太陽の在処~新たな運命
主人公の名前
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ひなたちゃんに帰るように伝え
敵のところに来たまではよかったんだけど
「ぎゃあああ~」
「セーラームーン!!」
「セーラーキャッチ☆小じわがすっきり化粧水はいかがですかー!!」
「あたしにはまだ、必要ないでーす!!」
そう言って逃げ回るセーラームーンをファージはなぜかしつこく追いかけまわしている
「それに、小じわだったらマーズの方が心配でしょ~」
「なんですって!!そんなこと言ってたら助けてやんないんだから!!」
「マーズのいじわる゛ー!!」
そうは言ったものの、狙われているセーラームーンをほっといておけるわけもなく
攻撃を仕掛けるべく構える
しかし意外と動きが速い為なかなか的が定まらない
「どうしたらあいつだけを狙える…」
「今なら美容液もつけますよー」
「ってそれなんか緑色してるんだけどーー!!」
─どうしたら
そうだわ!!
「セーラームーン!!こっちへ、あたしの方に向かって走って来て!」
「え!?」
「いいから早くしなさい!!」
渋々といった感じだったがセーラームーンはあたしを目標に進路を変えた
そしてあたしは構える
─もう少し
「ブレイブ─」
セーラームーンとの距離が5メートルほどで詠唱をはじめ
「スナイパー!!」
セーラームーンが私の横を過ぎた瞬間に現れた敵へ攻撃を放った
「ぐわあああああああ─」
「今よセーラームーン!!」
「ここからなら大丈夫かな…」
先に帰れと言われても心配で落ち着かない
しかし堂々と出て行って二人に御小言もらうのは勘弁したいので
こうして植木に隠れているんだけど
敵と対峙していたのは稽古場にもいたセーラームーンと赤が基調の服を着た子だった
うさぎちゃん達は逃げたのかな
『いいから早くしなさい!!』
「え─?」
その声に顔を覗かせればまるでセーラームーンを狙っているかのように
構えている姿にドキリとする
違う、後ろの敵を狙っているんだ
『スターライトハネムーン・テラッピーキス!!』
なんでだろう、
いつもこの光に包まれると苦しくて
悲しくなって
そして暖かいと感じていた
しかし今日は違った
私の頭はいつもの痛みでは無くある映像が流れていた
『アイリア、今度はどんな星に行くの?』
『聞いてよ!アイリア、みんなったらひどいのよ!』
『気を付けてね、アイリア!』
─アイリア
大切な約束を…思い出した
あの日クイーン・セレニティと交わしたあの子を守るという約束
セーラームーンはきっとセレニティだ
同じ暖かさを持つあの子が…
あなたの暖かい光が私に大切な記憶を思い出させてくれたんだね
セーラームーンともう一人はきっとマーズだろう
二人は既にいなくなっていたがどうしても伝えたかった
いつの間にか頬をつたっていた涙をそっとぬぐって
私は土で汚れたスカートを気にすることもなく出口に向かった
どこにいるの?
辺りを見渡せばセーラームーンの羽が目の端をかすめた
あそこだ…
この先にセーラームーンがいる
浮足立つ気持ちを落ち着かせて向かえば賑やかな声が聞こえてきた
「もう!あたしがいなかったらどうなってたか!!」
「だからっていきなりこっちに向けないでよ!ビクッリしたじゃん!!」
「うさぎがのろまなのがいけないんでしょ」
「もういじわるばっかり言って!!」
うさぎちゃんとレイちゃん…?
なにかがストンと落ちたような、そんな感覚になった
そっか…うさぎちゃんがセーラームーンだったんだ
だから始めて会った時から懐かしい気持ちになってたんだね
記憶が戻ったこと、セレニティがセーラームーンであること、
そしてセーラームーンがうさぎちゃんであること…
この短時間でいろいろなことが分かって若干追いつけない思考に私は壁に背を預けて
ズルズルとしゃがみこんだ
決してつらいわけじゃない
けれどいっきに靄が晴れて少しだけ眩しい感覚
膝を抱えて少しだけ自分が作った陰に隠れてみる
今は落ち着こう
二人の声が次第に離れていく
未だに口げんかしている二人に口角が上がる
まさか偶然にも高校で友達になった人が前世からの大切な友人だったなんて
「きっと、驚くだろうなww」
顔をあげれば空が今日の終わりをつたえていた