太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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屋上での一件があってからレイちゃんがうさぎちゃんから事情を聞いたと言うのでみんなでパーラーに集まることになった。
「それじゃあ衛さんからはずっと─」
「ええ、何も連絡がなかったみたい。
それに衛さんの留学先の大学に連絡したんだけど来てないって…。
なにか事件に巻き込まれたのかしら。」
「それにしたってもっと早く言ってくれれば……悔しいよ。」
なぜもっと早く気付かなかったのだろう、
なぜ相談してくれなかったのだろう、
そんな気持ちが悔しさとともに溢れてくる。
でも答えは言わなくても分かっていた。
うさぎちゃんはみんなに心配をかけたくなかったのだと…
それでも私はうさぎちゃんの時折見せる表情に私は気付いていたのに…。
ちゃんと話を聞いてあげられていたら─。
うさぎちゃんずっと一人で抱えてたんだね。
寂しいという気持ちを…
『そっか、おだんごにそんな事が…』
「うん、春からだから結構経ってるよね。
元気だして、なんて軽々しく言えないし…。みんなでいろいろ話し合ってるところ。まずは衛さんがどこにいるのか探さないとって。」
『そうだろうな…。
悪いな何も協力してやれなくて。』
「ううん、気にしないで。ファイナルコンサート近いんでしょ?」
『ああ、プリンセスにもこのファイナルコンサートで希望の光を探し出すって言ってあるんだ。必ず探し出してみせる。』
「うん、当日は私も行くから。星野の頑張ってる姿、見に行くからね」
『………。
あーこれが電話じゃなきゃな~。』
「なにが?」
『ひなたのこと今スゲー抱きしめたい』
「─っ////
そんなこと言ったら私も星野の顔見たくなっちゃうよ!
─火球にも届いてた歌だもの、大丈夫。
それにきっとこれが本当に最後…。」
スリーライツファイナルコンサート当日
私はうさぎちゃんの家に来ていた。
─ピンポーン
『はーい、どちら様?』
ガチャ─
「こんにちは。」
「ひなたちゃん!」
突然訪問した私にうさぎちゃんは少し戸惑ったような表情をした。
「この間はごめんね、かっこ悪いところ見せちゃって…。」
「ううん、私も気付いてあげられなくてごめんね…。今日はお誘いに来たの!」
「お誘い?」
「うん、行こう!スリーライツのファイナルコンサートに!」
「えっ、でもあたしチケット持ってないし…」
「大丈夫!その辺は任せて!!」
「ちびちび~!」
「こんにちは、ちびちびちゃん!ちびちびちゃんも一緒に行こう!」
「ちびちび~♪」
そうしてあまり乗り気じゃなさそうなうさぎちゃんの手を引いて私たち3人はコンサート会場にやって来た。
「ひなたちゃんあたしやっぱり…。星野にあわせる顔がないよ。あんな姿見せちゃって…」
「星野うさぎちゃんのこと心配してたよ。
ただ心配してくれてありがとう、って言えばそれでいいんじゃないかな。それに…」
「ちびちび~♪」
ちびちびちゃんはうさぎちゃんの髪を握って早く行きたそうにしていた。
「それにちびちびちゃんはうさぎちゃんと行きたいみたいだよ?」
「………うん。」
会場の入り口まで行くと腕組みをしたはるかと傍に寄り添うように立つみちるがいた。
「2人とも来ていたか。」
「はるか、みちる!」
「どうして2人が?」
「はるかがひなたはきっとカレの最後のコンサートに行くだろうからって─。」
「何があるか分からないからな。─それから、なぜ早く言わなかったんだプリンスの事。」
「それは…。」
「はるかその話は今いいでしょ。せっかく早く出てきたのに遅れちゃう。」
ひなたの言葉で一度話を中断し、スリーライツの楽屋に向かうことになった。
─コンコン
『─はい』
─ガチャ
「こんにちは」
楽屋ではスリーライツの3人が各々最終チェックをしているところだった。
ひなたの姿をとらえた星野がすぐにソファーから立ち上がり楽屋の中に招いてくれた。
「ひなた、来てくれたのか。」
「うん、それに─」
私の影から顔を出したうさぎちゃん。
この間の事が尾を引いていて若干会うのが恥ずかしいと言っていたが大丈夫だろう。
「─っ!おだんご!」
「こんにちは、星野この間はごめんね。
心配してくれてたってひなたちゃんに聞いて……ありがとう。」
「いや、案外元気そうでよかったよ。今日は来てくれてサンキューな。
それで、後ろの二人も激励に来てくれたのか?」
「気にするな、ただの見張りだ。
誰かさんから大切なお姫様を守る為のな。」
「はー大変だな。そのお姫様のためにくっつき虫みたいにどこまでもついてくるなんてな。」
今までうさぎちゃんたちの様子を見守ってくれていたはるかは星野に揶揄されて言い返す。ただ、それだけなのになぜか懐かしく感じる。
「星野、ライブ前に何をやっているんですか。」
「大気、夜天。ごめんねライブ前に押しかけて。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
「でもさ、いつまで続くの?あの2人のコント。」
「いいではないですか夜天、仲が良くて。」
「火球─。」
「火球プリンセス─!」
「こんにちは、ひなた、うさぎさん。」
「ちびちび~!」
「ちびちびちゃんもこんにちは。」
「火球、このコンサートで希望の光を見つけるって聞いたけど…」
「きっと3人が見つけてくれます。─ひなた、またみんなでお茶会しましょう。その時はひなたのサンフラワーのお茶が飲みたいわ。」
朗らかに笑っている火球だが今日ばかりは少し緊張した様子に見えた。それもそうだろう。今日のコンサートで火球が探し求めていた希望の光を見つけようとしているのだから。
「─うん、あの時よりも美味しいお茶を飲ませてあげるね。」
「ひなたちょっといいか?
みんな、少し2人にしてくれないか。」
コンサートまでもうすぐという時に星野が急に2人にしてくれと言い出した。星野がそういうとはるかは渋々といった感じだったが全員部屋の外で待っていてくれた。
「星野─?」
「ひなた、このコンサートが本当に最後だ。このコンサートで希望の光が見つからなかった時は、最後の戦いに挑むつもりだ。命をかけてな─。」
「私も太陽のプリンセスとして出来ることをする。
……きっとまたみんなで笑って過ごせるよね?」
「─ひなた。」
わたしたちはお互いの鼓動を感じるように抱き合った。
いつかのダンスパーティの夜、星野のことが好きなんだと気付いたあの日。
恋愛初心者の私は男性に抱きつくこと自体が恥ずかしくて、心臓の音が星野に聞こえないかと違った意味でもドキドキしていた。
けど今は不安でいっぱいのうるさい心臓の音が耳に響く。
「この戦いが終わったらひなたをさらいに行くからな。」
「─うん。」
そう言って星野は額に優しくキスを落としステージへと向かった。
「おもいっきりで行こうぜ、大気、夜天!!」