太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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今日、俺たちは希望の光を探す為にスリーライツとして最後のステージに立っていた。
ステージに俺たちが立った途端に思わず耳を塞ぎたくなるような歓声にこれほどの人が俺たちの上田を聞きに来てくれているんだ。きっと希望の光を見つけて見せる。
その為に今日、このコンサートで声を張り上げる。
さあ、俺たちのラストステージだ!!
『私たちはいままでメッセージを送ってきました!』
『僕たちの思いが伝わってほしい、このファイナルコンサートで!』
『これがおれたちからのラストメッセージだ!
受け取めてくれ、この想いのすべてを!』
会場に、街に、この星に響き渡る俺たちのメッセージ。
天井に星がきらめく、想いをのせた歌(メッセージ)で希望の光に呼びかける。
“どうかこのメッセージに応えてくれ!”
会場の端ではひなたも祈るように3人のステージを見ていた。
側には同じく三人を見守る火球やうさぎ、はるか、みちるそしてちびちびがいた。
私たちの近くで何か不思議な力を感じたような気がした。
その感覚に神経を寄せようとしたとき、恐れていた事態が起きてしまった。
“ドオオオーーーーーーーーーーーーン”
“きゃあああーーーーーーー”
激しい爆発が会場のいたるところで起き、
パニック状態になった観客は一目散に外へと逃げていった。
「こんな時に─!」
敵の攻撃により会場は見るも無残な姿となり、
希望の光を見つけることも出来なくなってしまった。
「ソルオリエンスパワー・メイク・アップ!!」
スリーライツのコンサートに来ていた美奈子ちゃんたち太陽系の戦士も集まり、全員が戦士へと変身した。そして襲撃してきたセーラーティンにゃんこと対峙することとなった。
「3人は火球を!みんなはセーラームーンを!」
私はみんなにそう呼びかけこれ以上の被害が出ないようにしないと、とあれこれ考えていた。
しかし…
「銀河はすべてギャラクシア様のもの!
─っく……ギャラクシアなんかに支配されてはだめ!
─いや、おとなしくスタージードを渡しなさい!
─いえ、みんな気を付けてスターシードを奪われたら大変よ!」
どうもティンにゃんこの様子がおかしい。
「ブレスレットによって操られているのです。
善人だったセーラー戦士がブレスレットが一つになったしまった分だけセーラー戦士としての意識が覚醒しているようです。」
火球の言う通りその腕には確かにブレスレットが一つしかなかった。それは屋上で戦った時にソルが一つだけ浄化したものだった。
そうだ…、今まで戦ってきた敵のセーラー戦士も元は星の守護者。
本当はこんなこと望んでいないはずなのに…。
「─ティンにゃんこ、私が今あなたを善良なセーラー戦士へと戻してあげるわ!」
ソルがロッドを構えたとき、
これまでに感じたことのない大きな邪悪なエナジーが近づいてきていた。
「─っ!?なに、この憎悪は─」
そして、そいつは現れた。
「─ギャラクシア様!!ただ今真のスターシードを!」
あれがギャラクシア。
星のスターシードを狙って、火球たちの星・キンモク星を滅ぼした張本人。
その容姿は鎧のような金色の戦闘服を着ている。腕には敵のセーラー戦士と同じ金色の腕輪をしている。
「ご苦労だった、セーラーティンにゃんこ。」
「─っ!待って!やめて!!」
手のひらを掲げたギャラクシアの動きに危機感を覚えたソルが静止の声をあげたが時すでに遅く、その声はブレスレットを奪われ消えていくティンニャンコの悲鳴にかき消されその意味を持たなかった。
「そんな─」
「なんてことを─!」
セーラームーンたちもギャラクシアの行いに戸惑いの目をしていた。
命をなんとも思っていない非情のなさにギャクシアをきつく見据えた。
「キンモク星のプリンセス。
私に対抗する力を目覚めさせようとしているのはお前か!」
ギャラクシアはその手より光弾を火球に向け放った。
「プリンセス─!!」
「火球─!!!」
背にファイター達を庇い火球はギャラクシアの攻撃を防いだ。
「今のあなたたちの力ではギャラクシアは倒せません!
ここは私が食い止めます!逃げなさい!」
「嫌です!プリンセスを置いて逃げられません!!」
「火球!ここは私が!!」
「いいえ、セーラーソル。あなたにはやるべき事が他にあるはずです。」
「火球─!!!」
「私の攻撃を食い止める?
笑止だ!!!」
ギャラクシアの攻撃は先ほどよりも威力を増していた。
私たちに向け放たれたその球体は火球の張っていたシールドにぶつかり、それにより起こる風圧に体を丸めて飛ばされないように足に力をこめた。
「くっ─」
時折聞こえる火球の苦しそうな声に私も手を伸ばした。
「っアイリア─。」
「私の力もあなたの為に使わせて─」
火球の波長に合わせて私の力で包み込み2人でシールドを大きくした。
「ならば2人ともあの世に送ってやろう!!
──はっ!!」
「火球、大丈夫。私たちなら防げる。」
いっそう力を込めようとしたその時、
「ありがとう、アイリア…。」
え─?
次の瞬間私は火球に後ろへを飛ばされ、そこをファイターに抱き留められた。
「─っ火球?!」
ギャラクシアの放った球体は三方向から飛んできた。
もしそこに私がいたらその光に貫かれていたかもしれない、と目の前で起こっている現状とは裏腹に頭で冷静に分析している自分に反吐が出た。
火球が張っていたシールドもその威力にあっけなく消えてなくなり、光の球が火球の身体を貫いた。
優しく、暖かな光を放ちながら淡いキンモクセイ色のスターシードは主の元を離れていく。
「火球ーーーーーーーー!!!!!!!」
喉が張り裂けそうな程叫んだと共に伸ばしたその腕は空を切って力なく何も掴むことができなかった。
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