太陽の在処~新たな運命
主人公の名前
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キーンコーンカーンコーン
「今日は掃除当番か…」
放課後部活に向かう人やおしゃべりに夢中になる人、帰宅する人など
様々な様子で賑やかになった教室で
掃除当番を思い出した私は早く済ましてしまおうと立ち上がった
「ひなた、いいもんやるよ」
「いいもの?」
他の人同様に帰る様子だった星野がポケットに突っ込んでいた右手をさっと抜いて私に差し出した
それは一枚のチケットだった
「これは…?」
「今度俺たちがやるコンサートのチケット、よかったら来いよ」
差し出されたのはこの間うさぎちゃん達が言っていた
みちるが出るジョイントコンサートのチケットだった
「これ、もらっていいの?」
「俺の歌聞きたいだろ?」
ナルシ─、いや言わないでおこう…
でも今が放課後でよかった
じゃなかったら女子たちにもみくちゃにされてるところだったよ
「ありがとう、星野たちの歌聞きにいくね」
私の反応を見た星野は何やら満足そうに笑って
「ぜってースゲーコンサートにすっからな!!」
そう言って稽古に行くと帰って行った
みちると星野たちのコンサート、行けるんだ///
諦めていたはずだったけど、やっぱり見たい気持ちもあって
うさぎちゃん達がちょっと羨ましかった
みちるのバイオリン生で聞けるんだ//
それとずっと気になっていたスリーライツの曲も…
星野はどんな気持ちであの曲を歌っているのかな
~コンサート会場~
ひなたにチケットを渡した数日後、ジョイントコンサートの日がやって来た
俺たちは控室で時間が来るまで待機していた
「いったいどんなやつだ 海王みちるって」
「なんかやだな、知らない人とジョイントするなんて」
「気にすることないでしょう。私たちは私たちの演奏をすればいいんです。プリンセスの為に、それに星野は呼んだんでしょう?彼女を。」
「ああ、俺の想いあいつに届けるんだ。さあ行こう、時間だ」
プリンセス、そしてひなた
この想いを聞いてくれ
「やっぱ現地集合はまずかったかな?」
「ねえ、もうすぐ始まっちゃうよ」
「うさぎったらなにやってのかしら」
「バス乗り間違えてぜんぜん検討違いなとこに言っちゃったとか?」
「まさか~おっちょこちょいのうさぎちゃんでもそれはないでしょ!」
と思っていたけど、後から聞いたら本当に検討違いな場所に行っていたらしい
~♪
すごい
スリーライツの曲には前に感じた時よりさらに大きな想いがある
みちるの星の力が加わって想いの力が溢れる
なんだろう、心に届く温かい力
感じたことのある星の輝き
この輝きは…どこで
“コンコン”
『はい、どうぞ』
「失礼します」
「若宮さんでしたか」
「大気くん、夜天くんおつかれさま」
コンサート終了後私はスリーライツの楽屋を訪問していた
私は全然気が付かなかったんだけど
どうやら私のもっていたチケットに細工がしてあって
それを持っている私を公演後楽屋まで案内するように
スタッフさんに言ってあったみたい
「やあ、ひなたどうだった僕たちの演奏?」
「すっごくよかった!心に響くすてきな演奏だった!」
質問してきた夜天くんとそれを聞いていた大気くんが
穏やかに笑う姿に弾んでいた気持ちがさらに高鳴るのを私は感じた
「そう、それはよかったよ」
「─ところで星野は?」
楽屋に入ってからなんだか静かだと思っていたら
私をこのコンサートに誘った張本人の星野がいない
星野にお礼が言いたかったのだが
「星野ならいま海王さんの楽屋に行っていますよ」
「みちるの楽屋に?!」
「ひなたあの人のこと知ってるの?」
「うん、この間再会したばっかりなんだけど昔からの知り合いなの」
私の言葉を聞いて怪訝そうに顔を見合わせる二人に
「どうしたの?」と聞くが
「いえ、なんでもありません」とはぐらかされてしまった
「星野ならもうすぐで帰ってくると思うよ」
夜天くんは雑誌を片手にそう教えてくれた
それじゃ少し待とうかな、そう思った時
“─っ!!”
この感じは─
「ひなた、僕たちちょっと用を済ませてくるから」
「えっ?」
「星野が戻るかもしれないのでここで待っててもらえますか?」
「うん、わかった」
そして二人は私を楽屋に残して出て行った
ファージの気配がした
また敵が現れたんだ
今の私はなにもできない…
みんなの力になってあげられない
これじゃなんのためにクイーンにお願いして転生したのかわからないじゃない
“グッ”
強く手を握りしめれば爪が手のひらに食い込み
じんわりと熱くなる
それでも私はみんなを導くと決めたんだから─
改めて決意を固めファージの気配がする
ステージ方面へと走った
私がステージについた頃
セーラームーンによって丁度ファージが浄化された時だった
そばにはスターライツがいた
3人がそろっているは初めて見たため
その様子を私は陰で伺うことにした
『まって今日はちゃんとお礼意を言わせて』
『たすけてくれてどうもありがと。これかも一緒に戦ってくれる?』
『どうする?』
『どうやら敵は同じみたいだし』
『足ひっぱらないならいいんじゃない』
『そういうことね』
セーラームーン
あなたはやっぱりあの頃と変わらない優しさを持っているんだね
セーラームーンとファイターが握手を交わそうとした瞬間
見覚えのある技が飛んできた
─っ!?
『なにもの!』
『消えろ 次ははずさない』
ウラヌス
貴方の気持ちは分かるけれど─
すれ違った心は簡単には戻らない
お互いが星の輝きを持つ戦士
一緒に輝かせられればどんなによかったか
セーラームーンを強制的に説得した二人を私は追いかけた
「はるか!みちる!」
すでに変身を解いていた二人は車に乗り込むところだった
「あら、ひなた楽屋に来てくれればよかったのに」
みちるの優しい声は今は聞こえない
「あの三人は悪い人じゃないよ」
二人に伝えたかった
あの三人からは温かな星の輝きを感じるのだと
「どうしてそう言い切れる」
はるかの低くなった声に動じなくなるには
どうしたらいいのかいつも心の奥で考える
でもいつまでも怯えてはいられない
「わたしの太陽のプリンセスとして力がそう教えてくれるの。二人が私やうさぎちゃんを大切にしてくれるのは分かる。でも彼女たちがこちらに危害を加えたわけじゃないんだからもう少し様子を見てもいいんじゃない?」
「そんなゆとりのある話じゃないんだ。僕たちには地球や君たちを守らなければいけないんだ。甘く考えていたらあとでどうなることか」
そして二人は車に乗り込み
「ひなた、ごめんなさいね」
みちるのその言葉だけが冷たく置き去りにされた
「私は、諦めないよ─」