ひとやまアンソロ企画 Wer ist der wahre Teuful
「全く…。随分てこずらせやがって。」
そう惡魔は呟きながら鎌の血を僅かばかり舐める。足元にはつい先ほどまでヒトだったもの が転がっている。身体は無残にも引き裂かれ生命を維持するために欠かせないありとあらゆるものが腹から抉り出されていた。もう、この世の誰も、彼を…愚かな騎士を救うことは出来ないだろう。
それにしても、と惡魔は思った。人という生き物はもろく、儚いものだ。たった一人の人間の死で恐れをなし、疑心暗鬼に取り憑かれ、最後には自滅していくというのに。それでも私に歯向かってくるとはいい度胸だ。「僕は愛する人を、死んでも守る」だなんて…。愛だの、信頼だの、惡魔にとっては馬鹿げているとしか思えなかった。人はいつか死ぬ。必ず救済される。それに抗おうとするなんて愚かでしかない。
「この身体も随分動かしづらい…。」
そう言って惡魔は自分の手を月に掲げる。身長も低く、身体能力だってそこまで高くはない。が、それで人間に負けるほどやわじゃない。それに救済劇は、もうすぐ終演を迎えるだろう。そのためなら何だって出来る。最後の救済(仕上げ)は自分のものだ。その強い気持ちと共に惡魔は足元の死体を踏みつけた。
「救われない 世界で、【惡魔 】とともに踊ろうよ…。」
そう惡魔は呟きながら鎌の血を僅かばかり舐める。足元にはつい先ほどまで
それにしても、と惡魔は思った。人という生き物はもろく、儚いものだ。たった一人の人間の死で恐れをなし、疑心暗鬼に取り憑かれ、最後には自滅していくというのに。それでも私に歯向かってくるとはいい度胸だ。「僕は愛する人を、死んでも守る」だなんて…。愛だの、信頼だの、惡魔にとっては馬鹿げているとしか思えなかった。人はいつか死ぬ。必ず救済される。それに抗おうとするなんて愚かでしかない。
「この身体も随分動かしづらい…。」
そう言って惡魔は自分の手を月に掲げる。身長も低く、身体能力だってそこまで高くはない。が、それで人間に負けるほどやわじゃない。それに救済劇は、もうすぐ終演を迎えるだろう。そのためなら何だって出来る。最後の救済(仕上げ)は自分のものだ。その強い気持ちと共に惡魔は足元の死体を踏みつけた。
「