太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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「とうとう今日の夕方か…
あーどうしよう!不安でたまらない」
「ひなた様、落ち着いてください
ここまで頑張ったんですから大丈夫ですよ」
「そうだよね…」
今日の夕方、太陽系とキンモク星の戦士たちが集まる段取りを取り付けたひなただったが当日になりなんとなくソワソワした気分で落ち着かなくなっていた
─夕方・高校の屋上
ひなたはセーラーソルへと変身し高校の屋上へとやって来た
そこへはセーラームーンやセーラースターファイターをはじめとする太陽系とキンモク星の戦士達が集まっていた
ソルは一同を見渡し一つ息を吐いた
「みんな、私の話を聞いてくれてありがとう。
いまこの星は敵の侵入により少しずつその輝きを失っています。
太陽系の外ではすでに輝きをなくした星々がたくさんあります。
私達のホシをこの銀河を奪われるわけにはいかない。
同じセーラー戦士として一緒に立ち向かうために今日ここに集まってもらいました。」
「本当はお互いの素性を明かして話し合えれば一番いいんだけど話が急だったからみんなも不安だと思う。まずは今日を境にお互いの力を貸してください。」
ソルが話終わるとシンとその場が静まり返った
「うん、あたしも一緒に戦えないのかなってずっと思ってたの。
改めてあたしセーラームーン、よろしくね」
そう言ってセーラームーンは一歩前に踏み出しスターライツに手を差し出した
スターライツの3人は互いを確認し合い
ファイターが前に進み出た
「こちらこそ、よろしくセーラームーン」
しっかりと手を握り合う2人の姿にソルは心から安心した
それを皮切りに他のセーラー戦士も張り詰めていた空気を和らげ始めた
「はーい、質問!スターライツはなんでそんなにスタイルがいいんですか?」
「ヴィーナス!なんて質問してるのさ!」
「ジュピター、こんな時だからよ!仲良しの第一歩は自分をさらけ出すことよ!」
「なんか違う…」
「それでどうなんですか?」
拳のマイクを向けられたヒーラーは
「分からないわよ、何もしなくてもこのスタイルだもの」
と女の子には羨ましい限りの話を面倒そうに答えた
「ふふっ」
「どうかしましたか?」
ヒーラーの話を聞いて昔のことを思い出して笑っていた私にプルートは不思議そうに聞いてきた
「うん、遠い昔に自分の体型を過信し過ぎて大変なことになった女の子のこと思い出しちゃって」
「えーだれだれ?」
「さて、誰だったかしら?サターンも気をつけてね」
「わたしは大丈夫だもん!」
「お前たちは本当に僕達に協力してくれるのか」
和やかだった場がウラヌスのその一言で張り詰めた雰囲気を作り出した
スターライツに鋭い視線を向けたウラヌスはスターライツの答えを待っていた
「私達はあるお方を探している。
その方は私達の星にはいなくてならない大切なお方。
はじめはあの方を見つけ星に戻ることだけを考えていわ。
だけどソルに言われた、一つは小さいな輝きかもしれないけれど集まれば輝きは増す。
互いを信じ、立ち向かえば困難だって乗り越えられる。
それが私たちの星にとって良い影響を与えることができるかもしれないと─。
それに私は結構この星を気に入っているの。
私達の大切なソルがいるこの星がね。」
「そうか、わかった。
だがソルの提案を聞き入れはしたが、すべてを信用しているわけではないことは伝えておく」
「あら、ウラヌスそんな言い方して、素直に心配だと言えばいいのに。
貴方はソルのこととても大切に想ってくれているようだけれどなにかあれば私しも許さなくてよ」
「ええ、わかってるわ」
「じゃ僕達はこの辺で失礼するよ」
「えーもう帰っちゃうの?」
「サターン、わがままはいけませんよ」
「ウラヌス、ネプチューン、プルート、サターン今日はありがとう」
「僕のプリンセスのためならなんて事ないさ。
またね、お姫様」
4人はそれぞれ別れの挨拶をし帰っていった
「よかったね、ソル」
「うん、セーラームーンたちもありがとう」
「当然だよ、私たち友達でしょ!」
セーラームーンの後ろでヴィーナスたちもうなずいてくれていた
「それじゃあ、私たちも帰りましょうか」
「そうね、もう日も沈んじゃうわ」
マーキュリーとマーズの言葉で5人もそろそろ帰るというのでそのまま屋上で別れた
私は3人がマンションへ誘ってくれたので
一緒に帰ることになった
「ふう─。よかったな無事終わって」
すでに変身を解いた星野はベランダの窓を開けながらひなたを中に招き入れた
「ほんと、あのウラヌスって面倒…」
「彼女もこの星を守るのに必死なんでしょう。それは私たちも同じですよ。」
「わかってるよ」
「星野、夜天、大気今日はほんとうにありがとう。
一歩前に進めたのも3人が協力してくれたからだよ。
これかもよろしくお願いします。」
「「「こちらこそ」」」
3人の重なった声に自然にその場に笑いが起きた
「それでは夕食の準備をしてきますので、ひなたさんのんびりしててください」
「わたしも手伝うよ」
「いいじゃん大気がこう言ってるんだから。僕はシャワー浴びてくる」
大気はキッチンへ、夜天はバスルームへそれぞれ行ってしまった
「それじゃ、ひなた俺の部屋に来るか?」
「いいの?」
言われるがままひなたは星野の部屋へとお邪魔することにした。星野の部屋には楽譜や楽器が置いてあり、決して散らかっているようには見えなかったが、星野は「わりっ、すぐ片づける」と言ってバラバラになっていた楽譜をまとめ始めた。
気にしなくていいのに、
そうつぶやきながら星野の背中を眺めていた。
「ねえ、星野」
「ん?」
「私、星野の言葉うれしかった」
星野は手を止めてひなたに振り返った
「この星を気に入ってるって言ってくれて。
星野にとってこの星がひとつでもいい形で記憶に残ってくれたらいいなって思ってたから」
「ひなた─当たり前だろ。確かに俺たちの星になにも起こらなければ来ることもなかったかもしれないけどつらい思い出だけじゃない。ひなたにまた逢えた。巡り合うことのなかったセーラー戦士に出会った。俺たちの知らないことがたくさん溢れてる星だ。」
星野は窓辺に近づき薄っすらと見える星空を見上げた
ひなたも隣に並び同じく空を眺めた
「プリンセスにも教えて差し上げたい。この星の輝きを。」
「火球も感じてるはずだよ、この星のどこかで」
その時星野の手がひなたの肩にゆっくりとまわされた
右肩に感じた重みにそれが星野の手だとわかると
反射的に星野を見上げた
愁いを帯びた星野の瞳を見つめているとどちらともなく顔を近づけた
が、
コンコンコン
『夕食の準備ができましたよ、早く来てくださいね』
遠ざかっていく大気の足音にここまで邪魔が入るなんて神様もずいぶんもったいぶるな、と考えてしまう星野であった
「はー食った食った!大気、デザートにこの間作ってたケーキあっただろ」
「星野あなた、いま夕食を食べたばかりでしょう」
「ケーキは別腹だって!」
「星野あの頃の失敗、懲りてないの?信じらんない」
「ほんと変わらないね…火球がいないと星野またブタさんになっちゃうよ」
「大気デザート!」
「「「はあ…」」」
星野の食欲はうさぎちゃんといい勝負なんじゃないかと思う3人であった