太陽の在処~永久の約束
主人公の名前
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それから3日後、ヘリオスからひなたが目覚めたと連絡があった。
俺は連絡をもらってすぐにひなたの家に向かった。
焦りのせいか息も切れ切れになり、まだまだ鍛錬が必要だと痛感しながら会いたくてしょうがなかったひなたの部屋のドアを開けた。
「ひなた─!」
そこには笑顔で俺の名前を呼んでくれるひなたが─
いるはずなんだけど…。
「本当にどこも苦しくないか?熱は?痛いところはないか?」
「なにか食べたいものはないかしら?リゾットを作りましょうか?」
「はるか、本当に大丈夫だよ。いっぱい寝て元気になったから。
みちるのリゾット食べたい!お願いしてもいいかな?」
そこにはひなたの柔らかい頬を挟んで顔を覗き込んでいる天王はるか(近いぞお前!!)と、その二人を見つめて微笑んでいる海王みちるがいた。
いや、なんでお前ら俺より来るのが早いんだよ!
連絡もらってすぐに来たんだぞ。
「あっ、星野─!」
ひなたが俺に気付き笑みを深めた。
(あっ、星野!じゃねえよ!)
「よう、目が覚めたんだな。」
「うん、心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」
「そっか、よかった」
顔色も良くなり体調も良さそうだった
「なんだ、もう来たのか。もう少しゆっくり来ても良かったんだけどな」
場の雰囲気を壊すかのように天王はるかが言葉を挟む。
「あのな、俺ら付き合ってんだしもう少し気を使ってくれてもいいんじゃないか」
嫌味な言葉に額に青筋が浮かぶような気がしながら睨みつけた。
「あら、だから早く来たのよ。プリンセスに危険がないようにするのが役目ですもの」
「俺は不審者じゃねえよ!」
「ふふっ─。仲がいいんだね」
いや、ひなた、笑える場面じゃないんだけど─。
でもおかげで場が和んだ気がした。
「とにかく本当に無事でよかった。」
俺は天王を無理にどかして(おい、足踏むなよ!)ひなたの手を取った。
「うん。
星野一緒に戦ってくれてありがとね。
私一人じゃ封印なんてできなかった。
星野が側にいてくれて本当に心強かった。」
ひなたの言葉であの戦いの自分の行動が間違いではなかったと思えた。
一人で全てを抱えて戦うひなたを守りたかった。
お前は一人じゃない、と。
─*─*─*─*─*─*─
みんなが私を心配していた頃
私は懐かしい夢を見ていた。
懐かしい故郷の夢。
お父様とお母様に見守られて庭で花を積む幼い私。
「見て!お父様、お母様!きれいにできました!」
花輪が出来て喜んでいる私を見てお父様とお母様は優しい顔で微笑んでいた。
そんな二人を見て嬉しくなった私はもう一つ花輪を作ろうと一面に咲く花に目を落とした時、お母様が私の側に膝をついた。
「花は好きですか、アイリア?」
「はい!お花はきれいで優しい匂いがして好きです!」
お花が嫌いな人なんているのかな、とお母様に返事をしながら私は思った。
「そうね、お花はきれいね。
でもね、花をここまできれいに咲かせるのは大変なのよ。
一面に咲くこの花はたくさんお水を吸って、陽の光を浴びて、きれいな空気のところでないときれいなお花を咲かせてくれないの。」
「そうなんですか?」
当たり前に咲いていると思っていた花がきれいに咲くにはいろいろな条件揃ってないといけないのだとは思わなかった。
「でもここは雨も降るし、お日様もいっぱい浴びれるし、何よりここはお母様たちが守ってる太陽の国ですのでお花はきれいに咲きますね!」
私がそう答えるとお母様の表情が揺れた。
「今はまだ大丈夫よ。でももし、陽の光さえ届かない場所になった時、アイリアはまたこの星にお花を咲かせてくれますか?」
お母様はどうして悲しそうな顔をしているんだろう?
こんなにお花が咲いてるのに、空からはさんさんと陽の光が届いているのに。
でも心配しないでください!
「はい、もしお花が咲かなくなっても私がまた咲かせます!
お母様の好きなサンフラワーのお花もいっぱい咲かせますね!だから大丈夫です!」
私はそう答えてお母様の頭に輪を乗せた。
驚いて、そして笑顔になったお母様と花輪をもう一つ作った。
それは私たちの側に腰を下ろしたお父様の頭に乗せて上げた。
そしてお父様からはお花の指輪をもらった。
「わー!お嫁さんみたい!」
とはしゃぐ私。
「いつかアイリアも花嫁になるんだな」
「ふふ、そうですね。でも、まだまだ手のかかる私たちの可愛いプリンセスですよ。」
と話をしていることなど私は知らない。
お父様お母様、安心してください。
私がこの星をお花でいっぱいにしてあげるから。