太陽の在処~永久の約束
主人公の名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こんにちは!
若宮ひなた 、元気になりました。
1週間ほどのんびり体を休めた私は少しずつからだを動かしてもうすっかり元気になりました。みんなに沢山心配をかけちゃった。
ごめんね。でも、もう大丈夫だから。
火球も会いに来てくれた。
私を見た途端に肩の力が抜けたようにほっとした表情だった。そしてぎゅっと抱きしめられた。金木犀の香りをまとった火球はあの頃と変わらない、憧れのプリンセス。
「心配しました。体はもう平気ですか?」
「うん、もう大丈夫。」
「本当にあなたは昔からお転婆なんだから。ひなた、改めてお礼を言わせてください。
プリンセス、アイリア、この度はこの銀河に巣食う混沌を払っていただきありがとうございました。お陰で我がキンモク星も救われました。あなたはまさにこの銀河の光です。
これからもどうかこの銀河を照らしてください。」
突然膝をついて恭しくお礼の言葉を紡ぐ火球に私は困惑してしまった。
その後ろには火球に倣って膝をつくスリーライツの姿もあり、思わず声を上げそうになったが私はしっかりと太陽のプリンセスとしてその言葉を受け止めた。
「いいえ、私は当然のことをしたまでです。ですからどうか顔を上げてください。」
ゆっくり顔を上げた火球に私はほっとした。
「確かに私は太陽のプリンセスだけどそれ以前に私は火球のお友達。
だから”ありがとう”って言ってもらえたら嬉しいな。」
「─そうですね、ひなたありがとう」
「うん、どういたしまして」
───────────
「ひなたちゃーーーーん!!」
「うさぎちゃん!?」
「ぐすん、ごめんねひなたちゃん!あたし何も力になってあげられなくて。泣き虫で弱虫であの時ひなたちゃんが諦めない、って言ってくれたからあたし最後まで諦めずにいられたの。ひなたちゃんがいてくれて本当に良かった、よかったよぉおおおおおお。」
「ちょっと、うさぎ!泣くのか話すのかどっちかにしなさい!ひなたちゃんが困ってるじゃない!」
「レイちゃんの意地悪!!」
「レイちゃんもみんなも無事でよかった。体の調子はどう?」
「あたしたちは何ともないわ。スターシードが戻ってこの通り元気よ!」
「ひなたちゃんこそあの戦いの後に倒れて私達とっても心配したのよ。火球プリンセスが疲れただけっておっしゃっていたけどなかなか目覚めなくて心配していたのよ。」
「様子を見に行こうとしたらさあ、」
「ヘリオスから連絡が来て『ひなた様が目を覚ましました!!』ってその時私達全員集まっていたのよ。
それを聞いてはるかさんとみちるさんが
『僕たちの可愛い姫のお目覚めだ。』
『ええ、そうね。行きましょう、はるか』
ってあっという間にひなたちゃんのところに行っちゃったのよ。はあ、私も一度でいいから2人にお姫様って言われたい!」
「だめよ、はるかさんたちのお姫様はうさぎちゃんとひなたちゃんだけなんだから。」
「そうそう、わたしたちは『子猫ちゃん』って呼んでもらえるじゃないか」
「えー子猫ちゃんもいいけど、お姫様って言われてみーたーいー!」
「えっと…とにかくみんなも無事で良かった。
─ところで」
さっきからうさぎちゃんの側でみんなの様子を見ている男性。
そう、地球のプリンスエンディミオン。
うさぎちゃんの大事な人。
「ひなたちゃんは初めてだったね。こちら千葉衛さん、私の大事な人だよ。」
「初めまして若宮ひなたです。」
「ああ、君のことはうさこから聞いているよ、太陽のプリンセスだと。そして大切な友人なんだと。」
「私も衛さんのことは聞いていました。前世は地球のプリンスエンディミオンだと。そして今もうさぎちゃんを大切にしてくれているって。」
「ひなたくん、今回の件、俺からもお礼を言わせてくれ。本当なら地球の守護者として俺が彼女たちをサポートしなければいけなかったのに、君に負担をかけてしまった。
それと、今更こんなことを言ってもどうしようもないことだとは思うがどうか謝らせてほしい。前世でのこと、ダークキングダムが月に攻め行って君までも巻き込んでしまったこと。俺がもっと注意していればあんなことには…」
「まもちゃん、それは─」
「そのことはもう過去のことです。過去を悔やんでいても何も始まりません。それに今こうして巡り会えました。これからの事、悔いのないように生きていきましょう。」
「─ああ、そうだね。ありがとう。」
全てが元通りだ。
街はいつもと変わらず賑わいを見せ、行き交う人々は今を生きている。
大切な友人の大切な人も戻り、寄り添って笑顔を見せている。
みんなのその様子にこちらも元気をもらえる。
キンモク星の友人もその使命を果たし側近たちと共に地球で一時の休息をすごしている。
数日したら星に戻ると話していた。
─星野が帰ってしまう。
私は太陽のプリンセスで星野はキンモク星の戦士。
お互い使命があり、それを投げ出す訳にはいかない。
分かっているけど、割り切れない想いが募っていく。
私はバルコニーに出て夜風に当たっていた。
「今日は満月か…」
うさぎちゃんの星が夜の闇を明るく照らしてくれている。
白銀の光は寄り添うように静寂の中へ溶けていく。
「ひなた様」
「─ヘリオス。
ここで話すのは久しぶりだね。最近は忙しくてゆっくり話ができなかったから。」
「そうですね、こうして穏やかな夜を過ごせるのもひなた様や戦士の皆様のおかげです。本当にありごとうございます。そして、お疲れ様でした。
ひなた様、お役目立派に果たされましたね。」
「っ─!」
「太陽のプリンセスの使命は大きいものです。
与えられた役目、その覚悟、そして果たすための力。求められるものが山のようにあり、挫けそうであってもそれを押し殺して前に進まねばならない。あなたはいつもそのちからに怯えながらも決して目を逸らさなかった、諦めなかった。
そしてカオスに打ち勝ち、この星に平和を取り戻したのです。
本当にあなたの側近としてこんなに誇らしいことはありません。」
「ヘリオス…」
「頑張りましたね」
とめどなく涙があふれる。
一番近くで支えてくれた頼もしい相棒。
弱音も挫けそうなときも支えてくれたヘリオス。
「こんな不意打ちずるいよ。」
頬を伝う涙をヘリオスの柔らかい羽が撫でていく。
「しかしひなた様、まだまだやらなければならないことがあります。」
そうだ。
カオスを封印したストーンの浄化だ。
石の中で渦巻いている力は今はまだ押さえ込めているがいつまでもこのままと言う訳にはいかない。
いずれきちんとした場所で保管をし、浄化をしていかなければならない。
それは地球(ココ)では難しいだろう。
「そうだね、わかってるよ」
「それに星野殿のことも」
「うん…。」
星野─。
貴方の顔が見たいよ。