太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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私の少し先を行くのは側近のヘリオス
そして私の斜め後ろをつくのはセレニティの側近のルナ
ヘリオスがセレニティの場所を確認した
今はただその無事を確認したい
「あそこです!」
ヘリオスが声を上げる
そこにいたのは紛れもないこの月のプリンセス・セレニティ
「セレニティー───!!」
私の瞳に映った金色の髪が揺れる
「──その声は、アイリア?アイリアなの?!!!」
傍まで走りより私はセレニティの手を握った
「はあはあ、──っやっと見つけた!!─さあ安全な場所へ行くわよ!」
引いて行こうとしたが掴んだ手は反対の方へと進もうとする
「いや!エンディミオンを置いてはいけない!」
そう言われ見渡せば少し先の方でエンディミオンが一人、敵と戦っていた
「ヘリオス、彼を手助けして!」
「招致」
ヘリオスは再度体を浮かせエンディミオンの方へ飛んで行った
「今のうちに行くわよ!」
そう言って手を引くが、
「いや!置いていけないわ、あの人も一緒でないとここを動かないわ!!」
「プリンセスわがままを言わないでください!まずはあなたの安全が最優先です!」
「ルナ、そんなこと言わないで!!」
セレニティは彼が一緒でないと頑として動かないだろう
先ほどから涙を流すだけで一向に動く様子がない
仕方ない、少し手荒になってしまうけど…
そう考えていると─
「ソル様お逃げください!ただならぬエナジーが膨大しています!一刻も早く!」
ヘリオスがまくしたてる様に危険を知らせてきた
「ただならぬエナジー!?どういうこと!?」
「今は説明している時間はありません!お早く!!」
セレニティを抱え、走り出そうとした時
「ぐっ──!」
「──っ!エンディミオン!!!!」
黒く禍々しいものにエンディミオンが包まれた
セレニティが私を押しのけてどんどん禍々しいものに近づいていく
「─セレニティ!!行ってはだめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
消えてしまった
二つの輝きが
私の目の前で儚く…
伸ばした手はその腕を掴むことなく空を彷徨う
そんな…どうして、私は守れなかった
守りたいと心から願っていたのに
目の前には上空で涙を流すセレニティと
戦いに敗れたエンディミオンの変わり果てた姿
私はなんて無力なの
なんのためにここに来たのよ!!!
禍々しいエナジーは私に攻撃を向けてきた
「─シャイニング・アロ――──!!!」
形のない敵に私は今持てる最大の力で対抗した
しかしそれは無意味だった
私の攻撃は敵に当たるどころか
あっけなくその存在を消されてしまった
その変わり黒い塊は私を攻撃してきた
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!」
かはっ─
地面に全身を力いっぱい叩きつけられる
「ソル様─!!」
息が苦しい──
口から酸素を取り込もうするが今の衝撃でうまく体にため込むことができない
「っぐ─!」
どうにかして体を起こす
体を支える腕は痛みのあまりうまく自分を支えてくれない
だけど時間をかけてはいられない
再び意識を集中させる
体の中心に力を集める
─あの時のように
キンモク星を守れた時のように
いま再び太陽の力を使えないだろうか
「いけません、ソル様!!そんな体で力を使ってはあなたの身が持ちませんし敵の思うつぼです!!」
今はこれしか…
両手を前に突き出し手のひらに力を集中させる
「はあはあ──。─黒い闇よ!光となり消滅せよ──!!」
いま持てる力、太陽の力で敵を包み込むように力を放った
だけど光が敵に届いた途端、逆に敵の力によって私の光は包まれ消えてしまった
「そんな…」
立ってるのもやっとの状態だった私は体力の限界と自分の力のなさに膝をついた
─くっ!!
どうしたら、
どうしたらあいつを倒せるの─!!!
──そんな時一つの光が辺りを包んだ