太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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あの日からどことなくうさぎちゃんたちとの間に距離ができてしまっていた。
うさぎちゃんはいつもと変わらず接しようとしてくれているんだけど、それを見守っている美奈子ちゃんや夜天たちとの心の距離が以前より遠くなってしまった。
こんなはずじゃなかったんだけど
なんて言っていいのかかわからない
─プルルルル
「はい」
「ひなた、俺」
「星野」
久しぶりに聞く星野の声
あの日以来なかなか時間がとれず星野とは会えていなかった
「どうだそっちはの様子は」
「うん…ちょっと時間かかりそうかな」
「そうか、そばにいられなくてごめんな。こっち少し忙しくて」
「ううん、大丈夫だよ」
「明日さ公開ラジオなんだ」
「公開ラジオ?」
「そう、ブースがガラス張りで中と外が見えんの。
そういうのも新鮮でいいだろってプロデューサーが」
「そうなんだ」
「ひなたも息抜きがてら見に来ないか?」
「うん、行ってみようかな」
「ああ、…」
「星野?」
「いや、声聞けてよかった」
「うん、私も」
電話越しでも星野の優しい笑顔が浮かんでくる
「それじゃあ、また」
「お仕事がんばってね」
ピッ─
「電話、星野殿からですか?」
「うん、明日の公開ラジオに来ないかって」
「そうでしたか、最近はいろいろありましたからたまには良いのではないですか」
「そうだね。公開ラジオか…」
キンコンカーンコーン
「ねえみんなこのままでいいの?」
「うさぎちゃん」
「あたし大好きなひなたちゃんとこんなの嫌だよ」
夜間飛行の事件からひなた達との間に出来た溝にうさぎは心を痛めていた
「それはあたしたちだって同じ気持ちよ」
「別にあたしらだってひなたちゃんが嫌いになったわけじゃないよ。
ただあんな別れ方しちゃったからさ…それにスリーライツとも」
まことも美奈子もこのままで良いとは思っていないがどうしたら良いか分からないでいた
『ねえねえ知ってる?
今日スリーライツの公開ラジオだって』
『知ってる!
あたし絶対に見に行くから!』
『ねえ、若宮さんも行くんでしょ。公開ラジオ!』
『えっ、うんそのつもり』
ひなたちゃんも行くんだ
某スタジオ
「皆さんこんばんは。DJのジャックです。本日はスリーライツのお三方を交えてのラジオをお送りします。」
「こんばんは、スリーライツの星野です。」
「夜天です」
「大気です」
「それではここからの司会進行は星野さん、お願いします。」
「はい」
星野が司会進行をしながら夜天と大気も番組を盛り上げていく
「それでは寄せられたお手紙を読ませていただきますね。
ペンネーム夜天君ラブさんから」
「僕のファンなの?ありがとう」
きゃーーーーー!!
「『こんばんは夜天君。って夜天限定?まあいいか。
今日はそちらに行けないけどラジオの前で声援を送っていますのでがんばってください!大好きです夜天くん!』
だってよ」
「嬉しいなありがとう」
きゃーーーーーー!!!
「えー続いてペンネーム大気さんの恋人さんから
『こんばんは、大気さん。一つ質問ですが忙しい仕事の合間にどのような勉強をされているのでしょうか?』
おー真面目な質問ですね。どうなんだ大気」
「そうですね。いつも参考書は持ち歩くようにしていますね。
移動時間や仕事の待ち時間にさらっと見る感じですね。」
「大気はまじめだね」
「お二人も良かったら」
「俺はパス」
「僕も」
「おや、それは残念ですね」
きゃーーーーー!!!
やっぱり3人の人気はすごいな
スリーライツの公開ラジオに来たもののファンの子の勢いに負け
ひなたはブースからはかなり離れたところでその様子を見守っていた。と言っても最初は前の方にいたはずなのにどんどん後ろに流されてしまった。
「それじゃ次のお手紙は…
月うさぎから太陽のあなたへ…」
─これ、うさぎちゃん…?
『元気ですか?あたしは元気だよ。
同じ教室にいるのに変だよね。
あのね、あたしは信じてる。あなたがみんなのために頑張っていてくれていたこと分かってるから。
あたしはずっとあなたの事を大切な友達だと思ってる。
今までもこれからもずっと…」
ありがとう、うさぎちゃん…
私も信じていた。
優しい友人は自分を信じてくれているんだと。
だが何も打ち明けられなかった事に罪悪感があり、それが現在の溝の原因になっていることにひなたは心が締め付けられるような思いだった。
それから公開ラジオは無事終わり
ひなたは星野に言われていた場所で3人が来るのを待っていた。
「ひなた!」
「みんなお疲れさま」
「今日は来てくれてありがとな。なあ、さっきの手紙…」
「─ひなたちゃん!」
「うさぎちゃん?」
まさかうさぎも来ていたとは思わなかったひなただが先ほどの手紙のお礼が言える
「ひなたちゃん、あたし…」
「ありがとう、うさぎちゃん」
「─うん!」
『ぐあああああ──』
っ─!!
久しぶりに交わしたうさぎとの会話はその悲鳴によって数分で終わってしまった。
うさぎちゃんと共に声のした方へ行こうとしたが
向かおうとした反対から誰かに腕を引かれた
「夜天…?」
「行かなくていいよ。月野はいいかもしれないけど他の奴らがなんて言うか分からないよ。」
夜天は心配してくれている
それは分かってる。だけど…
「私は太陽の戦士。ここで逃げる訳にはいかないよ。敵からも、仲間からも…」
夜天は私の腕を離し、大気と星野はそんな夜天の肩にそっと手をのせた
「ありがとう。夜天、大気、星野」
悲鳴の聞こえた方へとひなたは走り出した
「ソル・オリエンスパワー・メイクアップ!!」
向かった先にはすでにセーラームーンをはじめ他の4戦士がいた
みんなも来てたんだ
「ソル、来てくれたんだね!!」
セーラームーンの言葉で他のみんなもソルの登場に気がついた
「みんな私も一緒に戦わせて」
「ええ、頼りにしてるわ!」
ヴィーナスの言葉に強くうなずくみんなを見て、少しだけ後退してしまった関係だがまたここから始めよう、とソルは心に強く思った
「さあ、観念なさい!!」
セーラーレッドクロウにファージにされていたラジオDJのジャックさんをもとの姿に戻すことができた。
再び仲間との信頼を取り戻せる、そう思ったのに
『危ない─!!』
そう聞こえた時にはもう遅かった
セーラーティンにゃんこがセーラームーンに向けての放った光線を変身していない星野が庇ったのだ
「星野─!!!」
『スター・センセシブ・インフェルノ!!』
『スター・ジャエントル・ユーテラス!!』
「っち!ここはいったん帰るわ!」
セーラーティンにゃんこはボックスに入り消えて行った
「星野!星野!」
セーラームーンが星野に必死に呼びかける
ソルも星野に駆け寄った
「星野!!」
「…ひなた…」
「─っ星野!なんでこんな─」
攻撃を受けてしまった後頭部からは血が流れていた
うっすらと開いただけの瞳はおぼろげにひなたを見つめ
「…お前の大事な仲間が傷ついて悲しませたくなかった」
そう、星野は言った
「ばか、私は星野も大切なんだよ!!星野が傷つくことだって悲しいよ!!」
そこへヒーラー、メイカーがやってきた
「離れて─、星野から離れてセーラームーン!」
怒りに満ちたヒーラーがセーラームーンから取り上げるように星野を抱き上げるメイカー
「あなた方とはやはり協力は難しいようですね」
「ヒーラー、メイカー!」
「ひなたの気持ちも優先してあげたかったけどこれ以上は我慢できないわ。
大切な仲間を傷つけられてまで協力できるほど心は広くないわ」
その言葉を残して二人は星野を連れ帰って行った
「ソル、ごめんなさい。あたしがボーっとしてたから…」
「セーラームーンは悪くないよ。だから気にしないで。」
セーラームーンは本当に何も悪くない
これは星野の意思
私を想って星野がとった行動
誰も責められるものでもない
「私星野のところに行ってくるね」