太陽の在処~永久の約束
主人公の名前
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ギャラクシアの攻撃が私たちの足場を崩していく。
体勢を立て直そうとした私は一瞬眩暈がして着地に失敗してしまった。
「─くっ。」
「ソル、しっかりして!ソル!!」
駆けつけたファイターに支えられながら私は意識を手放した。
*
『…アイリア─、アイリア』
懐かしい声に私は目を覚ました。
この懐かしい声は…
「えっ!?」
目を開けるとそこは一面に広がるひまわりに似た花 ─サンフラワーが咲き誇っていた。
ここには見覚えがある。
プリンセス修行に疲れた時によく来ていたお気に入りの場所。
そして私はいつの間にかプリンセスの頃に着ていたドレスを身にまとっていた。
「アイリア」
再び懐かしい声で呼ばれ振り返ると─
「お母様…」
太陽王国のクイーンであり私の大好きな母がいた。
「─お母様、どういうことですか?ここは太陽の王国ですよね?
私は地球にいたのに─。
地球でギャラクシアと戦って…。
もしかして私、死んでしまったんですか?
だからここへ?」
「いいえ、あなたは死んでいません。
大切な話をする為に少々無理をしてここへ呼びました。
ここはあなたの知っている太陽王国とは少し異なる場所です。」
「異なる場所?」
「本来の王国は今、氷に閉ざされています。
私の力とキングの力でかろうじてその存在を保つ事が出来ている程度です。」
「そんな!どうしてそんな事に!」
「アイリア時間がありません。
あなたは覚えていますか、小さい頃に私が話した昔話を。」
「昔話?」
「そうあの話には続きがあったんです。
まだあなたが小さくて話さなかったのですが」
少しためらいがちにお母様は言葉を続けた。
「話の続きはセーラーフォーズ終焉について、私達太陽の者だけが行える最後の切り札です。」
「最後の切り札…教えてください、私にまだ出来る事があるなら私はなんでもやります!」
「本当はあなたにこんなことお願いしたくなかった…
アイリア、よく聞いてちょうだい。
あなたは…─」
「─っ!!
…私は…。」
「ソル!!ソル大丈夫!!」
ぼやけていた視界が晴れ目の前には心配した顔のセーラームーンがいた。
「あれ…私」
「気を失ってたんだよ。どこか痛いところとかない?」
やっぱりあれは夢…?
でもお母様のあの話は─。
「…平気だよ、心配させてごめんね」
「本当に大丈夫ですか?」
「平気だよ、メイカーは心配性だね。」
「あなたね、心配してたこっちの身にもなってちょだい。
ファイターが意識がないあなたを抱えてきたときは心臓が止まるかと思ったのよ。
ファイターなんてずっとあなたの手を握っていたんだから。
ほら、ファイターもなんとか言ってやってちょうだい!」
お説教しているヒーラーの横でファイターは今にも泣きそうな顔をしてソルを見ていた。
本当に心配をかけてしまったのだと改めて気付かされた。
「ファイター、みんな心配かけてごめんね。
私は本当に大丈夫だから」
「本当に、本当に大丈夫ね?」
「うん、本当」
ファイターの目をしっかり見つめてソルは答えた。
その様子にファイターも納得し詰めていた息をやっと吐き出す事が出来た。
その時しんと静まる空気の中でギャラクシアの声が響いた。
「残るスターシードはお前らだけだ!
ここまで手こずらせた褒美に私が直々にスターシードを抜いてやろう。
大人しく出てきて私の前に跪け。
今しばらくの猶予をやろう。仮にもプリンセスならば無様に奪われる前に自分から姿を現せ!」
「ソル、ギャラクシアの言う通りにすればまもちゃんやみんなにまた会えるのかな。」
いつになく弱気なセーラームーンがスカートをぎゅっと握りしめて涙をこらえていた。
「セーラームーンはそれでいいの?もうここで諦めちゃうの?
─セーラームーン、なぜウラヌスとネプチューンがあんな戦い方をしたかわかる?」
「分かんないよ」
「前世から二人の性格を知ってる私も二人が何を考えてるか分からなかった。
あの戦い方が二人の戦い方だって言えばそうかもしれないけど、なによりみんなはセーラームーンを、私を、私たちを信じてるんだよ。」
「信じてる?」
「私にも分からなかったわ、仲間や自分の命を売ってまでなぜって。
あれが彼女達の戦い方だったから?
確かにそうかもしれないけど、みんなセーラームーンとソルを信じているからよ。」
「信じている」─メイカー
「セーラームーンとソルを…」─ヒーラー
「そして仲間を…」
「はじめあなたたちと戦うことなん出来ないって思っていた。
でもソルがいてセーラームーンがいていろんなことがあって今はこうして一緒に戦っている、あなた達と一緒にいると人を信じてみたくなる、希望を信じて見たくなる。」
「でも、みんなあたしの前からいなくなっちゃう…」
「いなくなってなんかいないよ、みんなちゃんと“ココ”にいる」
そういって私は自分の胸に手を当てた。
絶望の淵にいてもみんなは心の中にちゃんといる。
これからどんなことが起きようと諦めない私の気持ちがある限り。
「そうよ、本当に消えてしまう時があるとするならそれはあなたが諦めたとき。
でもあなたは絶対に諦めないってみんな信じてる。」
「ギャラクシアに降伏してみる?楽になれると思うけど。」
「…いや。」
「セーラームーンならそういうと思った。
私も信じてる、セーラームーンのこと、みんなのこと」
立ち上がるセーラームーン
「ファイター、ヒーラー、メイカー、私たち友達だよね」
「うん」
「もちろん」
私たちとセーラームーンは目を合わせ改めて仲間のいる事に感謝した。
諦めない、どんな事があっても。
仲間がいる、大切な人がいる。
胸で輝くペンダントがやさしい光りを放っている。
『アイリア、混沌の封印の方法は─』
私自身─。