太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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キンコーンカンコーン
「えー泥棒が?」
「そう、この辺を荒しまくってるんですって」
放課後にみんなで中庭にやって来た
主婦のごとく井戸端会議を繰り広げるのは女の子の性なのか
「うちはとられるものなんもないから」
「甘いわようさぎちゃん、命があるでしょうが」
「この間もタバコ屋のおばあさんが包丁で脅されたんですって」
「まあうさぎちゃん家、人数多いし」
「それが今夜は一人でお留守番なの」
「あらーまだ若いのにね」
美奈子ちゃん…
なんでうさぎちゃんを不安にさせるようなことを…;;
その時私はいいことを思いついた
「ねえ、それじゃあたしが今日うさぎちゃん家に泊っていい?」
「─ほんと!?いいのひなたちゃん!」
私の提案にうさぎちゃんは目を輝かせた
「うん、一人よりは二人の方がいいだろうし」
「やったー!!」
「ひなたちゃんがうさぎちゃんの家に泊るのはいいけれどご両親に確認しなくて大丈夫?」
亜美ちゃんの言葉にみんなにまだ言ってなかったのだと思い出す
「あー、言いそびれてたけど私両親亡くしてて、ヘリオスと二人で暮らしてるの」
事情を伝えたはいいもののそれを聞いて今まで笑い合ってたみんなの表情が変わっていった
「えっ、でもお父さんの仕事の都合でこっちに来たって…」
「引っ越す前に事故で二人とも…
家ももう決めてたし、心機一転ってことでこっちに来たの。だから気にしないで」
「そうだったんだ、ごめんね今まで知らなくて」
見るからに沈んだうさぎちゃん達に
今まで伝えなかった自分を叱りたくなる
「言い忘れてたのは私だから、うさぎちゃんは悪くないよ」
話がまとまりかけた時
「なんだ、ひなたおだんごの家にお泊りか?」
ラグビー部の活動をしていた星野がやって来た
「星野、聞いてたの?」
「ひなたちゃんは今夜一人で留守番のあたしを心配して泊りに来てくれるんだって」
嬉しそうにそう話すうさぎちゃんを見て言ってよかったと改めて思った
「ふーん、じゃあ俺もボディガードやってやるよ」
「星野も!?」
「ひなたも一緒っていっても女が二人じゃドロボーが来たら危ないだろ
もし怪しい奴がきたら俺がぶっとばしてやるよ」
自信ありげに宣言する星野だけど
『私一人で大丈夫なのに(ボソっ)』
「ひなたなんか言ったか?」
「んー?なんでもない」
「ずるい!!」
「つまり星野君がうさぎちゃんちに泊るってことだよな」
「あのね…ひなたちゃんもいるから」
「抜け駆けはいけないわよね」
「あの~…?」
はは…
楽しいお泊りになりそう
~月野宅
ひなたちゃんと星野が来る前に
おうちのお掃除!!
「うん、きれいになったよね。
今日はひなたちゃんとパジャマパーティ♪」
夜食はやっぱりポテチでしょ!
あっ、でもひなたちゃんはケーキのほうがいいかな?
「星野くんもいるんでしょ。それに夜食にお菓子なんてやめておいたら…?」
「そうでした。というか今あたし夜食のこと声に出してた?」
「声にしなくてもわかるわよ。よだれが垂れてるから…」
慌てて口に手をあてればルナの言う通りよだれが…
あはは…とティッシュで拭いて掃除道具を片付けた
「星野もいいやつなんだけど乙女のパジャマパーティに乱入するなんて」
「星野君は二人を心配してでしょ?」
「そうなんだけどね」
─ピンポーン
来た!!
「はーい!」
玄関を開ければ学校とは少し雰囲気の違う二人が仲良く立っていた
制服じゃないからかな?
「来たよーうさぎちゃん!」
「よーおだんご」
「いらっしゃい、さあ上がって」
ピカピカに磨いた廊下に二人をあげて自室に案内した
「わーうさぎちゃんの部屋かわいい」
「ありがと♪そこに座って待ってて、いまお茶持ってくるから」
─ガチャン
お茶、お茶♪
そう言えばあたしひなたちゃんの家に行ったことないな
今度行ってもいいか聞いてみよ!
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
うさぎちゃんのお部屋は女の子らしい家具で揃っていた
やっぱりうさぎのぬいぐるみがある!
かわいい~
星野はさっきから横でぼーっと立ってる
「星野女の子の部屋じろじろ見ないの!」
「なっ、他に何を見るんだよ!─っ!ははーん、やきもち妬いてるのか?」
「違うもん。
それにしてもわざわざボディーガードなんてよかったのに」
「心配してるんだぜ」
「それはありがたいけど…」
口喧嘩をしつつテーブル側に腰を降ろしたところに
うさぎちゃんがお茶の準備をして戻って来た
テーブルの上に並べられたのは美味しそうなケーキ
だけど…
「星野!なんでケーキ独り占めしようとしてんのよ!?
そんなんじゃ女の子にモテないわよ」
「おだんごのこと考えての行動だぜ!太らないように、ってな!」
「余計なお世話よ!」
「二人とも紅茶が冷めるよ…」
二人のくだらない(ごほん…)喧嘩を一応諫めつつ、よく考えたら今ってすごくチャンスなんじゃない?と気付く。
セーラームーンであるうさぎちゃんとスターライツのリーダーの星野がいるんだからここで話を切り出すのもありなんじゃ…
「いいよ、ほかの女にモテても仕方ないし。
俺さ、たった一人の女性のためだけに歌ってるんだ。
俺たちは銀河でたった一人の方に気付いてもらいてたくていつも声を張り上げてる」
やっぱりチャンス!?
「あのさ二人とも─」
と、声をかけ良いとしたところで
「うわっ!」
「ちびちび~」
どこから現れたのかちびちびちゃんが星野の顔にケーキを付けていた
いや、あれはぶつけたような感じだな…
お笑い芸人も形無しの豪快振り
「こら~ちびちび~!ダメでしょ!」
うさぎちゃんがちびちびちゃんを抱き上げて星野から離すが時既に遅し。
「はあ、うさぎちゃん、星野にお風呂貸してあげてくれない?あと替えの服もあったらお願いしたいんだけど。ズボンまでケーキ付いちゃったみたいだから」
タイミング、難しいな…