太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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火球のスターシードが淡い光りを放ちながらギャラクシアの手中へと渡ってしまった。
「ふはははは─、これこそ真のスターシード─。
次はお前たちのすべてのスターシードを頂く。
最後にむなしい抵抗をしてみるがいい!!」
ギャラクシアの手の中に渡ってしまった火球のスターシード。
優しい光はそのままなのにファイターの腕に抱かれている火球の体はどんどん薄くなってもうほとんど手に触れる事が出来ない。
「メイカー…、ヒーラー……、ファイター…、
いまこそ力を合わせて……。
…アイリア…3人を…お願いします……。」
「火球ーーーっ!」
『だいじょうぶ、希望の光を─。』
火球に触れようと伸ばした手が空を切った。
姉のように慕った火球はオレンジ色の光の粒となって空に消えてしまった。
「っそ、そんな─。」
握った拳の振るえが止まらなかった。
これはギャラクシアへの怒りからなのか、火球を失った悲しみからなのか。分からない。
行き場のない気持ちを強く握り締めた拳に込めて涙をこらえるのに必死だった。
そんな私をファイターが後ろから抱え込むように抱きしめてくれた。
ずっと一緒にいた守護戦士の3人は私よりもっと辛いはずなのに─。
そしてこの地球から人々の輝きが奪われ始めた。
青く澄み渡る空が黒い闇に包まれ稲妻が街を破壊しいく。
『辺境の星に住む虫けらたちよ、─聞くがいい。
全銀河はこのギャラクシアのものに。
お前らのような虫けら共の存在を私は許さない。覚悟するといい!』
「同じだわ、私たちの星と。」
「もうすぐこの星も滅びる。」
「そんなこと絶対にさせない!!」
「無理よ、いくらソルの力でも今のギャラクシアには敵わない…」
「ヒーラーは諦めちゃうの、キンモク星も、火球も、希望の光りも─。まだこの星にはこの星の戦士がいる。それにヒーラーたちもいる。こんなに最強の味方がいるんだもの、諦めないで。」
「─っ!そんな事…。」
今のヒーラーたちにはきつい言葉かも知れない。
でも望みを捨ててほしくなかった。
まだ希望は─私たちの進む道の前にあると言う事を…。
「分かったわ、銀河テレビよ!」
敵の本拠地を調べていたマーキュリーが全員を見渡してそう言った。
「ソル、私たち行くわ。」
「ファイター…。」
「私たちはプリンセスを守り、いつの日か私たちの星を復活させることだけを願っていた。
せめてプリンセスの為に一矢報いるつもりよ。」
─メイカー。
「ソル…ギャラクシアは強いわ。それは私たちが一番良く分かってる─。あなたがどう言おうとそれは事実なの。でも私たちは私たちのやり方であの方の為にこの力を使うわ─。」
─ヒーラー。
「─行ってくるわ。」
─ファイター。
3人の後姿が闇へと消えていった。
私は覚悟の決めた3人のその姿を目に焼き付けていた。
「いいの、ソル?一緒に行かなくて?」
「うん、いいの。それにこれが最後じゃないから─。
さあ、私たちも一度立て直しましょう!」
この危機にプルートとサターンも駆けつけ、
皆で一度氷川神社に集まった。
神社の境内から見た景色はいつもの日常からは想像もつかないような状況だった。
これがギャラクシアの力。
記憶に残るキンモク星の姿もこのようなものなのだろうか…。
そういえば遠い昔の月は輝きが感じられないほど瓦礫と化していた。
私たちの地球は………
何を考えているの
気弱になっちゃだめ。
きっと大丈夫。この星には頼もしい仲間がたくさんいる。
ひとつ気になる事がある。
前に見たお母様の夢。
あの話には続きがあったはず。
「この地球を星野たちの星と同じ様にするわけにはいかない!!」
─っ!
思考の渦から現実に引き戻されると各々覚悟を決めた表情をしていた。
きっと大丈夫─だよね、火球。
その後はるか達、外部太陽系戦士の姿が見えないと言われ、
ああ、きっと4人で行ってしまったのだろう、と一人納得していた。
うさぎちゃんたちもすでにはるか達の性格は知っているからか、特段困惑する様子はなかった。
そして私達も決断のとき。
「あたしたちが守って見せる」 ─うさぎ
「そうよ、私たちの星ですもの」 ─亜美
「あたしたちここで出会って、
ひなたちゃんにも再会して…」 ─まこと
「笑ったり泣いたりいろいろあって」 ─美奈子
「あたしたちの大事な宝物は」 ─レイ
「私たちの手で守らないと、だね。」
みんな一人一人の迷いのない顔を見て、自分もしっかりしなければと改めて気を引き締めた。
「ソル・オリエンスパワー・メイク・アップ!」
ひなたはずっと思い出そうとしていた。
母と話していたあの夢の続きを…。
しかし思い出したときひなたは決断をしなければいけない。
太陽のプリンセスとして─。
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