太陽の在処~追憶の記憶
主人公の名前
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─ミーンミンミンミーン
「はあ~やっと着いた~!!」
「さっそくテント張って着替えて泳ぎましょ!!」
各々背負ってきた重い荷物を降ろし、
荷物から道具を取り出してテント張りを始めた。
テント張りなんてしたことがなかったがキャンプに来る前、みんなとレイちゃん家の境内で張る練習をしてきたので大丈夫だと思う。
うさぎちゃんと美奈子ちゃんが似たような部品を並べて頭を抱えているようだがあの光景、前も見たな…
「けど、さっきお巡りさんが言ってたあれ、大丈夫なのかしら…」
「キャンプ荒しのこと?」
「そう、ちびちびちゃんもいるし気になるわ」
「そうだね…」
そんな二人に反して他のメンバーは話をしながらも着実にテントを組み立てていた。
しばらくしてテントが出来上がったが夏の日差しと気温のせいですでにみんな汗だく。
「よーしできた!!美奈子ちゃん先着替えるね!」
「あーうさぎちゃんずるいわよ!!」
「あの二人は元気ね…」
「「ほんと…」」
「ちび?」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
みんなで代わる代わるテントで着替えをしてやっと水遊びの時間
「わ~ひなたちゃんの水着かわいい♪」
「ほんと?これ新しく買ったの!!」
「華やかな色も似あうけどシックな青も素敵だね」
「ありがとう、まこちゃん♪」
それにしてもみんなスタイル抜群だな
きっとレイちゃんもスタイルいいんだろうな…
今ここにいないレイちゃんの水着姿を想像してやっぱりレイちゃんは赤い水着が似合うかな、と勝手に想像を膨らませていた
「それじゃみんな行くよ!!」
うさぎちゃんの合図とともに
全員湖へと向かった
「行くよ、美奈子ちゃん!消防車ー!!」
「やったわね…ナイアガラー!!」
『『どりゃーーーーーーー』』
「ちびちびちゃん危ないから離れてよ」
うさぎちゃんと美奈子ちゃんの攻防に巻き込まれてはたまらないと思い、ウサギのイラストが描かれた浮き輪をつけたちびちびちゃんと一緒に二人から離れたところに移動した
ちびちびちゃんと一緒にうさぎちゃんたちが起こす波にゆらゆら揺られながら夏っていいな~と改めて思った
「気持ちいね」
「ちいね」
そう言えばレイちゃんは親戚のお兄さんのところ行くって言ってたな。どんな人なんだろう?芸術家だし気難しい人なのかな?でもレイちゃんの親戚だからきっといい人なんだろうな~
はー、それにしても気持ちー♪
お天気いいし、空気もきれいだし、まさに避暑地♪
なんて呑気に水に揺られていると
「あれ?なんかあそこに影が…」
うさぎちゃんと美奈子ちゃんが今だ水の掛け合いをしているその奥に三つの黒い影が見えたような気がした。
気のせいかとも思ったがその影はどんどん大きくなり近づいてきている
「うさぎちゃん!!美奈子ちゃん!!」
『『どりゃーーーーーーーーーーーーーーー』』
急がないと二人が!!
それにしても─
「進みにくい─!!」
水をかき分けて進むが水圧と二人の方から流れてくる波で前に進めず焦りが募ってくる
間に合って!!
腕の伸ばしてうさぎちゃんの腕にあと少しというところで水面から出てきたのは
「せいや…?」
と夜天に大気
なんでここに?
「よう!びっくりしたか?」
─────────
岸に上がり星野たちに話を聞くと
どうやらここの近くで撮影をしているらしい
そう言えばこの前に予定を聞かれたことがあった
うさぎちゃんたちと出かけるって言って落ち込んでたのは
ここに誘ってくれようとしたのかな?
「星野たちが地球を守る正義の使者!?ぷっははははは─地球もおしまいね」
「うるさいぞお団子!ってひなたも笑うなよ!!」
「っご、ごめ…くくくくっ」
「こらえてんじゃねえか…
んで、湖に蘇った怪人がキャンプに来た若者たちを襲うんだけど
そいつを俺たちが倒すってストーリなわけ」
「ここで暴れてるのもその怪人だったりして、美奈子こわーい」
「なんですかそれは」
「この辺りにキャンプ荒らしが出てるらしんです」
「まるで僕たちが撮ってる映画みたいだね」
「美奈子こわいの」
その時星野の顔が怪しく笑ったような気がした
「そりゃほっとして本当にいるのかもしれないぜ」
「なにが?」
「その怪人がだよ」
星野が脅かすもんだからうさぎちゃんがちょっと怖がってる
「あ~んこわ~い、夜天君まもって~」
美奈子ちゃん…
そうしているうちにスタッフさんが三人を呼びに来た
「それじゃ、お仕事がんばってね」
「ひなたも気をつけろよ」
「キャンプ荒らし?」
「ああ、マジで怪人出るかもしれないからな」
「さっき星野が怪しい顔してたのと関係ないといいんだけど?」
「そ、んな顔してないぜ?」
星野の目が泳いでいる
「ふーん?」
「星野なにしてんの!行くよ!」
「今行く!!ああ、それと─」
「ん?」
「その水着似合ってる」
「─っ/////ありがと」
太陽の暑さとは違う火照りが顔を染めていくのが分かる
そんな私を見て星野が満足な顔をしているのがなんだか悔しい
「ほら、早く行ったら///」
「はいはい、照れるなって」
その後レイちゃんが戻りみんなでカレーの準備を始めて
各々役割を決めて調理に取り掛かった
意気込んで包丁を持ったうさぎちゃんと美奈子ちゃんは
自分さえ傷つけてしまう包丁を早々に没収され、まきを集めることになった
その方が私も安心できる
「大変だーー!!!」
そろそろ準備も終わろうとしていた時
大気と夜天が慌てた様子で走って来た
「夜天、大気どうしたの?」
「出たんです!キャンプを荒らした怪人が!」
─っ?!
「「「「「えぇえええええ─?!!!」」」」」
うさぎちゃんがちびちびちゃんを抱えて
みんなで輪になり状況確認
見渡せばみんな顔が強張ってる
「どうしよう」
「まさか」
「どうしたのレイちゃん?」
「お兄さん仕事場にいなかったの。もしかしたらそのキャンプ荒らしに襲われたのかも─」
「お兄さんが!?そんな…」
『きゃー!!、あっちに行ったぞー、逃げろー』
他の人の恐怖する声が聞こえて
今まさになにか起こっていると感じる
けど…
「失敗作だーーー!!」
「「「「「きゃああああああああ─!!」」」」」
「「わーーーーーー」」
突然現れた怪物がハンマーをふりまして
テントや食器を壊していく
「なりきってるね」
「でもあんなもの持ってましたっけ?チェンソーだったんじゃ?」
「どういうことかな?」
「…ひなた/さん」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
うさぎちゃんたちは驚いて森の方へ行ってしまった
「星野がみんなを驚かそうと企んで二人も便乗したという訳?」
「「はいそうです…」」
二人を問い詰めたら白状したはいいものの
「なかなか戻ってきませんね。まだ追いかけまわしてるんでしょうか?」
「星野も悪乗りしすぎだよね」
「ねえ星野があそこまでする?テントも作った料理もぶちまけたりして」
「そういわれればそうですね…」
「戻って来たね」
「ですね」
森の方へ目を向ければチェンソーを振り回している怪物がいる
さっきと違ってあまり怖さは感じない
いや、怪物って感じの被り物はしてるんだけど、こう、作られた怖さ?みないな感じ?
さっきは近づいたら危険って感じの空気感だったからこっちの怪物はあまり怖さを感じない
「あれが星野?」
「そうですよ。星野いい加減お終いにしましょう」
「僕お腹すいたよ」
「は?もうっておれはまだ何もやっちゃいないだろ。
第一お団子たちはどこなんだ?ってひなた!?
おまえらバラしたのかよ!」
「バラしたって…みんな本当に怖がってたんだからね!」
「それがキャンプの醍醐味だろ!」
「威張らないで」
「…星野ひょっとしてあなた今来たんですか?」
「そうだよ?せっかく脅かしてやろうと思ったのに他の奴らどこに行ったんだ。
なんだ!?テントがぶっ壊れてんじゃねえか?」
─っ!?
「夜天、ひなたさん、さっきのは」
「「本物!」」
私たちは状況のつかめていない星野を置いて森に向かった
「おい!なんだよ本物って!おい!」
─うさぎちゃんたち、どこに行ったんだろ
私たちはそれぞれ道を別れ、逃げたみんなを探す
「おい、ひなた!どういうことだよ!」
「星野、早いね」
「動きずらいから脱いだんだよ」
「最初っから着なきゃいいのに…」
「だってよ…」
その時、木と木の隙間からハンマーを振り上げている怪物が見え、星野にわかるようにその方向を指さした
「星野あそこ─!」
「了解─ひなたはここにいろ!」
「えっ?ちょっと星野─!」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ファージにされたレイちゃんのお兄さんは
セーラームーンによって無事元の姿に戻ったそうだが
ムー…
「ひなた機嫌直せよ」
「だって…」
私はあの事件以来機嫌が悪い
それは私を置いてきぼりにしたからだ
いや、私も星野を置いて行ったけど
それとはちょっと違う
「私だって戦士なんだから甘やかさないでよ」
「悪かったって。というか俺はプリンセスとしてひなたの印象が強いから無意識に…」
わかってる
戦士としては本当に経験が浅すぎる
いくら体術ができるって言っても同じプリンセスで戦士のうさぎちゃんより経験が浅いのは確かだ
「次は本当に許さないから」
「分かったよ」
その返事を聞いて空を見上げれば
星がきらきら輝いていた
「なあ─」
「なに?」
横を向けば触れる距離に星野の顔
星野が何をしたいかは察しがついた
星が輝く空の下で、っていうのもロマンチックかな
両肩を引かれ
グッと近づく二人の距離に心臓がうるさく騒ぎ出
「ちゅー?」
す…
「ちゅー、するの?」
「ち、ちびちびちゃん─////」
「ちびすけ─////」
いい雰囲気の中でちびちびちゃんの登場
咄嗟に腕を伸ばして星野から距離を取り
「どうしたの?眠れないのかな?」とちびちびちゃんを抱き上げて「それじゃあおやすみ、星野」
と星野の顔もまともに見られないくらいの火照った赤い顔で急ぎテントに向かった
とことん甘い時間には縁がないみたい
またお預けみたいだね、星野