太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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「くっ、ははは─」
「もう、笑わないでよ」
「いや、ごめん。でもさっきのひなたの顔がおもしろくて─」
「もう─」
せつなの用意した紅茶を飲みながら
ひなたは横目ではるかを睨んだ
「最初から言ってくれればいいのに」
「あら、はるかは何もはなしてなかったの?」
「ああ、会わせてから紹介しようと思ってたから」
「まあ、いじわるね」
二人は絶対楽しんでるだけでしょ…
香り立つ紅茶を再度口に運んだ時
ひなたの傍に近づく影があった
「改めてまして、土萠ほたるです。よろしくね、ひなたさん」
ああ、なんてかわいいんだろう
まさに天使─
ほたるのしっかりしたあいさつにひなたも姿勢を正してあいさつを返した
「はじめまして。若宮ひなたです。こちらこそよろしくね、ほたるちゃん」
あいさつを受けたほたるは満面の笑顔で
ひなたが座るソファーの隣に座った
「それにしてもサターンがこんなにかわいい子なんて、早く紹介してくれればいいのに」
「せつなママも前に会ってたんならほたるも連れて行ってくれればいいのに」
「「ねー」」
「ずいぶんと仲良くなったみたいですね」
ひなたとほたるが声を揃えて三人に抗議する
それはとてもおだやかな時間だった
お昼をごちそうになり
午後もまたゆったりとした時間を過ごしていた
ひなたはみちるのおすすめという本をソファーに座って読んでいたが本を閉じ、意を決して顔をあげた
「みんなに相談があるの」
各々午後のゆったりとした時間を過ごしていたがひなたの真剣な顔つきに
一同は動かしていた手を止めてひなたの方を見た
「私やっぱりスターライツとも手を取り合って協力するべきだと思うの」
「まだそんなことを。前にも言ったはずだ外部からの侵入者に心を許すわけにはいかないと」
「言いたいことは分かる。私あれからずっと考えてたの。どうしたらいいのかって…私は三人のこと知ってたからなんのためらいもなく協力できるけどみんなはそうじゃない。
だからまずお互いのことを知ることから始めるべきなんじゃないかなって。」
聞き飽きたという様子のはるかは再び読みかけの本を開いた
「何度も言うけどそんな簡単なことじゃない。みすみすこの地球を危険に晒すようなものだ。」
「今まで彼女たちはこの星を危険に晒すようなことをしていた?むしろセーラムーンたちの力になってくれていた。
確かに心を開いているとは言えないけど彼女たちは地球を荒らしに来た訳じゃない。
お願い、みんなが心を開いて話し合う時間が必要なの。広いこの銀河で出会った同じ戦士なんだよ。今回の戦いに挑むには必要なことなの。」
「僕たちの力では不足だというのか」
少し乱暴に本をテーブルへと押し付けたはるかの表情には憤りが見て取れる
それをみちるが落ち着けるように新しいコーヒーを出してきた
「敵は銀河のスターシードを奪っているんだよ。同じ目的を持つ戦士がいるんだから手を取り合ってもいいと思う。」
「ひなたさん、こちらにはあなただけでなく月のプリンセスもいるのです。彼女に危害が及べばプリンスにも申し訳が立ちません」
今まで事の成りを見ていたせつなは一番の気がかりを口にした
「この星の未来になにが起こるかは聞いてる。うさぎちゃんがどんなに大きな運命を抱えているのかも。
でもここを越えないと何も生まれない」
「セレニティはプリンセスであると同時に戦士でもある。私だってそう。
ただ守られるだけのプリンセスじゃない。自分にできることがあるならありたっけの力で守ってみせる」
「私は、ひなたさんの意見に賛成です」
「ほたる!!」
それまで真剣にひなたの話を聞いていたほたるは不安げに言った
「最近よくない夢を見るの。地球が黒いものに覆われる夢。すごく怖かった…
このままじゃいけない。私はひなたさんの、プリンセスの決断を信じます」
「ほたる…。わかりました、私もプリンセスに従いましょう」
「ほたるちゃん、せつなさん…ありがとう」
外部戦士の2人がひなたの意見に賛同した
「どうするの?はるか」
「みちるはどうなんだい?」
「私ははるかに任せるわ」
軽く息を吐いてはるかは足を組み直した
「…正直いまだに賛成はできない。だけど今の状況ではいけない事は分かった」
「だったら─」
「ひとつ条件だ」
「条件?」
「あの三人がその話に納得したらだ。いくらこちらが話を持ち出しても向こうが反発するなら意味がない」
やっと一歩前進だ
このチャンスを逃すわけにはいかない
「─分かってる。ちゃんと話し合って理解してもらうから、その時はよろしくお願いします。」
ひなたはソファーから立ちあがり外部4戦士に頭を下げた
よかった
まずは一歩前進だ
太陽系戦士とキンモク星の戦士、それぞれに一緒に戦っていくという意思を持ってもらい、その後、仲を深めていく先でお互いの正体を明かしていければ。
本当はみんな友達なんだよ、毎日一緒に過ごして笑い合ってる仲間なんだよ
知ってほしい、仲のいい友達が同じ使命を持った誇り高き戦士たちだということを。
ほたるがひなたに駆け寄り「よかったね」と共に笑い合っている
そんな様子をはるかとみちる、せつなは見つめていた
「まったく、困ったお姫様だ」
「ほんとね」
「支えて差し上げましょう。私たちのプリンセスを─」
この先の未来がプリンセスにとって明るいものであるように─