて何が楽しい?虚空のそれにすがり祈り続け…私にはよっぽど彼らの方が狂っている…。禁忌を犯す犯罪者?命を弄ぶマッドサイエンティスト?無神論者?…好きなだけ笑うがいいさ。私はたった1人、君のために生き続けよう。君のためにメスを振るおう。だからもう少し、もう少しだけ…そこで待っていてくれ」
がくぽ「…愛しい、花」
花「…また…落ちてきた…あの人は、どうしてこんなに人を嫌ってるんだろう。毎日熱心に何かをしようとしてる。私の知らない、時が流れている世界で。」
花「私は…どうしてこの塔の下にいるのかもわからなくて、色もないから、誰にも見つけてもらえない。自分のことだって…知らない。だけれど…」
花「貴方のことだけは…知りたい…」