太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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みなさんこんにちは、ひなたです!
いつも応援ありがとうございます。
今日は私の家族であるヘリオスの一日に密着したいと思います。
ヘリオスはなんでもできて私の気持ちを理解してくれる大切な家族
だけど最近ヘリオスの様子が変なの。
別に体調が悪そうではないんだけど
なんとなくそわそわしている感じで
この間雨が強かった日は暇があれば外ばっかり見てため息ついてたの。
そういえば最近なんとなくヘリオスからやわらかないい匂いがしてくるんだよね。
もしかして恋!?かわいい子にでも出会ったのかな?
だとしたらいつもお世話になってるヘリオスのために私も役に立ちたい!
そのためにはまず状況を把握しないと!
だから今日は一日こっそりヘリオスの様子を観察しようと思います!
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「ふわ~おはよう、ヘリオス」
「おはようございます、ひなた様」
まだ眠気の冷めない私とシャキッと背筋を伸ばして身支度ばっちりのヘリオス
「あれ?私のリボンがない」
「お待ちを─」
スッとどこかに行ったヘリオス
しばらくすると私の探していたリボンを持ち戻って来た
「ありがとう、どこにあったの?」
「とあるところに…」
「─私はいったいどこ置いてたの?」
こうして私たちの一日は始まる
「ひなた様は今日の予定は?」
「今日はのんびり過ごそうかな」
「最近はなにかと忙しかったですからね、たまにはそれも良いでしょう。私は少し出かけてきますがひなた様はゆっくりお過ごしください」
「うん、ありがと。そうさせてもらうね」
よし、これでヘリオスの様子を観察できる!
朝食も済ませリビングでのんびりしていると
「それでは私は出かけて参ります」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
カラカラと窓を開けて空に飛び立っていたヘリオス
私も行動開始!
「確かこっちに飛んでいったはずなんだけど…」
ついた先は親子連れでにぎわっている公園
辺りを見渡すと子供たちで一段とにぎわっているところに白い羽毛が特徴のヘリオスの姿があった
のだが…
「どうして他のハトさんたちと一緒にエサ食べてるのかな…」
その姿はどう見ても公園で子供たちからエサをもらい喜んでいる一羽のハトだった
このハトの中に意中の相手がいるのだろうか?
「それとも朝ごはん足りなかったのかな?」
花壇の隅に隠れて様子を伺っている私を不審そうに見つめる人々
今の私って不審者じゃない?!
決して自分は不審者ではないと言い聞かせていると
一人の子どもがエサをついばむハトの中へ駈け出した
それに驚いたハトたちは一斉に空へと舞いあがる
軌道修正して再び戻ってくるハトたちとは別にヘリオスだけコースを外れてどこかへ行ってしまった
「あ、あれ?もう行っちゃうの?って、急がなきゃ!!」
「あれ~今度はどこだろう?」
走って来たものの何せ相手は空を飛んでいる
反して自分は地道に道路を走り、時には信号で掴まってしまう状況だ
開始30分でまさかのお手上げ状態?
「やあひなた、こんなところでどうしたんだい?」
「はるか、みちる!!」
「こんにちは、ひなた。どこかにお出かけ?」
そのとき私はひらめいた
「ねえ、みちる今あれ持ってる?」
「あれ?」
「そう、あれ─」
「あれっていうからなにかと思ったわ」
「ごめんね、ちょっと急いでたから」
私が言った『あれ』とはみちるの持っているサブマリンミラーのこと
こんなことをお願いするのは申し訳ないけど
ミラーでヘリオスがどこにいるか探してもらうのだ
「どうしてヘリオスの後をつけているんだい?」
「なんか最近ヘリオスの様子がおかしくて、観察してたの。」
「直接聞けばいいじゃないか」
「それじゃ面白くないよ」
「ひなたは何を期待しているんだい?」
「─いたわ」
「ほんと!?」
「ここはそうね…お花屋さんみたいね」
「お花屋さん?」
みちるに場所を教えてもらいヘリオスがいるというお花屋さんに来た
「ここにヘリオスがいるのかな?」
お店から少し離れてしばらく様子を見ていると中から綺麗な女の人が出てきた
手にじょうろを持っているということはここの店員さんだろう
そしてその女性の肩にはヘリオスがとまっている
「ヘリオスの好きな相手ってあの人かな?」
確かに優しそうな人だ
美人さんだしヘリオスが好きになるのもうなずける
最近匂っていた香りはお店に置いてある花の匂いだったのだろう
ということは頻繁に通っていたのだろうか?
「こういうことだったんだ。
それならそうと言ってくれてもいいのに」
なんだか少し淋しいな
家族なんだから相談して欲しかった
でも私に相談するまでもないかな
なんだかいい雰囲気みたいだし…
何してるんだろう私
勝手にヘリオスの後つけて
「─帰ろう」
ヘリオスの邪魔したくないし
バタン─
「ただいま…」
ソファに座りクションを抱きしめた
…なんとなく心に穴が開いたみたい
「なに落ち込んでるの私。うん、そうだよ!ヘリオスが話してくれるのを待とう。私たちは家族だもん!大切な事はきっと話してくれるよね!」
キッチンの棚からサンフラワーとローズマリーをブレンドした茶葉を取り出してお茶を入れた
こんな時はのんびりお茶でも飲もう
「─うん、おいしい。」
ヘリオスいつ帰って来るかな─
そろそろ夕方かという時間に朝出て行った窓からヘリオスは帰って来た
「ひなた様、ただいま戻りました」
「お帰り、外は楽しかった?」
「はい、とても親切な方と知り合いまして─」
「…そう、よかったね」
「─?ひなた様、どうかされましたか?」
うつむき加減で声に覇気のない私をみてヘリオスは心配そうにしてくれる
「…やっぱり、やっぱり淋しいよ!」
「ひなた様?」
「ごめん、ヘリオス!今日私ヘリオスの後つけたの。この頃様子が変だったし、何か私も役に立てないかなって…それでお花屋さんの店員さんと楽しそうにしてるヘリオス見て、勝手だけど淋しくなっちゃって。おかしいよね、私ヘリオスの家族でヘリオスの幸せを願ってるのに急に一人ぼっちになっちゃったような気がして…」
ヘリオスの沈黙が怖い
やっぱり怒ったかな…
そうだよね、誰だって後つけられたら怒るよね…
ポスッ─
「─え?」
「不安なお気持ちにさせて申し訳ありません。けれど大丈夫です。私は貴方のおそばを離れません。どんなことがあっても決して─」
頭をなでるヘリオスの羽が優しくてとてもあたたかい
「ありがとう。それとごめんね、弱気になって。もしあの人の事が気になるなら私ちゃんと応援するから!」
「それについてはひなた様が思っているような感情は私にはありませんよ」
「でも最近元気ないし、外見ながらため息ついてるし、ヘリオスからお花の匂いがいつもしてたから毎日あの人のとこ行ってるのかなって」
「そのことについては否定しませんが目的は違います」
「目的─?」
「今日丁度咲いたんです。ひなた様にお渡ししたくて─」
遠慮がちに出してきたのは小さな鉢植えに咲く小さなヒマワリ
「─これを私に?」
「はい、散歩中に店先に売られているのを見つけて眺めていたんです。そうしたらお店の方が気付いてプレゼントすることは出来ないけどこれから一緒に育ててくれるならそれを分けてくれるとおっしゃるので。」
「それでお店に通ってたの?」
「はい、もちろんお店の方は冗談で言ったのでしょうが毎日のように私が行くので驚いていました。雨の日はお店には行けないので花はどうなったのか気になってしまって。」
「そうだったの」
「ひなた様は私の太陽なのです。いつも私を照らしてくださる大きくて温かな存在なのです。」
そう言って両羽で差し出された小さなヒマワリを私は受け取った
うれしさで心がいっぱいになりポロリと涙が流れた
「ヘリオスも出会った頃から私の太陽だよ。いつもそばにいてくれてありがとう」
そう、あの日ヘリオスに出会ったから私は今ここに立っていられる
私の太陽はいつもそばで支えてくれています。
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「ところでなんで公園でエサ食べてたの?」
「公園に行くのは他のハトの方から周辺の状況を聞くためです。郷に入れば郷に従えと言いますから」
「そう…」
それにしてはたくさん食べてたような─?
今日も平和な一日でした。