太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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キンモク星にやってきて初めての朝
「ん~きもち~~」
アイリアバルコニーで朝日を浴びながら
今日の予定を考えていた
「今日は…宮殿の周りを散歩しようかな♪」
素敵なものに出会えるようなワクワクした気持ちだ
そうと決まればさっそく身支度を整えて、ふわふわとした髪をゆるく三つ編みにして
リボンを結べは完了!
──昨日は火球と一緒に夕食を食べた
傍にはあの3人の戦士も控えていたけど終始無言だったな…
火球には笑っているのに…当たり前だけど
私は私らしくいれば大丈夫
きっとわかり合えるから
───────────────
ファイターは朝から忙しく働いていた
プリンセスの警護はもちろんだが、城の警備を仕切る必要もある
今は先ほどまでプリンセスが読んでいた資料の本を元に戻しに行く途中だった
手には本を、頭の中は次の仕事のことでフル回転
長い廊下をひたすら進んでいると
目の端にひらりと揺れるドレスの裾が見えた
そちらに目をやると昨日太陽からやって来たプリンセス・アイリアが大きな木の前に佇んでいた
自分のプリンセスは仲良くしたいようだが
彼女を守る戦士としては素直に受け入れるのは難しい
どんな人柄なのかも分からず、遠く離れた太陽のプリンセスと言われても主を傷つける可能性が0(ゼロ)とは限らない
(昨日けん制したとき驚いた顔をしていたから大人しくしていてくれるだろう…)
プリンセスと言ってもか弱い少女
そう思って再び歩を進めようとしたとき
「さあ、いくわよ!」
「…えっ?」
ファイターは目が点になった
何故って、大人しくすると思っていた太陽のプリンセスが大きな木を登っていくのだから
「ちょ、ちょっと!なにをしているの!早く下りなさい!」
「あら、ファイター。おはよう」
「おはようじゃないわよ!昨日言ったわよね、大人しくしててって!」
「ねえファイターも登ってこない?とても素敵な景色だよ」
「登らないわよ!早く下りて!あなたが怪我でもしたら私のプリンセスの迷惑になるの!」
アイリアは不満げな表情を見せたが
諦めて木の上から降りる事にしたようだ
その行動には呆れるしかなかったが
ドレスの裾を持って飛び降ります!という格好の
アイリアを見て再び声を張り上げた
「待って!飛ぶつもり!?ちょっと、やめてちょうだい!」
「どうして?降りろって言ったり、ダメだって言ったりどっちなの?」
「そんな高い所から飛んだら怪我するじゃない!」
「大丈夫よ、そんなヘマはしないわ」
私は鳥なの♪と語り出しそうな勢いだが本当に怪我でもしたら困る…
アイリアが怪我をするのが困るというより、
そのことで自分のプリンセスの悲しい顔を見るのが嫌だった
「ちょっと待ってて、今あたしがそっちに行くから!」
今まさに飛ぼうとしていたアイリアはその言葉で曲げていた膝を元に戻した
それを確認してからファイターは地面を蹴った
着いた先は大きな木の太い幹の上
よくこんなところまで登ったものだと感心する
「ほら、掴まって…」
そう言ってアイリアに手を伸ばした時
「─ファイター見て!」
アイリアは白い腕を空に向け一点を指さしていた
なによ…と何気なくそちらを見ると
空から輝く光の帯が伸び、
眼下に広がる街を優しく照らしていた
まるで天使が舞い降りてきそうなその光はすっと消えっていった
「素敵な星ね…」
その言葉に最近はあまり景色などにも目を向けず仕事をしていたと感じた
宝物でも見つけたように笑っている太陽のプリンセス
─こんな日があってもいいかもね…
警戒していた気持ちが少しだけ溶けていった気がした