太陽の在処~新たな運命
主人公の名前
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─カタン
普段より少し遅めの登校
机の上に置いたカバンはいつもより重く感じた
昨日はあれから霧がかかったような頭を抱えながらどうにか商店街までたどり着いた
記憶の中にいたのは長い髪の女の子
笑ってる顔がとっても素敵だった
私はあの子をしっている、そんな気がする
だけど思い出せない…思い出そうとすると靄がかかって頭が痛む
もう少しなのに、もう少しで掴めそうなのに伸ばした手を記憶がすり抜けていく
───それにしてもヘリオスったら何を考えてるのかな
商店街について少し経ったらまた私の肩に戻ってきた
持ち逃げした北里さんとどこからか持ってきた500円を一緒にくわえて…
博打でもしてきたのかな?
「よっ、おはようひなた!」
ヘリオスが博打をしているところを想像していると朝から元気に星野がやって来た
「おはよう星野。いつも元気だね」
「ひなたは俺のこと悩みごとがない能天気な奴だと思ってねぇか?」
「ん~悩みごとがないとは言わないけど壁があってもぶっ壊して突き進んで行きそうだよね♪」
「あのな…;;」
「しかし[#da=2#]さんこんな星野にも悩み事があったりするんですよ」
「そうそう、こんな星野にもね」
後ろから大気くんと夜天くんがやって来た
あの日体育館で始めて話をした二人は私が同じクラスだとわかってすごく驚いていた
私ってそんなに地味?
まあ他の子はみんなスリーライツに夢中で3人を囲んで楽しそうにしてたんだけど
一緒になって騒ぐのも面倒だし…
「夜天、こんなってどういうことだよ!!」
「ふふっ、そうなんだ~何悩んでんの?」
「ひなた、楽しんでるだろ…」
「そんなことないよ(笑)」
「星野が悩み事!?あはっはは!!雪でも降るんじゃないの?」
どこから聞いていたのかうさぎちゃんがお腹を抱えて笑っている
「お団子と違って俺繊細だから」
「なんですって!!じゃあそれじゃあたしが繊細じゃないって言うの!?」
「うさぎちゃん今日は遅刻しなかったんだね~」
「ひなた、今そういう話?」
夜天の切り返しに大気は確かにと思い、ただただ呆れていた
只今テスト中…
「チキショー!!」
「えっ!?」
その声に驚き、見渡せば発信源は星野だった
怒りを含んだ顔で答案用紙をギリギリと睨んでいる
周りでは
大気くんと夜天くんが静かに笑っている
うさぎちゃんは怪しく笑ってる
あれは、赤点だね…;
返ってきた答案
うさぎちゃんと美奈子ちゃんは案の定赤点だったらしい
「二人とも高校には留年があるのよ」
「まぁ一年くらいダブってのんびりするのもいいかもね」
まこちゃん、フォローする気ある?
「てか、ひなたちゃんは何点だったのよ!!」
「私?79点!!どう!?この中途半端な点数!!」
「中途半端って、いい点数じゃない!!」
「dessertとdesertを間違えちゃって一点減点されたの!!丁度お昼前だったから先生のコメントに『気持ちはわかるが次はない!!』って書いてあった~それあったら80だったのに!!」
「「「「いや点数もらえただけでラッキーだよ;;」」」」
「全く、人事だと思ってよぉ!友達甲斐のない連中だぜ、ったく」
「あんたも赤点だったんでしょ!!」
「ダメよ~高校は留年があるのよ~」
うさぎちゃん、自分は?
少し離れたところでうさぎちゃん達がじゃれあってる
16点…
…あと一点あればな~
グッ!
えっ、何!?
腕を引かれ突然現実に引き戻される
状況を確認しようと見渡せばいつの間にかレイちゃんがいた
ほんと神出鬼没だよね
てか、なに興奮してるの?
「それじゃ俺ら行くから!!」
と星野が言えばなぜか私も引っ張られる
「せ、星野!!どこいくの!?」
「いいから、こいよ!!」
ついた先は星野達のミュージカルの稽古場
半ば結局引きずられるようにして来た私は見学すると後ろをついてきたうさぎちゃんたちと一緒に部屋の外で練習風景を見ることになった
華麗に踊り歌う姿には素直にかっこいいと思う
「すごいんだね、スリーライツって…」
「ひなたちゃん、今頃気づいたの!?」
素敵だわ~あたしもいつかあんな風に…
美奈子ちゃんが一人妄想の世界へと旅立っている
音楽がとまると、演出家の女性が彼らの元に近づく
「星野君だけ、頭からもう一度」
「またかよ。今度はどこが悪いってんだよ!」
「言ったでしょ。全部よ!」
「…教えてくれたっていいだろ!どこがだめなんだよ!」
「だめなものはだめなのよ。歌も踊りも、お芝居もね」
「っく…楽でいいよな、演出ってだめだめいってればいいんだからよ」
「言っても分からないんだからそうするしかないでしょ。どういう芝居でどういう歌にどういう踊りか。私の欲しい物は全部話してあるでしょ。これ以上何か言えっていうんなら私に言えることはひとつだけ。それでもプロなの?ってこと!」
「っく!!!」
「きっつーい…」
うさぎちゃんがポロっと言葉をもらす
言葉はきついが確かに星野には歌のときとは違い物足りなさを感じる
私は入り口のドアから離れて一人階段に腰かけた
すると休憩に入ったのか星野たちとうさぎちゃんたちも階段まわりに集まり先程の監督さんについな語り始めた
星野はイラついたように壁を殴る
「やつは、俺を憎んでる!」
「でもさ星野、」
「なんだよ…」
星野は怒りを含んだ目で私を見つめた
「夜天くんたちはいつも通りなのに星野は歌ってるときとなんか違った」
強ばった表情の星野は私に迫って来た
壁に追い込まれた私の顔の横にバン!!っと手をついた
「─っ!!おまえに何がわかるんだよ!!」
こんな星野は見たことがない
攻められたこと、届かないこと、いろんな気持ちが私の中でグルグル渦巻いている
「何もわかんないよ!!だけどこれだけは言える。
今の星野には届けたい想いは誰にも伝えることはできない!!」
「─っ!なんだとっ!!」
「いつまで休憩してるつもり?さっさと戻ってらっしゃい!」
一触即発状態のタイミングであかねさんがやって来た
星野は壁から手を離し私を睨んでいた目線をあかねさんに向けた
「これだよ…」
「それから、貴女達。」
「あたしたちですか?」
「そうよ、邪魔だから早く出て行って。だいたい、稽古場にこんな子達を連れてくるなんて、どうかしてるわよ。星野君、貴方達、まさか女の子にちやほやされたいからアイドルやってるとか、そういうんじゃないでしょうね?」
「なに!?」
あかねさんがかけていたサングラスをはずす
「あ!シスターアンジェラ!!」
「火野さん…」
レイちゃんの知り合いかな…?
聞きたいけど先程の星野とのことがあり私はそのまま帰ることにした