手を取って mi princesa
ラナ「クラベル。お疲れ様。仕事終わりそう?」
クラベル「お疲れ様ラナ。これで終わるよ。ラナは?」
ラナ「私は終わり!今日は王女様の会食もあって仕事がちょっとだけ少なかったから」
クラベル「そっか」
セオ「お?お疲れ!仕事終わり?」
クラベル「うん」
ラナ「いつもと担当が変わったから少しだけ早く終わったねって話していたの」
セオ「あぁ確かに。今日は王女様とガスパール王子様の会食があったらな」
クラベル「もう帰ったの?」
セオ「あぁ。さっきお帰りになられて俺も仕事終わりってわけ」
クラベル「…マリア様…大丈夫だった…?」
セオ「…いや、警備にあたっていたといっても顔を見れたわけじゃないから…」
クラベル「そう…」
ラナ「心配だね…王女様のこと…この後のこともあるからなおさら…」
セオ「…あ、それで思い出した」
セオ「例のアレ、確認してきたぜ。経路はふさがれていないし、使用されたような形跡もない。あそこなら無事に逃げられそうだ」
ラナ「わかった…ありがとう…。これで、準備も大幅に進むね」
クラベル「あの計画が始まって二年…もうすぐ、動き出すのね…」
ラナ「全ては、民を苦しめる国王を倒し、この地にふさわしい王女様を即位させるため…革命を成功させるために、油断せずに準備しよう」
セオ「ああ」
クラベル「うん…」
ラナ「ひとまずこれで不明点は洗いざらいに出来たし、セオは継続して…」
アローガンス(声のみ)「いい加減にしろ!!!」
ラナ「今の声って…国王様よね?食堂の方から…」
アローガンス(声のみ)「これほどまでに利益があることを何故捨てようとする?!これはお前の為でも国の為でもあるんだぞ?!死んだあいつみたいに馬鹿なことを言うな!!これは、俺の決定事項だ!!!」
クラベル「マリア様?!いかがなされ…マリア様!!」
ラナ「王女様?!」
セオ「一体何があったんだ…?」
クラベル「私、ちょっと見てくる!」
クラベル「マリア様。私です…入ってもよろしいですか?」
マリア「…」
クラベル「…失礼いたします」
クラベル「マリア様?!どうなされたのですか?!どこかお怪我を…?!」
マリア「いいえ、違う…違うのよ…!でも…!あぁ、怪我ならどれほどよかったか…!!」
クラベル「マリア様…一体何があったのですか?」
マリア「…最悪な事が起きたわ…」
アローガンス(声のみ)「ガスパール君、今年で君は19になったんだったな」
ガスパール「はい。もう成人になりますのでこれから更に色々なことを母国で、ビリア王国で学んでいきたいと考えております」
アローガンス(声のみ)「そう言ってくれて嬉しいよ。うちのマリアももうすぐ18…成人になる。そこでガスパール君、マリア。二人の結婚の話を進めたい」
マリア「…え?!」
ガスパール「本当ですか?!ありがたき幸せです!」
アローガンス(声のみ)「そうだろう。幼い頃から共に過ごしてきたし、今後の両国の発展にも貢献されるだろう。それに…マリアは女だ。残念ながら私の後を継げない。ガスパール君、君にはこちらに来てもらって両国の架け橋になってほしい。」
ガスパール「まことに嬉しいです。私は次男ですから、父も認めてくれることでしょう…マリア、どうしたの?」
マリア「え?いいえ、何でもないわ…」
ガスパール「さっきからうつむいていたから…まさか、嫌なのかい?この僕との結婚が」
マリア「いっ、いえ!そうではないわ!あまりにも急だったからびっくりしただけよ…」
アローガンス(声のみ)「ロナルド公国王とはこの話を少しずつ進めていたからな。そうだな…ビリア王国の建国記念日にあたる11月25日に発表する目途で話を進めよう」
ガスパール「はい。嬉しいです。お互に愛し合っている同士で結婚できるのですから…ねぇ、マリア?」
マリア「えぇ…」
クラベル「そんな…建国記念日なんて後2か月もないではありませんか!」
マリア「そうよ…普段ならそんな早いスケジュールは組まれない…よほど秘密裏に話を進めていなければ…!私の知らない所で、私の運命は決まっていたの!!」
クラベル「マリア様…」
マリア「…どれだけ前を向いても、努力しても…意味なんてなかったの…。私の自由なんて、未来なんて…最初からどこにもなかったんだわ…たったひとつ…マリア・ヴォルディエンテ・ビリアに…女の子に生まれただけで!!」
クラベル「…私は…貴女の側におります。ずっとずっと…貴女と共に、運命に抗い続けます。貴女が…望む限り」
マリア「でも…駄目よ…そんなこと、クラベルにはさせられない…!」
クラベル「構いません。私は貴女を…貴女の専属メイド。一番側で貴女のことを見て参りました。ひたむきに努力する姿も、手を差し伸べる優しさも…だから…」
マリア「ごめんなさい」
クラベル「マリア様…?」
マリア「今は、もう…名前も呼ばれたくないの…お願い…一人にして」
クラベル「わかりました…申し訳ありません…失礼いたします」
マリア「…」
クラベル「…っ…ごめんなさい…!私は、貴女を守れなかった…貴女の苦しみを変わってあげられたなら…!…でも…その苦しみも、側にいることも許されないの…ごめん、ごめんなさい…私は、貴女を…愛している…マリア」
クラベル「お疲れ様ラナ。これで終わるよ。ラナは?」
ラナ「私は終わり!今日は王女様の会食もあって仕事がちょっとだけ少なかったから」
クラベル「そっか」
セオ「お?お疲れ!仕事終わり?」
クラベル「うん」
ラナ「いつもと担当が変わったから少しだけ早く終わったねって話していたの」
セオ「あぁ確かに。今日は王女様とガスパール王子様の会食があったらな」
クラベル「もう帰ったの?」
セオ「あぁ。さっきお帰りになられて俺も仕事終わりってわけ」
クラベル「…マリア様…大丈夫だった…?」
セオ「…いや、警備にあたっていたといっても顔を見れたわけじゃないから…」
クラベル「そう…」
ラナ「心配だね…王女様のこと…この後のこともあるからなおさら…」
セオ「…あ、それで思い出した」
セオ「例のアレ、確認してきたぜ。経路はふさがれていないし、使用されたような形跡もない。あそこなら無事に逃げられそうだ」
ラナ「わかった…ありがとう…。これで、準備も大幅に進むね」
クラベル「あの計画が始まって二年…もうすぐ、動き出すのね…」
ラナ「全ては、民を苦しめる国王を倒し、この地にふさわしい王女様を即位させるため…革命を成功させるために、油断せずに準備しよう」
セオ「ああ」
クラベル「うん…」
ラナ「ひとまずこれで不明点は洗いざらいに出来たし、セオは継続して…」
アローガンス(声のみ)「いい加減にしろ!!!」
ラナ「今の声って…国王様よね?食堂の方から…」
アローガンス(声のみ)「これほどまでに利益があることを何故捨てようとする?!これはお前の為でも国の為でもあるんだぞ?!死んだあいつみたいに馬鹿なことを言うな!!これは、俺の決定事項だ!!!」
クラベル「マリア様?!いかがなされ…マリア様!!」
ラナ「王女様?!」
セオ「一体何があったんだ…?」
クラベル「私、ちょっと見てくる!」
クラベル「マリア様。私です…入ってもよろしいですか?」
マリア「…」
クラベル「…失礼いたします」
クラベル「マリア様?!どうなされたのですか?!どこかお怪我を…?!」
マリア「いいえ、違う…違うのよ…!でも…!あぁ、怪我ならどれほどよかったか…!!」
クラベル「マリア様…一体何があったのですか?」
マリア「…最悪な事が起きたわ…」
アローガンス(声のみ)「ガスパール君、今年で君は19になったんだったな」
ガスパール「はい。もう成人になりますのでこれから更に色々なことを母国で、ビリア王国で学んでいきたいと考えております」
アローガンス(声のみ)「そう言ってくれて嬉しいよ。うちのマリアももうすぐ18…成人になる。そこでガスパール君、マリア。二人の結婚の話を進めたい」
マリア「…え?!」
ガスパール「本当ですか?!ありがたき幸せです!」
アローガンス(声のみ)「そうだろう。幼い頃から共に過ごしてきたし、今後の両国の発展にも貢献されるだろう。それに…マリアは女だ。残念ながら私の後を継げない。ガスパール君、君にはこちらに来てもらって両国の架け橋になってほしい。」
ガスパール「まことに嬉しいです。私は次男ですから、父も認めてくれることでしょう…マリア、どうしたの?」
マリア「え?いいえ、何でもないわ…」
ガスパール「さっきからうつむいていたから…まさか、嫌なのかい?この僕との結婚が」
マリア「いっ、いえ!そうではないわ!あまりにも急だったからびっくりしただけよ…」
アローガンス(声のみ)「ロナルド公国王とはこの話を少しずつ進めていたからな。そうだな…ビリア王国の建国記念日にあたる11月25日に発表する目途で話を進めよう」
ガスパール「はい。嬉しいです。お互に愛し合っている同士で結婚できるのですから…ねぇ、マリア?」
マリア「えぇ…」
クラベル「そんな…建国記念日なんて後2か月もないではありませんか!」
マリア「そうよ…普段ならそんな早いスケジュールは組まれない…よほど秘密裏に話を進めていなければ…!私の知らない所で、私の運命は決まっていたの!!」
クラベル「マリア様…」
マリア「…どれだけ前を向いても、努力しても…意味なんてなかったの…。私の自由なんて、未来なんて…最初からどこにもなかったんだわ…たったひとつ…マリア・ヴォルディエンテ・ビリアに…女の子に生まれただけで!!」
クラベル「…私は…貴女の側におります。ずっとずっと…貴女と共に、運命に抗い続けます。貴女が…望む限り」
マリア「でも…駄目よ…そんなこと、クラベルにはさせられない…!」
クラベル「構いません。私は貴女を…貴女の専属メイド。一番側で貴女のことを見て参りました。ひたむきに努力する姿も、手を差し伸べる優しさも…だから…」
マリア「ごめんなさい」
クラベル「マリア様…?」
マリア「今は、もう…名前も呼ばれたくないの…お願い…一人にして」
クラベル「わかりました…申し訳ありません…失礼いたします」
マリア「…」
クラベル「…っ…ごめんなさい…!私は、貴女を守れなかった…貴女の苦しみを変わってあげられたなら…!…でも…その苦しみも、側にいることも許されないの…ごめん、ごめんなさい…私は、貴女を…愛している…マリア」