太陽の在処~新たな運命
主人公の名前
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「クラウン?」
うさぎちゃんが放課後私のところにやって来た
「私たちがよく行く喫茶店なんだ!よかったらひなたちゃんもどう?」
「うん!行きたい!!」
帰り支度していた手を止めてうさぎちゃんの誘いにうなずいた
「よかった!そうと決まればさっそく行こうーーー!」
そう言うな否や私の手を掴んで走り出す
「ちょ、ちょっと待って!!まだ支度が──!」
―――――――――――
クラウンというお店につくとそこにはまこちゃんと美奈子ちゃんと
知らない女の子が二人いた
一人は同じ制服で水色の髪がよく映える
「私は水野亜美です。隣のクラスなの。よろしくね、ひなたちゃん」
もう一人はあのお嬢様学校に通っているという
「私は火野レイ、学校は違うけどよろしく。うさぎが迷惑かけたら言って、
いつでも懲らしめてやるから」
「ちょっと、レイちゃん!私ひなたちゃんに迷惑なんかかけてないわよ!!
言いがかりはよしてよね!」
「あんたは知らない間に迷惑かけてんのよ!!」
「なにおーー!!!」
「よろしく…;;」
ケンカ始めちゃった;;
誰か止めないの?
「ほら、二人ともひなたちゃんが困ってるよ!」
まこちゃんが見かねてケンカを止めに入った
「ふふっ、二人は仲がいいんだね。ケンカするほど仲がいいって言うし」
「ひなたちゃん!騙されちゃだめだよ!レイちゃんは鬼なんだから!」
「う~さ~ぎ~!!」
私、余計なこと言ったかな・・・
「二人とも!!!」
「「ごめんなさい…;;」」
おー、まこちゃん強い!!
レイちゃんとうさぎちゃんはいっきに縮こまった
「ひなたちゃんはこの近くの中学に通ってたの?」
いままで二人のケンカを静観してた亜美ちゃんが話かけてきた
「ううん、私いままで京都にいたの。最近こっちに越してきたんだ」
「へ~京都、いいわよね。雅な感じが私にぴったりww」
うっとりなにかを想像している美奈子ちゃんに周りは若干引き気味…
「こっちに来たのは親御さんのお仕事の関係で?」
「…うん、お父さんの仕事の都合でね。京都は素敵な街だよ。
自然も多いし、何より落ち着ける場所がたくさんあるの」
「わかるわ~京都はやっぱり日本人の故郷よね~
あのきらめくような笑顔の星野君と腕を組んで、
燃えるような紅葉のトンネルを歩くなんてロマンチックよね~」
美奈子ちゃんも手を胸の前で組んでうっとりとしている
「私は断然夜天くんだわ~
クールな彼と一緒に歩きたいわ~」
うさぎちゃんにがみがみ言ってたレイちゃんはなぜか途端にうっとり
「二人ともだめよ、肝心の大気さんを忘れてるわ。
私なら嵐山に続く渡月橋を渡りながら知的な大気さんと文学について語りたいわ」
ジー・・・
皆の視線が亜美ちゃんに集まる
「やあね、たとえばよ!たとえば///」
「あたしは誰かっていうと星野かな///」
まこちゃんも話に参戦して花を飛ばしているが、
「ねえ、さっきから何の話をしてるの?その星野とかいう人は友達?」
「「「「ひなたちゃんスリーライツを知らないの!?」」」」
今まで盛り上がってた4人は驚いた顔で私に迫ってきた
みんな顔近いよ・・・;;
うさぎちゃんも私と一緒で話についていけないようだ
「スリーライツって誰?」
信じられな~い!と叫びながら美奈子ちゃんは鞄の中から一冊の雑誌を出してきた
そこには三人の男性が雑誌の見出しを飾っていた
どうやらこの三人がみんなが言っているスリーライツなんだろう
確かにかっこいいけどよくわかんないな~
私が一通り読んだところで顔を上げれば
またもやうっとりしている4人
その中で一人うさぎちゃんだけが暗い顔をしながらジュースを回していた
「うさぎちゃんどうしたの?何か悩み事?」
私のその言葉で気付いたのだろう4人もうさぎちゃんの様子に声をかける
「あのね─」
そう言ってうさぎちゃんは事情を話はじめた
「衛さんがアメリカに留学なんて一言も言わなかったじゃない!」
レイちゃんがうさぎちゃんに迫るように問いかける
「論文が認められて、アメリカの大学に招かれるって…」
うさぎちゃんは一生会えなくなるわけじゃないからって笑って言う
事情はよく分からないけどその“衛さん”って人がうさぎちゃんにとって大切な人だってことはよくわかった
でなければあんな辛そうな顔なわけないもん
だけど事情を知らないからこそ、ここで軽々しく口をはさむわけにはいかない
他の4人も何も言うことができず今日は帰ることになった
帰り道わたしは途中までうさぎちゃんと方向が一緒だった
始めこそ空元気だったうさぎちゃんが急にぽつりと言った
「ひなたちゃんごめんね、あたしが誘ったのになんか暗くしちゃって…」
「ううん、気にしないで。大切な人が遠くに行くって不安だよね…あんまり力にはなれないかもしれないけど私でよかったらいつでも話聞くから」
“ありがとう”と笑ったうさぎちゃんは手を振りながら私とは反対の道を進んで行った
その背中はやはりどこか寂しそうだった